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鬼の手
やっぱり、あいつらは当てにならない。自分で何とかする他はない。
「人間1に憑依できます。」
いきなり、きた。でも、人間ってこんなにレベル低くていいのか?みると、子供がよたよた川沿いを一人で歩いている。
「憑依できるってことは、あの子もうじき寿命ってことか。」
助けてやりたいが助けてやれないジレンマが襲う。
「死神もこんな気持ちになるのだろうか?」
「仕事ですよ。稲刈りするのに心が痛みますか?」
気が進まない。人間に憑依するのは止めよう。
昔、落語で死神をだます話を聞いたことがある。
「寿命って変えられないの?」
別に見ず知らずの子供のために聞いたのではない。純粋な疑問じから出た言葉だ。
「秘密なんですが、ありますよ。」
人のロウソクを付け替えるとかじゃないよね。
「ロウソクなんて、原始的なもの使ってませんよ。日本だけで1億人以上いるんですよ。ススだらけで、喘息になってしまいますよ。詳しくは教えられませんが、あの手、この手、鬼の手があります。」
鬼の手?あのですか?
「地獄の慣用句です。」




