イモウトトカエルトコロ
「お兄ちゃん、朝ごはんだよ。」
呼びかけたけど出てこない。どこに行ったの?
「お兄ちゃん!おそようはダメだって。」
部屋の前で呼びかけるも反応がない。何かあったのかと心配になって、部屋を開けた。
「お兄ちゃん!開けるよ!」
ガチャっとドアノブを回し、開ける。ギギッときしむ。そろそろ、家を改築してほしいね。部屋を開けると、いつも部屋のベッドで上下逆さまになって寝ているお兄ちゃんはいなかった。・・・・なんで!
「お兄ちゃんどこに行ったの?」
いつもは部屋の中にこもっているのにいないなんて、これはあれしかない。
異世界跳躍したんだ
お兄ちゃんは異世界に行くことができる。それも自由自在に。この場合は夜に必ず帰ってくる。一ヶ月前に行ったばかりなのにまた行くのはちょっと珍しいけど、まあ、待っていよう。でも、異世界で女の子と遊んでいるのは気に障る。だって、
お兄ちゃんのことが好きなんだもん
お兄ちゃんには私のことだけ見ていてほしい。そう思って一生懸命頑張っているのに、なかなかお兄ちゃんは振り向いてくれない。なんで?兄妹だから?血が繋がっているから恋しちゃダメなの?お兄ちゃん、早く戻ってきて。早く会いたいよ~
夜になってもお兄ちゃんは戻ってこなかった。お兄ちゃんは夜になると必ず帰ってくる。まあ、こっちを宿扱いのようにしているだけなんだけどね。でも、帰ってくるだけで私は嬉しい。夜になっても帰ってこないのは今日が初めてだ。何かあったのだろうと不安になる。
「お兄ちゃん・・・・」
お兄ちゃんのことを考えるだけで胸が締め付けられて苦しくなる。早く、早く会いたいよ~お兄ちゃんの身に何かあったのであればじっとはしていられない。仕方がない。「アレ」を使うとするしかないね。
準備をする。まず、食料を用意する。そして杖も忘れないようにする。この杖は初めて行った時に手に入れたものだ。あ、あと歯ブラシと化粧水も持っていく。これで準備は完了かな?
「もう行くとするか。お兄ちゃん、待っててね。」
手を片方前に出す。そして、
「ゲートオープン、アクセス、ワールドオブイツキ。」
その瞬間、周りが白くなると同時にめまいに襲われる。まだ、二回目のことなので慣れ
ない。
気がついたときには何処かに街に出た。
「ここは、どこ?」
そのとき、後ろを誰かに触られた。
「ひゃっ!」
誰なの?後ろを振り返るとおじいさんがいた。
「お前はどこから来た?」
「わ、私は・・・・」
「ちょっとこっちに来ようか?」
イヤッ、イヤだ。なんか怖いよ~。お兄ちゃん、助けて!
マボ 「俺はここの作者だぞ」
五輝 「なるほど」
ヒーナ「マ、マボさん、あなたも異世界人なのですか?」
マボ 「そうだよ。それにしても、ヒーナちゃんかわいいね。」
ヒーナ「え、えええ、」
マボ 「ぎゅしたいくらい」
ヒーナ「あ、あ、あ、助けてください!」
マボ 「待て~待て~」
ヒーナ「五輝さん助けて~!」
五輝 「おい...」