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エマージェンシーコール
「泳げ!」
応援するも、羽毛のほとんどないヒナ鳥が泳げるわけが無い。流れのある川の中だ。浮いているだけでも奇跡。しだいに、体力も限界になり、沈み始めた。
「ビー・ビー・ビー!」
けたたましい音と共に、目の前が赤く点滅する。
「エマージェンシー発生。」
音声と共に、目の前に文字が出た。
「早く別の動物に憑依し直してください。この乗り物はもうじき死にます。」
下流のほうに青い十字が見える。これが、肉体のある方向を示しているわけだ。時々、魚の上に赤い数字が出る。
「○番に憑依しますか?」
音声が流れ表示が出るが、通り過ぎると消える。
「これが憑依対象てわけだ。」
関心している場合じゃない。しかし、流れが速くて反応できない。やがて、視界の動きが止まった。何かに引っかかって淀みに入ったのだろう。
「アカムシ1番~10番のどれかに憑依しますか?」
いきなり音声と表示が出た。赤いマーカーが水中に見える。が、アカムシなんてどれも区別がつかない。
「1番。」
迷ってる暇はない。手っ取り早く、最初のを選んだ。
「アカムシ1番に憑依しますか?」
「はい。」




