7話 家族の死亡
とある場所では
「・・・・・・は?」
とある報告に驚愕している20代くらいの女性
彼女は信じられない話を聞いた
「・・・青野雪さんが自宅で腹を裂かれて死亡しているところを発見されました。激しい損傷をしていることから妖魔の仕業であることが確認されています」
「・・・!そんなわけないでしょうが!!」
立ち上がって否定する
彼女の名前は青野夜、青野雪の姉である
彼女は最愛の弟が殺されたという現実に受け入れなかった
12歳の歳の離れた弟
可愛がっている弟の死亡は簡単に受け入れるようなことではなかった
「そんなことがあるわけ・・・!」
目に涙が出る
報告してくれた人からの顔は事実であると言っているような顔だった
嘘をついているとは思えない限り、事実なんだろう
電話をかけても出てこない
そんな現実が彼女を襲っていた
(なんで・・・なんでこうなったの・・・!)
話を聞くと母を守るために妖魔に挑んだ
その結果、母を助けることができたということ
それは良かったと言えばいいが彼女にとって大事な弟が殺されることは大きなショックだった
「・・・妖魔・・・!絶対に許さない!」
妖魔に対して怒りを覚える
今までとは比べ物にならないほどの憎悪を彼女は抱くことになった
「我々、霊能力者『檻』も探していますが青野さんの母、青野千代さんは妖魔がどんな姿なのか分からないとことで探すのに難航しています」
「・・・・・・」
仇を取るべき妖魔の姿が分からないとなれば・・・探すしかない
「私が探す。絶対に仇を取る」
「・・・・・・」
「弟が母さんを守ったのはあの子らしいこと。自分よりも家族を優先することは間違っていない。それは誇らしいことだけど私からしたら自分の命を大事にして欲しかった・・・でも、それはもう結果を出している。出した結果を変えることは容易ではないのは分かっている。だから、私が弟の仇を討つ」
「そうですか・・・」
その覚悟はもう止めることができない
第三者が介入することもできない憎悪を止めるには関係者くらいだろう
関係者の1人である彼女で求めることはできない
あまりにも強さの差があるから
霊能力者には階級がある
妖魔の強さが
一
ニ
三
四
五
六
七
八
九
十
とあるように
霊能力者は
一級
準一級
二級
準二級
三級
準三級
四級
五級
六級
七級
八級
九級
十級
の13段階に分けられている
初心者は十級
初級者は九級から七級
中級者は六級から準三級
上級者は三級から二級
超級者は準一級から一級
となっている
初級者と初心者ではそこまで差はない
実践経験を求められている階級制度には強さが全て
強いが強くないかで話が変わる
彼女の階級は
「青野夜一級。そこまで自由にできるとは思えませんよ」
一級
最上位の位置にいる最強の地位
「分かっていると頷くと?弟が殺されたのに何もしないわけがないでしょ!私はやらせてもらうわ。仇を討つためにね」
殺気を漏らすほどの怒りを見せる
報告人は冷や汗をかき、夜の怒りが誰に向けられているのか
誰のために怒っているのかなんてすぐに分かることであるし、これから何が起きるのか予想できる
(本当にやる気ですね・・・弟を殺されたことは私は同情しますが相手が相手で怒らせてはいけない相手なのに予想できなかったのでしょうね・・・)
最上位の力を持っている霊能力者を怒らせた妖魔は終わりの運命を辿ることになるだろう
元人間だろうが関係ない
殺された遺族の怒りを収まるには殺した人間を殺しても収まることはない
時間が経っても経っても怒りは消えることはない
「可愛い弟を殺した妖魔・・・覚悟しろ」
と言って部屋から出た
彼女の部屋にあるのは大量の弟の写真
妖魔によって亡くなってしまった弟の過去の写真
彼女が大事にしているその写真から笑顔がたくさんある
ここから彼女は大きく行動することになった
東京にいる宿敵を見つけるために最強格が動き出す
8話の投稿は3月10日12時投稿予定