アノウミハアオカッタ
「そういえば、夢猫さんってどうやって燈花と会ったのですか?」
「たぶん、後ろから羽交い締めにしたと推測する。」
彼方さん、怖いです。
「ち、違うよ!、変なおじいさんにナンパされてたから、助けたのさ。」
「嘘ですね。」
「嘘っぽい。」
「え?、ど、どうなのかな?」
「夢猫、嘘を言うのはよくないぞ。」
みんな、ひどいって。ここは、本人に直接言うのがいいだろう。
「燈花、夢猫さんの言うことは本当か?」
「本当だよ。助けてくれたの。」
夢猫さんとてもいい人じゃん。
「と、燈花さん、五輝さんちょっと話したいことが。」
ヒーナちゃんが話したいこと?ああ、あのことか。
「わかった。燈花もいいよな?」
うなずいてくれた。
「異世界跳躍のことですけど。発動条件とかはあるのですか?」
いきなりこの話かよ。まあ、予想はしていたけどね。
「えっと、発動条件とかはないよ。一つの世界っていうのは丸いシャボン玉みたいなものなの。それがね、たくさんあるんだ。異世界跳躍はそのシャボン玉を瞬時に移動する。夜刻ノ神はそのシャボン玉の端っこの部分に何らかの細工をしたと考えられる。つまりは夜刻ノ神を倒さなくてもその細工を解き明かせばいいと思う。」
「す、すごい。じゃあ、今から細工を解きに行くのですか?」
「え?、お兄ちゃんここから出られないの?」
いっぺんに聞いてくるな。俺は聖徳太子じゃないから一気に二人の話を聞き取ることなんてできないって。
「ああ、そのためには聞き込みをしなくちゃな。俺と燈花の正体はまだ、広まっていないようだからこのまま聞き込みができるだろ。」
「ゲートオープン、アクセス、オリジナルワールド。」
燈花、何してるんだ?帰れないって。
「うそ、か、帰れない・・・」
話を聞こうぜ。
「みなさん、ちょっと話がありマース。」
今度はアリスさんか。なんだろう。
「明日、海に行くのですがみなさんイキマスカ?」
海?
「いいじゃない。行こうよ。柚希もそれでいいわね。」
「いいぞ。」
「私も海に行きたいです。行くの久しぶりで。」
海か。息抜きにはいいな。
「燈花も大丈夫だろ。」
「お兄ちゃんがいいって言うのなら。」
「ラブラブだね~」
「チッ」
「ワォ~」
「あ、あのやっぱり」
アァァァァァァァァァ妹よ、頼むからやめてェェェ
「うーーーーみーーーー!」
おいおい、始めから盛り上がって疲れないの?まったく妹ってやつは。
「うーーーーみーーーー!」
ヒーナちゃんまで!?海ってそんなに叫びたくなるものなの?
ちなみに、ここには俺、燈花、ヒーナちゃん、柚希さん、彼方さん、アリスさん、夢香ちゃん、深雪ちゃん、梨沙ちゃんと柚希さんの知り合いの人が二人(俺 は知らない)がいる。
「ヒーナちゃん、向こうの岩のところまで競争だよ。」
「はい、分かりました。」
そうはしゃぐな。転ぶぞ。そう思った時、なぜか躓いて転んでしまった。
「ハハハハハハハハハッ、五輝何してんの。なにもないところで転ぶなんて面白すぎるって。」
「バカ丸出しだな。」
くそー屈辱。恥じらいを振り切るために立ち上がって走った。
「ウォォォォォォ!」
海に飛び込む。肌に触る冷たい感覚がきもちいい。心が安らいでいく。バカにした二人はちょっと離れたところにいるみたいだ。仲いいな。あれ?柚希さんの知り合いの人かな?二人を眺めてるんだけど。よし、暇だから少し潜ってみよう。
深く、深く潜っていくその先に・・・・
マボ 「勉強忙しい」
ヒーナ「がんばってください」
彼方 「テスト前っていつもみんな騒がしくなるよね~」
柚希 「たしかに」
マボ 「これでも、中学校のころは成績上位だったんだからね」
夢猫 「俺も忙しい」
アリス「ミナサン、またドイツ語勉強しますか?」
夢香 「お願いします」
深雪 「えっ、」
梨紗 「やろうよ」
五輝 「勉強なんぞ今の俺にはいらない」
燈花 「もう、お兄ちゃん!!」