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閑話 リリエルの武器
「そういえば、リリエルは普段何も装備していないわよね?」
4月も中旬に入り少しずつ汗ばむ陽気が増えてきた季節、アークポラリス商会の店舗の中でドレミはリリエルを捕まえて話し相手にしている。
「そうね。普段街からは出ないから、装備する必要がないのよ」
「でも技能は取っているんでしょ?」
「ええ、剣と派生の細剣までは取っているわ」
フロンティアネクサスでは、戦闘技能を取ることを推奨されており、半年くらい前まではリリエルも剣を振っているところが何度も目撃されていた。
「リリエルもたまには戦闘とかしたら?今度一緒にどう?」
「そうね、考えておくわ」
リリエルは運動が苦手なわけではない。むしろ、人並みには得意だと思っている。しかし、商会の運営が軌道に乗ってからはあまり街の外で姿を見られていない。
「リリエルはバトルセンスもあるし、前衛を任せられるから楽なんだよね」
「もう半年も前のことよ。今のエネミーに私のスキルレベルが追いついていないわ」
「それじゃあ、レベル上げに行くわよ!善は急げって、ね」
ドレミはリリエルの手を引いて、街の外へと駆け出した。




