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閑話 桜のベッド

日曜日の朝、冬雪は桜に着せ替え人形にされていた。

「お姉ちゃん、一人暮らし始めてから服買ってないでしょ」

「確かに買ってなかったわね。でも今日はあなたのベッドを買いに行くのだから、私の服は買わないわよ」

話しながらも2人の出かける準備は着々と進められていく。


* * *


関東州最大級と言われているショッピングモールに来た2人は、まずは目当てのものをと家具屋へ向かう。

「それにしても、ほんとこっちの建物はなんでも大きくつくられてるよね」

お上りさん全開の桜はとてもテンションが高く、冬雪もそれに釣られていつもより楽しそうだ。


「ほら桜、どのベッドにするの?」

「お姉ちゃん、ここのは少し大きすぎないかな」

2人がいるのはクイーンサイズのベッドが置かれているコーナーだ。


「それとも、私と一緒に寝たいの?」

桜がニヤニヤとした顔で冬雪に詰め寄る。

「普通にサイズ見てなかったのよ」

「お姉ちゃん、サイズは書いてなくても大体わかるでしょ」


「それじゃあ改めて、どんなベッドにするの?」

コホンとわざとらしい咳払いをして仕切り直す冬雪とそれに気付かないフリをしている桜。

結局可愛らしいベッドを明日の昼頃に配送してもらうことにして少し遅めのお昼ご飯にした。


「それにしても、可愛らしいデザインのものにしたのね」

「無機質なお姉ちゃんの部屋には可愛さが足りないと思うの」

「いいのよ、部屋っていうのは最低限を整えた上でどう調理するかが重要なのよ。スタイリッシュな料理に可愛さが足りないなんて言わないでしょう?」


冬雪のシンプルな部屋に桜の可愛らしいデザインのベッドが置かれた姿を想像して、大きな違和感を覚える冬雪。しかしそれが同居の趣かと思い、これ以上は突っ込まないことにした。


* * *


翌日運び込まれたベッドを見て、冬雪と桜は温かいコーヒーを飲みながらこれからの新生活について色々と話していた。


「ベッドも買ったことだし、次は机を買おうかな」

「あなた、そんなに家具ばかり買ってお金はあるの?」

冬雪は桜の財布を心配するが、その心配は無用だと桜は言う。


「大丈夫、お年玉を崩せばもう少しなんとかできるよ。目指せ可愛い部屋!」

「あなた、ここが私の部屋なことを忘れてないかしら?」

これから始まる2人の生活は、今よりも賑やかになるのかもしれない。

10/20 読みやすいように行間を開ける修正をしました。

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