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42人の教室  作者: 夏空 新
第2章

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30/88

隙間[4]

《3月31日/11:23/ニューシティ号のテラス》

 これは全員が不死になる直前のこと。前田 アズサは船のテラスで一人歩いていた。

「潮風が気持ちいいなぁ~」

 これからの行く末なんて考えるはずもなく呑気に

「むにゃむにゃ……」

「ん?」

 自分しかいないはずと思っていたアズサの周りから自分以外の声がすることに気付いてあたりを見渡す。そして目線を下におろすとそこには一人の少女がぐっすりと眠っていた。

「はぁ!?」

 アズサの口からはそんな素っ頓狂な声しか出せなかった。

「ちょ、ちょっと大丈夫ですか!?」

 慌てて寝ている少女に近づき、体をさすると彼女は目を覚ます。

「んぁ~? もう時間になったんかね…?」

 目を覚ますなりアズサにそう尋ねる。

「はい?」

「ん~。集合時間の時間になったの~?」

「全然違うけど………」

 しばらく二人は話をした。寝ていた少女の正体は若槻 ヤサカ。どういうわけか常に眠たいようだ。

「つまりヤサカちゃんは眠くてそこで寝ていたの?」

「ん~。ここ風が気持ちいいし、床がちょうどいい温度で、横になったら『あっ、これはダメだ~』ってなった」

「そうなのね…」

「え~と、君は前田 アズサだから………アズって呼ぶね」

「いきなりあだ名!?」

「文字数多いから基本的に2文字しか呼ばないって決めてんだ~」

「自分のことはなんて呼んでいるの?」

「ヤサ~」

「そっか………ずいぶん変わっているね」

「よく言われる~。でもヤサは超大大大天才だからこのゼミに選ばれたのだ」

 とドヤ顔ブイサイン付きで得意げにヤサカは言った。

「そんなことよりアズ~」

「ん? なにかな?」

「1年間よろしく~」

「あ、えぇ、よろしくね」

「んじゃ挨拶終了なのでシャットダウン………」

 そう言ってヤサカはアズサの肩に頭を寄せてそのまま眠ってしまった。

「あっ、ちょ!?」

 アズサの抵抗も虚しく、すっかりヤサカは深い眠りについてしまった。

「はぁ~。なんだろう、この子は私が面倒見ないといけない気がしてきたわ…」

 この瞬間、アズサの中でゼミの1年間でやるべきことが一つ見つかったのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


《4月2日/10:09/鳥籠[終焉]学園体育館前》

 佐藤 タケルと松本 アスカの動向を伺う少年が2人いた。

 一人はキリっとした釣り目に頭にはヘアバンドを巻いている男。もう一人は女性並みにサラサラとした長い髪を下した長身の男だ。

 ヘアバンドの少年は長身の少年に話をかける。

「なぁ榎並(えなみ)よぉ。俺ってあの男に声かけられたか?」

「………さぁ?」

「『さぁ?』ってお前なぁ………会ってない一択だろ」

「………聞くのは変」

「わーっとるわっとアイツあんな場所からバスケットボールを投げて何をしてんだ……入った!?」

「………凄い」

「ナニモンだアイツ? プロでもあの距離は普通無理だろ」

「………かもね」

「かもねってお前なぁ。もっとこう感想はないのか?」

「………ボキャ貧」 

「ボキャ貧ってお前なぁ……。まぁいいわ、行くぞ榎並」

「………挨拶、しないの?」

「俺たちは別にアイツに用があるわけじゃないだろ。俺たちは俺たちの目的を果たさきゃなんねぇからな」

「………隠居(かげい)の言う通り」

 そうしてヘアバンドの男、隠居 モトハルと長身の男、榎並 トワはその場を去った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


《14:21/公園》

 佐藤 タケルと談話した後の不二 アカリと比々乃 ソラであったが、引き続き公園で話をしていた。

「なんとなく外の風に当たりながらソラと話をしていたけど、存外悪くない話だったね」

「うん、ソラくんもこういう雰囲気嫌いじゃないからアカリちゃんいい案を出すじゃんなんて思ったよ。おかげで初めて出会う子もいたしね」

「えぇ、そうね」

「……………しかし、アイツがねぇ。確かにそうだが、変わり果てやがったな」

 ここでソラはリンゴを齧りながら普段の数倍も落ち着いた低音でボソッと言う。

「ん? ソラなんか言った?」

「別に~。それよりも今日もいい天気だなぁ」

 いつも通りの飄々とした声に戻して話題を転換させる。

「え、えぇ、そうね」

「リンゴ美味しいなぁ。アカリちゃんも食べる?」

「あなたまだストックあるの…?」

「もちろんさ! 船旅を終えてもまだ腐ってないぜ!」

「はぁそうなのね………頂こうかしら」

「よし来た!」

 とソラはウキウキでカバンの中をあさりだした。

(さて、いつ動くか。それは全て俺次第ってことだよな…)

 このソラの心の声は誰の耳にも入らなかった。

一つ目は時系列的には序章での船での一幕、前田さんと若槻さんが出会った様子です。前田さんはこの時から姉としての本能が騒いで若槻さんの面倒を見ないといけないなと思っています。


二つ目は少し遡って、体育館での一幕。しかもまさかの新キャラ、榎並君と隠居君です。榎並君は御覧の通りボキャ貧で言葉数の少ない長身長髪キャラです。ある程度立った存在を作りたくてここまで少し濃すぎるものを使ったと思っています。

隠居君は「かげい」と読みますが普段入力するときは「いんきょ」と打っています。一応ちゃんとある苗字みたいですよ。明言はしていませんが影が薄いという設定があります。まぁ、佐藤君と松本さんが気付いていないんでそういうことにしておいてください。この設定は苗字から付けた設定です。恐らく苗字から特徴を設定をしたのは彼が唯一無二かと思います。


三つ目は佐藤君と会った直後の不二さんと比々乃君の一幕。この2人が前から知り合いであることは序章でチラッと触れています。大雑把な流れとしては2人とも静岡生まれでしたが比々乃君の方が東京に引っ越したという感じです。

比々乃君は一人称が特徴的ですね、そして「俺」も使っていること。これは一体どういうことだ?

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