ああ、救われたい
御霊が寄り添い慰め抱くその外殻
親鳥を恋待ちわびる雛鳥の視線
雨の日に拾われたのは私
白線からはみ出し歩く
分裂して作り変えられた細胞が拍手喝采する
純度100%の混じり気皆無の人形が目覚める
底から拾われた翼
傷ついた翼 あらわになる赤
虹色のトンネル
無自覚の虚無は疲れた旅人を優しく受け入れる
肩を貸す仲間を振り払う反逆心 傷口の化膿が止まることはない
衣服を脱ぎ捨てた裸身を誰が見るのか
口腔から垂れる涎 焦点が定まらない瞳を誰が責められるのか
釣り針に食われ傷つく魂は吊るされ揺れる
投網の網目に指が絡まり息ができない
酸素を求め鯨が底から噴き上がる
開かれた虹彩の瞳
空中都市の鐘楼が笑顔で手を叩く
喉元に喰いついた逆針が叫び暴れがっちりと掴んで離さない
泣き叫び助けを呼ぶ小さき魂は、やがて力尽き白濁の肢体を晒される
肺に残されている酸素は残りわずか、ひたすら尾鰭を動かし鯨は水面に向けて浮上する
見開かれた瞳孔は闇も光もない
宴、贅を尽くした舞踏会 煌びやかな衣装が華として舞う、ただ拍手が送られる
祭壇から澄んだ耳に届く御霊の寝息
わずかな わずかな
闇に浮かぶ灯台の明かり
無味無臭の渦巻く高跳び台 在る指先
弾け点と消え散弾
不意に涙がこぼれる 柔らかい声に心が躍る 赤子は桃色の夢に浮かぶ
身がこわばり神経の糸は途切れる
暗澹とした猟場にうずめく狩人の気配 息を殺し這いつくばり出口を目指す、出口はあると信じつつ
十字架が背負わない 処刑台にも登らない 嫌だと叫ぶ 誰の署名も書かせない
稲穂の海と抱き合う太鼓
平等の習わし 途切れない木霊




