9話 家探し
一撃で妖魔を仕留める力を持っていることが判明してから俺は自分の力を制御するために頑張ろうと考えていた
っで、やっていると意外にできた
感覚としては人間の頃に力を込めて殴るんじゃなくて力を込めず、単に殴るような動作
でも、それでもコンクリートを砕くような威力をしているから威力の調整が難しい
鬼の力があまりにも強すぎると言うことがよくわかるうんうん
「鬼って人間とは比べ物にならないほど強いんだな」
「雪ちゃんが異常なだけだと思うよ?雪ちゃんほどの力を持っている鬼なんて京都にいるような鬼くらいじゃない?東京にいる鬼ってそこまで強くないし」
そうなんだ
京都の鬼?
まさか酒呑童子のような大妖怪とかじゃないよね!
俺そこまで力はないよね!
「妖魔の中でも最上位の妖力と霊力を持っているからね。並の鬼では話にならない」
「ってことは俺も強いってことだな」
「あんたは何かしているわけ?」
爺さんがキリッとカッコつけると命はジト目で爺さんを見ていた
何を言っているんだお前みたいな顔をしている
爺さんも強いんだろう
この人の生前が何をしている人なのかは知らないし、どんな過去を持っているとか聞いても教えてくれない謎の老人
今は見た目20代の全盛期くらいの姿をしているから若い頃は相当モテていたんだろうと俺は思っている
勝手に思っているけど俺がそう思うくらいには顔が整っているイケメンだ
嫉妬してしまうね!
「さて、これから何をする?俺はそこまで力の調整しているわけじゃないけど今日はこれくらいでいいかな。幽霊から妖魔に進化したばかりどころかまだ1日も経っていないからで扱いきれないのはまだまだ未熟だけどこれからどうする?街に来たけどやることない」
そう、やることがない
物に触ることができるからゲームはできるがそれだけじゃ暇だし
家みたいなところに住んでもいいけど妖魔が住むことが出来る家なんてあるのかな?
「なら、家探しはどうだ?知り合いのところで妖魔が住むことが出来る家があるらしい」
「妖魔専門のアパートとかあるの?でも、お金はどうするのよ」
「それは霊力と妖力による力でなんとか出来るだろう」
「そんなことができるの?」
知らなかったわ
まだ死んで数日しか経っていないからってのが理由だけどそんなことが出来るんだね
交換対象が力とかそう言うのは聞いたことがないし
「行ってみるとしよう。俺の知り合いのところへな。まあ、姿が変わっているから俺のことを誰なのか分かっているのか疑問であるが・・・」
「それはそれでなんも言えないわね・・・妖魔へと進化すると姿が大きく変えることになるし」
「幽霊と妖魔って仲良しなん?」
爺さんの交友関係どうなってんの?
爺さんの知り合いがいると言う場所に来た
不動産屋であるが人が見えないような場所だった
全体的に妖力による力で隠蔽している
建物全体が妖力で作られたとでも言おうか
そんなことが出来るんだなと思ったが妖魔には出来ることがたくさんあるみたいだし、できても不思議ではないかも
爺さんはなんとも普通な顔で不動産屋の扉を開ける
「なんだぁ・・・お客さんか」
そこにいたのは竜の頭をした老人
竜関係の妖魔とでも言おうか
だらしない格好であるがなんかかっこいい感じの雰囲気を見せる
「よお、久しぶりだな。竜磨」
「・・・風磨か?随分・・・ふむ、天狗になったのか。幽霊であるお前が今更妖魔になったとは・・・まあ、いい。ここに来たと言うことは妖魔が住む家が欲しいってところなんだろう?」
「そうだ。話が早くて助かる」
「何、普通のことさ。それにしては随分強い妖魔になったものだ。そこの鬼も同等の力を保有している・・・何をしたのかは予想できる」
腐れ縁というか友人同士の会話
お互い友人として話していることから爺さんの話は本当だったみたい
爺さん何者だよ本当
「まさか貴様の若き姿を見るとはな。久しぶり・・・いや、なんでもない。用事は家なんだろう?対価は妖力だがお主らの妖力量なら問題ないな。最低でも八なら住むことが出来る家はたくさんある。これから選ぶのならお主らにおすすめな場所がある」
「ほう?幽霊街でも連れて行くのか?」
「その方がいいだろう?霊能力者は東京に多いからな。妖魔の中でも最上位クラスの力を持つお主らなら問題がないが客が殺されるような場所をお勧めするほど馬鹿じゃない。さて、行くぞ」
もう交渉成立なのかよ
爺さん何者だよ本当
「凄いな爺さん・・・」
「爺さんだからできることなんじゃない?」
なるほど、爺さんだからできることか
凄いねうん
他人事ではないけど本当にこの人何者なんだろう
俺達は竜磨という妖魔に連れられておすすめとしている物件へ向かったのだった