ドコカデキイタセンリツ、ミオボエアルトコロ
「嘘デース。本当のキホンは「Guten Tag」ダヨ。」
ふむ、たしかに挨拶の言葉は基本だな。
「ヒーナさんってどこ出身?」
柚希さんが聞いてきた。この中で唯一の男の人だ。聞くところによると、学年トップらしい。すごい。でも、ヒーナちゃんの出身を教えるのは危ないかなと思って
「どこかだよ。」
と答えました。そんな感じで、ドイツ語の勉強会と雑談(雑談のほうが多いような)をしていた。そんなとき、一人のお客さんが入った。
「いらっしゃいませ。」
夢香ちゃん反応早いな~。しかし、夢香ちゃんの顔色が変わった。
「あんた!今度は何しに来たの!」
彼方さんの顔が赤くなっている。なぜにそんなに怒っているの?
「いや~、ちょっと用事があってね~。」
お客さん、こんな状況の中でもひょうひょうとしているな~。その余裕はどこから来ているんだろう。
「あの人、誰ですか?」
ヒーナちゃんが柚希さんに聞いていた。
「あ、あれは俺達の作者だ。な、なんでここにいるのかは分からないが。」
作者?作者ってなんだ?頭の処理が追いつかない。
「お、いたいた。」
なんか、近寄ってくるんですけど。ヒーナちゃんがものすごくビクビクしてるじゃん。何をするつもりなの?
「おっと、俺は夢猫だ。別に怪しいやつじゃないからな。それにしても、マボが言っていたとおり、ヒーナちゃんかわいいね~。お嫁さんにしたいくらいだよ。」
ん?、マボ?、お嫁さん?、夢猫?、わけわからん。
「ちょっと、私のヒーナさんにちょっかい出さないでよ。」
私のってなんだよ。ヒーナちゃんはヒーナちゃんでしょ。
「オゥ、私はあなたのことを知っていマース。」
アリスさんも知っているの?夢猫さんって誰だよ。
「今日はな、そこの五輝君に会いたいっていう人がいるからその人を連れてきたんだよ。」
俺に会いたい人?
「ほら、入っておいで~」
そう言って入ってきたのは、女の子だった。ん?、妹に似ているな~。妹ではないからなのか、似ていてもすごくかわいい。唇のあたりとか、結構開いている目とか。
「お兄ちゃーん。」
なんか、抱きついてきたんだけど。それにお兄ちゃんって、似たような妹はいるけど、あいつがここに来れるはずかない。
「会いたかったよ~お兄ちゃん!」
いや、違うって。燈花がここにいるはずがない。
「五輝君、びっくりして混乱しているようだけど、君の妹の燈花ちゃんだよ。」
え?、なななななななな、なんで?なぜに燈花がここにいるんだ?
「燈花、なぜここにいるんだ?お前はここに来れないはず。」
「私もね、実は異世界跳躍できるんだよ。だって、お兄ちゃんの妹だもん。」
そ、そうなの?俺と同じ能力を持っているの?
「夢猫!小さい女の子を拉致してきたってわけ?」
「・・・・最低。」
「オゥ、夢猫さんは変態デース。」
「夢猫さん?」
「ついにやってしまったか・・・・。」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「五輝さん?そちらのお方は?」
皆さんドン引きでございます。夢猫さんといったか、この弁解はどうするんだ?
「い、いや、一週間ぐらい前にね、この子がおじいさんにナンパされてから助けたの。そしたら、家がないって言うから養ってあげたの。」
おお、夢猫さんやさしい。妹の面倒を見てくれて感謝です。
「夢猫さんはお兄ちゃんと違っていろいろと話を聞いてくれたよ。お兄ちゃんもこんなふうに優しかったらいいのに。」
はい、反省します。
「つまりは、私くらいの女の子と一緒に暮らしたということですか?」
夢香ちゃん、それは・・・・・
「うん、そうだよ。」
夢猫さん、あっさりと肯定してしまうと・・・・
「変態です。」
「夢香ちゃんの言うとおり、この人はヤバイ人だね。」
夢香ちゃん、彼方さん、か、かわいそうだからこのくらいに・・・・
「でも、何もされませんでしたよ。」
妹よ、当たり前だろ。養ってもらった方に失礼な言い方をするのではない。
「何もなかったのであれば、今日はそのあたりでいいだろう。」
さっきからだけど、柚希さん、彼方さん、夢香ちゃん、深雪ちゃん、梨沙ちゃん夢猫さんへの接し方が酷いような気がする。前に何かあったの?
「まあまあ、俺も話の中に入れて~。」
「お兄ちゃん、何しているの?」
「今まで、ドイツ語を教えていたんだ。」
「へぇ~、お兄ちゃんの教え方でうまく伝わるの?」
うるさい、みんな理解してたんだからな。
「夢猫と燈花ちゃんも加わる?」
彼方さん、妹とも気軽に話せるなんてやっぱりすごい。学校で中心にいるんじゃねえの?
「じゃあ、いい機会だからお兄ちゃんに教わろー。」
そう言うなり腕に抱きついてくるのやめれ。
「い、五輝さんと燈花さんってまさかそんな関係だったりするのですか?」
ヒーナちゃんに誤解されてるじゃないか。それに、みんなからの視線が痛いって。
「お兄ちゃん、たくましくなったね。」
本当にやばいから。やばいって。
五輝 「燈花、あんなことを言ったら恥ずかしいって。」
燈花 「そう?私は恥ずかしくないけど」
夢香 「五輝さん、燈花さんは妹ですよね?」
五輝 「妹だよ!!」
彼方 「ほんとかな?」
柚希 「嘘っぽい気がする」
深雪 「それよりも、夢猫とどんな暮らしをしたの?」
夢猫 「それは、かくしかじか」
梨紗 「わかんない~」
マボ 「楽しそう~俺も入れて~」