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フィナーレ

 ついに番組が始まった。

 日曜の朝6時。林田は局でその光景を見ていた。無邪気にほほ笑む子供たち。それを見守る強面の園長と保育士たち。

 辰巳演ずる園長と若い子分たちが子供の前では微笑んで、所々で凄味を見せる。

 林田は番組を見ながら自分がこれまでしてきたことをもう一度思い浮かべてみた。しかし、それも今となっては良い思い出のように思えた。

「新番組見るからね」

孝太郎は出かける父親に笑顔で答えた。

 番組が終わりに近づくとスタッフの一人が走ってきた。

「林田さん、大成功ですよ。局の電話なりっぱなしですよ、斬新で面白いって」

スタッフ一同は拍手を送った。周りは歓声に包まれ、わいわい騒いでいる。

「林田さん、おめでとうございます。これで再起復活ですね。」

それにこたえる林田の声はなかった。スタッフが林田の名前を呼んだ時、林田の体は前に倒れてうつ伏せになってなっていた。あたりは騒然とし、誰もが、

「林田さん、林田さん」

と声をあげた。別の部屋で見ていた加藤が聞きつけて林田に駆け寄った。

「林田さん、林田さん!」

加藤は涙声にって声を張り裂けんばかりに叫んだ。

「林田さん、林田さん!」

しかし林田の声は局内に響くことはなかった。



「先に逝っちまいやがった」

辰巳は林田の遺影を凝視した。

「いい男でしたよね」

隣に座っていた長瀬がぽつりとつぶやいた。

 長瀬は立ち上がると、静かに頭を下げた。

 


 日曜の朝6時になると<今日も元気だピンポンパン>という歌が流れる。子供たちと強面の園長先生、ごつい保育士たちが一緒になって踊っている。<原案:林田里香夫>というクレジットはこの番組が1時間枠に拡大されてからも一番最初に流れた。



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