55:考察、【オモチャ】について①
《12:14/321号室》
「それで話ってのは」
さも当然のように僕のベッドに松本さんは座っていた。かく言う僕もいつものようにパソコン前の椅子に座っている。
「そうだねえ。そしたらさっき先生からビデオメッセージが届いただろう。もちろん、君個人向けにね」
「そうだね。うん、送られてきた」
松本さんは腕を組みながら「なら話は早い」と一言。そして自分のゼミターミナルを取り出し、僕に渡す。
「私のものを見せよう。きっと君のことだ。少しでも私のことを疑っているのではないかと、そしてそれに対して申し訳ないと思っているのではないかと推測はしているさ。だけどこうしたら君も少しは心を開いてくれる気がしてね」
やっぱり松本さんはすごいや。そんな言葉がうっかり出そうになった。
だけど一方で松本さんならきっと自分から話して頼を取ろうと立ち回るはずだ、そんな期待をしていた。
実際に彼女はそう動いてくれた。なんだ、ドア前の僕の葛藤はただの杞憂だったのかもしれない。これで油断する程もバカじゃないが、少しは肩の力を抜けそうだ。
さてと、松本さんが言う動画を見よう。画面にはさっき見た先生からの映像と全く同じような構図で停止していた。再生ボタンを押す。
『やぁ、松本 アスカ。学園生活は充実しているかい? おっと言い忘れていた。この動画フアイルは松本、お前専用の内容になっている。もしこれを見ているそこの君が松本でないなら今すぐ動画を止めてすぐに連絡を出してほしい。入念にチェックはしているから問題ないはずだがな。さて松本、早速本題に入るが、君のもとに届いた荷物は空だったよな?』
「え……ちょっと待って」
僕は思わず動画を停止する。そして松本さんの顔を見るが一切表情を変えずに々としていた。
「え、荷物が……空? えっと、これが松本さんの部屋にもあったんだよね?」
僕はさっきまで【殺戮者の黒】の入っていた空箱を見せる。
「えぇそうよ。開けたらメッセージカードが1枚ね。まぁカードの内容はおおむね一緒なのかな。だけどそれは些細で些末で些事。続きを見ればわかるわ」
「う、うん」
僕の中の動揺や謎は拭い切れないままだったが、彼女の目は続きを再生することを強く訴えている気がしたので僕は再度再生する。
『今みんなには、君の体にある蛇と同じようなものを配っているんだ。でも松本、君はもう持っているから何もない。そりゃあそうだ、2つも……ああ~【オモチャ】と仮称しよう。それを複数持つのは不平等だからな。むしろ今の今まで不平等だったのが平等になったというわけだ。というわけでこれから他の生徒も君と同様所有者になったということだ、いいスパイスだろ? ということでこれをもって学園生活を過ごしてくれ。
あ、ち・な・み・に。探偵の君なら気にすると思うから先にネタバラシするけど君と同じ人間、つまりは既に所持している生徒は他にも何人かいるからね~。あと最後に、このことを誰かに言う・言わないは君の裁量で判断したまえよ~。それじゃあ』
そこで動画が止まった。
「えっと………これは?」
「まさかこんなにも早くにこの話をするとは思わなかったわ。でも君も気づいていたんじやない。例の会議で何かを配るという話を聞いて、これのことだって」
「それはまぁうん、そうだけど……えっと、何から聞けば」
「佐藤君に質問。私と一緒にいた時間と私が話した中で少し変だなと思った瞬間を答えよ。ここに来てから私は少なくとも3回、さっき先生の言った【オモチャ】を使っている場面があったわ」
「え、3回も!?」
「ヒントだけど内2回については直接見ていないからわからない、だけど君に話を少ししたわ。軽くだったからもしかしたら抜けているかもしれないけど、君の記憶力なら大丈夫と思って敢えて問題形式で話をしているわ」
松本さんがそんな奇想天外なことをした場面か………。まるで未来を見ていたり心を読んでいたりする推測、もしそれであるなら3回なんてものではないはずだ。
となると別の視点になる。必ずしも毎日松本さんに会っているわけではない。そう思えばひねり出せるのかもしれない。
「あっ」
「お、何か出たかな」
「初めてこの街を散策した日、通行人や車のことで話題になった時に松本さんが通行人に石を投げたよね」
「おぉ~、気づいたか」
「うん、そういえばあの時正確に対象に向けて投げることのできたコントロール、的確に対象の向かうように進んでいった剛速球。咄嗟とはいえ、あの判断、特にスピードについてはプロ顔負けのレベルに思えた」
「うんうん。正解だ。と言ってもあれは正確に言うと球速の方だけであとは私の実力だけどね。まぁそれはそうと、それが最初に使った時だ。じゃああと2回は?ちなみにこの2回は同日に使っているわ」
そもそもあのコントロールが実力であることをさりげなく言っているが、そこはあまり深く触れなくてもいいのかと思ってしまう。
「それって僕が見ていない間での話なんでしょ。出るのかな」
不安ながら考える。でもさっきのが正解だと、そこまで悩ましくもないのかもしれない。
先から話題に挙がっている【オモチャ】は奇想天外なアイテムと先生は言っていた。僕の持っている【殺戮者の黒】も殺意で刀身が伸びるという科学では証明できない不可思議なことだ。そんな不可思議なことを現実にできるのが【オモチャ】。
そして松本さんの持っているものは、本来の体からはできないパフォーマンスができると言ったところか。軽い見立てだがその程度は思いつく。
となると……あの時、事が済んだ後に「いずれわかる時が来る」と言っていたような。
「もしかして安河内さんと西門さんの揉め事で仲裁に入った時」
「大正解。そこが2回目と3回目の使用だ。1回目は西門さんの蹴りを片手で止めたとき、あれは本当にこの蛇……【内なる八岐大蛇】を使わなければ本当に骨が折れていたでしょうね」
松本さんはポロっと言う【オモチャ】の名前、そういえばさっき先生も蛇がどうのと言っていたような気がするが、そもそもその蛇は何なのだろうか。
「3回目は不意打ちで西門君に蹴り飛ばされ、階段から落ちたとき。あの時も衝突を最小限に抑えることができた」
思えばそうだ。階段から蹴り飛ばされた直後に、女子一人負ぶって保健室まで来るのは不自然すぎる。安河内さんは頭から血を流していたが、松本さんは怪我も流血も無く埃で制服が汚れている程度にしか見えなかった。
「ねぇさっきから言っている蛇って何なの?」
松本さんは「あぁ、それか……」と言いながら徐に自分の着ている部屋着をバッと脱いだ。そのついででキヤミソールも脱ぐ。
「え?」
気づいた時には上は灰色のブラと白い肌だけになっていて、目を逸らす際とかそんなのがなかった。マリアの日常を思えば見慣れているから平然としているが出会って1ヶ月足らずでここまでの関係性はいいのだろうか。こんなこと、彼女の前で話したら後で一大事になりそうだ。
「これだよ」
そう言って松本さんは振り返る。
背中には学生である彼女の白肌の上にとても似合わない、裏社会で暗躍していそうな厳つい男がつける方がむしろ似合う蛇の刺青のようなものが8匹いた。まるでヤマタノオロチのようだ。
「例えば……佐藤君、さっき見せてもらった空箱貸してくれる?」
「うん」
僕の渡した箱を松本さんは左手で受け取る。手に取ると松本さんは「これもう必要ないね
よね」と確認するので、僕は一体何をする気なのか意図もつかめずにいながらも許諾した。
「この段ボール、普通にやると…」
そう言いながら箱を宙に浮かせ、左手の甲でノックするように叩く。箱はそのままベッドに落ちて、転がりながら床に落ちる。
「こんなもんでしょ」
僕は落ちた箱を拾うが、松本さんの左手甲で叩いた部分に全く傷がない。
松本さんの言う通り、これは普通だ。僕も彼女のようにやったとして、多少の差異があるにせよ、同じ結末になる。
「もう一回その箱を貸して」
言われるがまま僕は箱を渡す。
「そうだね……2匹で行こうか」
そう言うと背中の蛇2匹が生きている本物のように彼女の肌の上をウニョウニョと這う。
そ行き着く先は彼女の左手甲だった背中で伸びていた時とは違い、今度は渦のようにとぐろを巻いて丸くなった。
「同じ要領でやろうとすると……」
松本さんの言うようにまた箱を宙に浮かせ、同じように左手の甲でノックする。
するとさっきまでとは違うことが起きた。バゴンッ!と大きな音を立て、箱は強い衝撃で平行線上に飛び、壁にぶつかりペシャンコにつぶれた。直方体だったそれは無残にも原型を失った。
呆然としていて再び松本さんの方を目にやると、左手の甲にいた蛇はまた彼女の体を這い、最初に見たときと同じ背中の場所に帰る。
「これが【内なる八岐大蛇】よ」
そう言って脱いだものを着直して、こっちを向いた。確かに見慣れているとはいえいつまでもこうあるのは目に余るからね。
「この蛇のタトゥーがある箇所の身体を強化する。攻守あらゆる面においてね。さっき見たような背中にいるうちは起動していない状態とほぼ変わらないわ。まぁ意識すれば起動するから背中を刺そうというものならどうにでもなるわ。余談だったわね、蛇の数や場所は私の頭の中で、つまりは念じるというべきところかしらね、それで指定できるわ」
僕は空箱だった残骸を拾う。ペシャンコにつぶされてしまったのを少し直し、歪んだ直方体にする。そして左手の甲で当てたところを見ると、明確に凹みの後があり、一部穴もできていた。それは拳で殴らないとできないようなものだ。
「これはすごいな……今見せてもらったのはあくまで一例だけど、例えば蛇8 匹を一点に集中させることは?」
「もちろん可能よ。威力は試したことないけど、この島の壁は壊すことは簡単な話だと思うわ」
「なるほどね……」
「でもこれにはデメリットがあってね、使いすぎるといつも以上にお腹が空いてしまうのよ」
「あっ、やっぱり……そうだったんだね」
「ん?あぁ、なるほど。さすが佐藤君だ、気づいていたか」
ここでいう気づいた事。それは松本さんが安河内さんと西門さんの仲裁をした日、ある程度物事が済んだ後に2人で昼食をしたが、彼女の昼食の量がいつもより多かった。当時の僕もそこは気になって思わず尋ねてしまったが、当人は「お腹が空いているから」と言って、まぁそういう日があってもおかしくないかとスルーしていたけど今のデメリットを聞くと納得できる。
「そりゃあ、あの時意味深げに『そのうちわかる日が来る』なんて締めに言っていたからね」
「本当に君の記憶力はすごいな……さてと、今こうして私の【オモチャ】について開示したわけだ。あぁ、私の話はこれで以上だよ」
そう言って、松本さんの表情はいつにも増して真剣さこの上ない。
「……僕も話した方が良いのかな?」
「任せるとも。私がここに来た理由は、種明かしをしておきつつ、できれば教えてほしいなあという厚かましい考えだからね」
「なるほどね、ならーーー」
僕は松本さんを信じて【殺戮者の黒】について話した。
「なるほどね、【殺戮者の黒】か。で、実際に試したのかい?」
「うん、何なら……」
僕はナイフを手にし、あの日の事件の京極 ココアに対しての想いを念じる。
しかし何も起こらない。
「このザマなんだよね」
「う〜ん。殺意って本当に強いとカーッて現れるけど、ほとんど一過性だからね。沸勝したお湯みたいなものよ。だけど常に沸騰しているお湯なんてないわ。沸騰し続けたら蒸発しちゃうからね」
「確かにそうだね」
その理屈は随分と納得できるが、かと言ってそれで実現できるないもので僕の中での真偽が揺らいでいた。
「でも君はどこかで、これが本当に殺意で刀身が伸びるものだと思っているんじゃないのか?」
「それはそう。十重奏会議の件が一番の理由だね。だけどそれはふわっとしたイメージ、なんとなくそうなのかもしれないという気持ちだ」
「で、実際に私の【オモチャ】を見て君は?」
「本当だと確信した。だけど、僕がこれの本領を発揮できるのかについて疑問が残る一方なんだよね。そもそも殺意が何かすらも今こうして悩んでいる」
「う~む。辞書的な定義とはまた違ったものにも感じるわね。だからこの定義はこうだと呈するのも難しい話だわ。でも一方で、きっとそれはそのうちにわかる日が来ると思うわ。……さて閑話休題に佐藤君」
「ん?」
僕の話があっさりと済んだことに少し腑抜けてしまった。閑話休題とは何だろう。
「さっき君に見せた私向けの動画、もちろん内容は覚えているよね」
「もちろん。でもそれがどうしたの?」
「先生の話の中に気になるフレーズ無かったかしら?特に最後の方あたりなんだが」
「気になる?えぇっと……」
僕はさっき見た動画の言葉を頭の中で文字起こしし、想起する。気になるフレーズか…あぁ、なるほど、これか。僕はすぐに松本さんの質問の意図を察した。
「そういえば松本さん以外にも既に持っている生徒がいるってことだね」
「そう。今ここにいる 42人の生徒は2種類に分かれている。共通項は【オモチャ】で、佐藤君のように「初めて持つ人』と、私みたいに『既に持っている人』ね。その比率は不明だけど、おそらく前者が多くを占めていると思うわ」
「松本さんの中ではそういう見立てなんだね」
「見立てじゃなくて推測よ。もしかしたら逆の可能性、『既に持っている人』が多くて、君がマイノリティーというパターンもあり得るわ」
「そっか」
確かにどちらに転ぶかもわからない。今しがた貰ったものにすぐに是非を決めるのは不可能だ。
「で、佐藤君。きっと君は色々な生徒と出会ったり出会わなかったりしているだろうが、『既に持っている人』の候補はいるのではないだろうか?」
「う〜ん」
少し思案する。【オモチャ】の定義はまだざっくりとしたものではあるが、現時点でわかることは「現実味のないことを現実にする奇想天外摩訶不思議なモノ」でしかない。
それを踏まえて僕の出会った生徒の中にそんなことをした人は―――
「案外、いるよね」
思わず言葉になってしまう。
「思いつく限り出てくるのは、西門さん、鹿島君、仮屋君だね」
「うんうん。西門さんは体格に見合わないパワーを有しているところ、鹿島君は人のオーラが見える目、仮屋君は人の心臓を止める衝撃を与える目だね」
「そうだね。今のところ僕の出会った人で異質にカテゴライズされるのは今の三人なんじゃないかなと思う」
実を言うともう一人いるが、一旦彼女のことは除外しよう。
「私もそれに賛成……と言いたいところだが一部疑問に思うこと、眉唾なところがある」
「ん?」
「その前にここは合っているだろうという話から。西門君のパワーは間違いなく【オモチャ】が絡んでいると見ていいわ。佐藤君の調べと彼女の発言を基にすると、過去に行った彼女の復讐で被害に遭った 1人は頭に一発蹴りを入れられたけどその衝撃でコンクリートにめり込むほどのものだったと言っていたわね。実際の現場も彼が立った時の頭と同じ高さの場所に凹み跡や裂があったっていうのだからね」
「うん、それにこの間、寮を出てちょっと歩いたところに並木通りがあるけど、そこの木1本を本気で蹴っているところを見たんだ。折れはしなかったけど、少し曲がって、歪みが発生していたよ」
「私よりやや低い身長、私よりも軽いだろう体重から大男……いや、もはやそれ以上の怪物とも言えるようなパワーを出せるとは思えないものね。私もそうであると確信しているわ」
「随分と自信もって言うけど何か根拠でもあるの?」
「彼女から蹴りを受けたときの事よ。あの時、咄嗟に蛇4本で対応したけれど、普通の人ならむしろ衝撃が反射されて痛い思いする……そうね、靴を履いている状態で強く電柱を蹴ったら痛いでしょ? あれと同じことが起きる、いや事によれば負傷したはずだったのだけれど、私も傷は負わずとも重い衝撃を受けたし、西門さんは何もダメージを受けている様子が無かったからね」
さっき空箱を宙に浮かせノックをしたら強い衝製で飛ばされてペシャンコになった時は2匹だった。ということはさっきの2倍を咄嗟の判断でやったのに相殺ともいえる状況になった。ということは西門さんの持っている【オモチャ】は恐らく体格に見合わないパワーを繰り出すことができる。
―――だけど何だろう、引っかかることがあるのも確かだ。
「ただパワーが出るという一言で片づけていいのだろうか」
「ん?」
「松本さんにも話したけど、直接西門さんと話したとき一回だけ蹴られたんだよね。でも鼻血が出る程度、骨が折れるとかそんなことは無かった。それに安河内さんの件も、出血と脳震盪だけで済んでいる。もし、彼女の復讐の時と同程度のものを受けたら、僕の鼻は捥がれていただろうし、安河内さんは最悪死んでいた可能性もあるよ」
「確かにそれは私も思うわ。でもそこまで難しく考えなくてもいいと思う」
「というと?」
「簡単だよ、私で言うところの蛇の数と同じで調整をしたということでは? 真っ先にそれを考えてもいいと思う」
「うん。松本さんの意見は僕も考えていた。だけど……なんか引っかかる」
「引っかかる?」
僕はあの日、西門さんと話した日のことを思い出す。
そもそも彼女の居場所が分かった瞬間は木を蹴った音に気づいて、それを見かけたら蹴りを入れた直後の西門さんだった。足は木に食い込むように入っていた。入っていた?
僕を蹴った時は、本当に鼻を狙っての回し蹴りだった。しかも当てたられた部分は器用にもつま先。
「蹴り方が、違う」
「ん?」
僕は松本さんに今気づいたことをありのままに伝えた。
西門さんと話した日、僕は彼女の蹴りを二度見たが一度目は蹴りを入れてそのまま静止、足は木にめり込むように深く入っていた。だが僕を蹴った時は回し蹴りで、足を入れることなく元の体勢に戻る。
そしてこの二つには差異がある。手の形だ。一度目は両手を握った拳、二度目は開いた手のひら。仮に力を調するなら基本的に型みたいなものはあるはずだ。わざわざ使い分けるのか引っかかる。
二度目の方は、【オモチャ】を使っていないということも考えうるが、力のない女子にそれなりに蹴られてもよくて片方の鼻の穴から出血するだろうがあの時は両方から滝のように出た。それにピンポイントで鼻だった。頬やそれ以外のところをかすりもしていない。
随分と器用すぎるように感じる。それはまるで、二つの行為が別の人物がやっていたかのようだった。
そんなことをツラツラと僕は松本さんに話した。
「なるほどね。佐藤君のその可能性は無条件に却下しない方が良いだろう。思えば西門君は自己紹介の時に真似が得意だと言っていた、それと関係しているのかもしれないわね。まぁとにかく一旦西門君の件はここまでとして……次に懐疑的なところだな」
「そう、僕も気になっていた。疑わしいのは誰なの?」
「西門君以外の2人だ」
「えっ」
鹿島君と仮屋君が疑わしいとはどういうことだろう。僕は松本さんの話を聞くことにした。




