つなぎの回ですよ
あんまり話が進みませんねえ。
…頑張ります。
学校を休んだものの、特にすることがない。
大体の事情はあねきから聞いたし。
せいぜい裏付けとったり、
生前どんな奴だったか調べたり、
そんくらいか?
「じゃあ、私とお話します?」
何でだよ。
死ぬかもしれないのに、
女の子と会話してどうすんだよ。
対応策とかももうないんだろ?
話す意味あんのか?
「どう対処するか、二人で一緒に、考えればいいでしょう?」
そうか。
じゃあ、状況整理だ。
まず、あねきの後輩が自殺。
そしてその原因のイジメ。
悪霊は犯人があねきだと思い、
弟の俺を呪っていると。
しかし気になってたんだが、
あねきが学校に通ってた間に、
あねきを呪ったりはしなかった。
その理由は?
「死んですぐには無理だったとか。共食いしたからこその、呪いです。
何年か力を蓄えないと呪いなんて、
人を殺すことなんてできません。」
力を蓄え終わった
ちょうどいいタイミングで、
俺が来たのか。
俺があの高校に入学したから…。
もし、俺がそうしなかったら…?
「他の人達が標的になるかと。
でも恨みは晴らせないので、
逆にもっと悪質な霊になります。
あり得ますよ。
恨む相手がいないんですから。」
じゃあ、俺が死んだ後も?
「同じ展開になるかと。
ずっと、一つの事に思考が嵌まる。
同じことを繰り返し続ける。
力が、意思が、薄れて消えるまで。
それにも長い年月がかかります。
そういうものです、あれは。」
それも、悲しいな…。
俺を殺し続けることなんて、
不可能だしな。
何とかするしかねえよな。
そうだな…。
例えば、霊を説得したりとかは?
「そもそも会話が成立しません。」
速攻で殺されるよな。
他にはなんかないか?
「弱体化させるか、封印するか。
それくらいですよ。
専門家の力が必要ですけど。」
そういや、その手があった。
「まさかお知り合いに専門家が?」
ああ。心当たりがある。
あんまり、会いたくない奴だが。
背に腹はってやつだ。
「その方はどちらに?」
近所のアパート。
そいつはそこでひきこってる。
俺の幼馴染だ。
《新キャラは不要です!》
「霊に詳しいのがお前だけだと死ぬ。
絶対に死ぬ。」
《そうですか…。》