4話 雪女遭遇
妖魔に進化して早数時間
東京から少し離れた山へと歩いていた俺と爺さんは山を登山している
その理由としてはここら辺に妖魔がいるという情報を聞いたからだ
なんとも普通のことを言っているんだ?と思うが事実だぜ
妖魔というのは至る所に存在している
言えば幽霊のようにたくさんいるってことだ
妖魔に進化した俺に近づく妖魔はなんか少なかった
爺さんの話では俺の妖力と霊力は並の妖魔では近づくことができないらしい
それはそれでなんか悲しいことであるが仕方ない
そういう存在なのだと諦めるしかないねうん
「ここに妖魔がいるって話だけどそこら中にいるじゃん」
大量に色んな種類の妖魔がうじゃうじゃといた
妖魔の数が多いとは聞いている
人間だけではなく、色んな生物が妖魔になることはできるから
しかも山は昔から妖怪が出てくるという話をよく聞く場所だ
妖魔がいない方がおかしい
力の強い妖魔がここにいるってことになるのか
「この山にいる目的の妖魔はそれなりに強いって話だ。今の俺達なら問題ないと思うが妖魔同士の交流は必要なんだ。挨拶くらいはしよう」
天狗の妖魔へと進化した爺さんからの言葉
仲良くするのはいいことであるが基本的に群がることはないって話だし、挨拶の前に喧嘩とかしそうで怖いな
「戦闘ならないよね?」
「相手が歓迎しなかったら戦闘になるかもな」
うわ〜それなるやつ
戦闘する系のフラグじゃん
「心配しかないな」
戦闘したことがない・・・アレは戦闘かな?
いや、一方的に殺されたから戦闘じゃないな
「そう負けるようなことはない。俺達は一クラスの強さを持っているのだからさ」
「それはエネルギー量だろ。技量で戦闘で勝てるのか勝てないのか決まっていくのがルールだろ?」
「そうかもね〜でも妖力と霊力の量によっては相手が降参することもある。技量が全てってわけじゃないさ。強さ=技量ってわけではないからさ」
それはそうか
まあ、全てってわけじゃないのも俺も思うところがあるな
「ん?何やら少し強い気配が感じるね」
気配が少し強くなった
誰だ?と見ていると雪が現れる
雪が降っていた
山の中で雪が降るなんて有りえないことだ
今は4月、季節は春だ
日本海側なら4月に雪が降るという異常気象になっていてもおかしくないし、過去にあったようだがここは東京だ
東京に雪が降る事態珍しいどころの話じゃないのに4月に雪が降るなんて有りえない
街には雪が積もったようには見えないし、雪が降っているのはどうやら、妖魔の仕業のようだ
雪系統の妖魔・・・妖怪なら雪男とかなんやらそこら辺か?
雪女もいるからどっちなのか分からないけどいたらいたらでおかしくないし、うん
「誰・・・」
吹雪が起きて周りが見えない
視界だけ見えなくなっているだけで感知はできる
「どうやら、この山の主のような存在が現れたようだね」
「ああ、声的に女性だから雪女かな?」
目の前に現れたのは白髪の女性
着物を着ており、長い髪を持つ
着物は冬に合うような色合いをしており、雪女と見える
見えるどころか間違いなく、雪女じゃねえか
「俺は雪。鬼だ」
「俺は風磨、天狗だよ」
俺達は名前を言った
俺は名を名乗った
苗字は名乗ることはないけど、名だけでいいんじゃないと思ったから
爺さんも同じようにしているし、問題ないだろう
「・・・鬼に天狗・・・強い・・・私は命、雪女だよ。妖魔」
「同じく妖魔だ。俺達はな」
「・・・そう、分かった。ここに来た理由は?」
「挨拶だ」
爺さんが答えると無表情な顔で俺達を見る
「挨拶・・・そうなんだ・・・私に興味があると思ったけど本当なんだね」
「事実さ。君は元人間?辺な質問で悪いけど人だよね?」
「うん、人だよ」
すぐに答えてくれるとはありがたい
元人間であることが判明したのは助かる助かる