3話 今の強さ
「そうだ。その妖力や霊力からしてかなり上位の存在になっているようだぞ。上から数えた方がかなり早いほどのな」
上から数えた方が早いのか
「俺は鬼ではなく、天狗だけどな」
翼を生やして答えた
おいおい、上位どころの話じゃねえじゃねえか
「ランクとかあんの?」
「ふむ・・・妖魔の強さにランクはあるはある。今の俺達は上だが教えよう」
妖魔の強さは
一
ニ
三
四
五
六
七
八
九
十
と10段階に分けられている
霊力や妖力の量で分けられる
量が多いほど上に行くらしい
量だけが全てじゃないらしい
「今の俺達は一か二相当だろう」
「なんで妖魔になった元人間がそんな力を得るんだよ」
いくらなんでも上から数えるにしては早すぎるだろ
戦闘経験とかないぞ俺
「いやいや、そんな馬鹿な話があるのかよ。いくらなんでもなったばかりなんだぞ俺」
「そんなもんじゃ。個人差ってやつだぞ」
「個人差ってレベルか?まあ、深く追及しても理解できなさそうだからな〜俺は頭いいわけではないし」
理解したくない気持ちがある
なんでだろうな
理解できないと言うかなんでそこまで強いのかと元中学生の人間の知識では理解できないところに至っている
理解しろと言われても無理だろうな
未熟な俺が悪いと言うことか
「霊力に数値化とかするの?」
「俺に言われてもな・・・20年間幽霊になっていた老人に言っても・・・」
「でしょうね」
幽霊がスカウターみたいなもんを知っているわけがないだろうな
霊力スカウターなんて聞いたことがないのは普通だし
ん?なんで普通って言ったんだ俺?
う〜ん、適当か!うん!
「俺が妖魔になったけど妖魔になったら何かしないといけないとかある?」
「ん?特にないぞ。基本的に妖魔は群がることはないんだ。群がる妖魔は派閥みたいなものだからね。特にそういうのはないよ」
「ふ〜ん」
そういや、俺を殺したあの化け物も1人だったな
群がることはそういうのはないってことかな?
だとしたら妖魔は隠キャってことなのかな?
それか記憶がないやつとか
それはどうなのか分からないがいいとして
「んじゃ、爺さんはこれからどうするんだ?」
「俺かい?着いて行こうと思うが嫌なら別れるぞ」
「う〜ん」
爺さんには色々と世話になった恩があるからな
嫌と言っても嫌いってわけじゃないし
「いや、別に嫌いってわけじゃない。でも、爺さんが俺に着いていくメリットはあるのか?」
メリットというか着いていく必要があるのか怪しいところなんだが・・・
「俺の話し相手になってくれることだな」
「なるほど」
確かにそれは必要だな
幽霊だから人と話すことはできないし
今の姿は天狗
そうそう人と会えることはないし
「分かった、一緒に行動しよう。そういや、俺にツノないのか?鬼ならあってもおかしくないんじゃない?」
「それは単に偽装しているだけだろ。偽装しているだけでツノを生やすことくらいはできるぞ」
ふ〜ん、やってみよ
霊力を操作するとツノが生えた
マジかよ、生やすことができるのか
霊力で視界を360度見ることができるのでツノ見える
体中見えることもできるのでツノが大きいのかってすぐに分かる
「鬼か〜俺って強い方なんだろ?それってなんかやばいとかあるの?」
「ふむ・・・そう言うのはあんまり聞かないな。話を聞いたくらいだからな」
そこまで知らないってことね
「それじゃ、どこか行ってみますか」
「そうじゃな。どこに行くのか決めていないだろうが自由に東京を回ってみるのも有りだろうし」
爺さんも賛成して俺達はこの場所から去ることにした
数日だけだがそこはそれなりにいいとこ?
いや、墓がいいところはおかしいな
ともかく、ここから離れて先にやるか
ツノを戻して普通の人間?に近い姿になっている今の姿で俺達は街に出たのだった