幼馴染登場ですよ
今回から、ちょっと怖い話になると思います
「ほう、幼馴染ですか……。」
ああ。幼稚園からの付き合いだ。
「まさか、女の子ですか?」
女の子だが。
「へえ、そうなんですか…。
(ライバルがいたなんて……。
まだそうと決まったわけじゃないけど。)
どんな方ですか?」
中学校卒業と同時に、
ひきこもり生活し始めたんだ。
そんなに悪い奴じゃないんだが、
人付き合いがちょっと残念な感じ。
「…どんな関係で?」
だから、幼馴染。
たまに様子見に行くってだけだ。
ほとんど話もしねーしな。
「そ、そうですか。」
なんだよ?変な奴だな
あと、あいつの顔見ても突っ込むなよ?
言ったら怒るんだよ。なぜか。
《よくわからないですが、気をつけます。》
あいつ怒ると手に負えねえから、
本当に気を付けろよ?
…ここだ。
「…。え、えっと、時代とか風情を感じるいいアパートですね。」
素直にボロいって言え。
まあ確かにボロッボロだ。
俺が生まれる前からあったらしい。
あいつの部屋は二階の一番奥だ。
ピンポーン
『…誰?』
「俺だ。」
『……。』
ガチャ
《………え?》
おい、黙ってろ。
『…上がって。』
「…おう。」
《…お、お邪魔します。》
『座ってて。なんか持ってくる。』
「分かった。」
《……………。》
「どうした?」
《あの、あの人のあれって…。》
「言うな。」
まあ、わからなくもない。
奏は、なぜかホッケーマスクをつけていた。前は狼男のマスクだった。
奏は昔から素顔を見せない様にしている。
『お待たせ。で、君は誰?』
《えっ?私ですか?》
『他に誰がいると…?』
《この人の守護霊ですよ。》
『…そう。』
《私が見えるんですか?》
『一応。芦屋、私の事説明した?』
「いや、あんまりしてねえ。
奏が自分で言った方がいいだろ。」
それにヘタなこと言うと、
面倒な事になると思ったからな。
『ん、そうだね。私は、四宮奏。君は?』
《あ、末といいます。》
そういえばこの守護霊の名前、
始めて聞いたな。
『そう。よろしく。私は霊感とかあるから、
君が見えるんだよ。
兄の日傘もちょっと特殊でね。
だから兄妹揃って詳しいんだよ、
普通じゃないことにね。
それで今日はどうしたの?』
「この守護霊が、話すから。」
《私ですか?いいですけど。
…実は、ある悪霊の呪いで、
芦屋さんの命が危ないんです!》
『………詳しく話して。』
〜芦屋の通っている学校〜
ズル…ピチャ…
ズル…ピチャ…
ズル…ピチャ…ドコニイルノ?
ネエ…………。ドコニイルノ?!
ドコニイッタノ……?
ドコニ………。
「君、今は授業中だぞ。何でこんなところにいるんだ?」
ウルサイ…。シネヨ…………。
「な、何を…。」
ゴキッゴキッ……ゴキッ……
「…………。」
ズル…ピチャ…
ズル…ピチャ…ドコニイルノ?
ネエ…。ヒラヤサン………………。
《……と、いうわけなんです。》
『なるほど。恨みというよりは、
執着してる感じかな?
イジメ云々じゃない理由でね。
たぶん、その霊は生前、美穂さんのことが好きだったんじゃない?』
ブーッブーッブーッ
「携帯連絡網?なんでこんな?
………!おい、やべえぞ。」
《何がですか?》
『どうしたの?』
「学校の教師が死んだらしい…。
犯人は不明だ。」
《まさか…。》
『悪霊の仕業でしょうね。
いそいで対処しないと………。』
ドコニイルノ………?
「!」『!』《!》
芦屋「最後の声、必要か?」
奏『うまい締めかたがなかったんだよ。』
芦屋&守護霊「《そういうことか…。》」