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19話 風磨の過去話

風磨爺さんの過去編です

今回は約4000文字超えているので長いです

俺の名は風磨

人間の頃の名前は東風磨

享年86

妻、子、孫、ひ孫に囲まれ、亡くなった爺さんである

生まれの世代は1910年頃であり、2000年代に亡くなった爺さん

俺は霊能力者の家系とかそう言う人間ではなかった

霊能力者ではないが幽霊とか見ることができる霊感が強かった一般人でも言おうか


戦争を体験した俺であるが俺の両親は自我を持つ頃には居なかった

両親は戦争の関係で亡くなり、別のところで引き取られて暮らしていた

俺を育ててくれたのが妖魔だった

生まれながら俺は霊力が高く、妖魔を見ることができるくらいには才能があった

俺を育ててくれた妖魔は鬼でも天狗でもなく、妖狐でもない

土地神だった


俺は生まれてから土地神と呼ばれる妖魔のところへ育てられた

俺が生まれた場所は小さな集落で土地神を信仰する場所だった

信仰されている神に対して生贄を捧げるという儀式があり、生贄となったのは赤ん坊の俺

土地神として信仰されていた妖魔は人を食うことや殺すことがなく、家族として育てられていたと言うことだ


自我を持つ年齢の時に妖魔と暮らしていたのは捧げられていた生贄だったからということになる

定期的に捧げられる生贄であったが生贄の対象が子供だったが俺のような赤ん坊が捧げられることは初めてだったらしく、生贄として捧げられた過去の子供は集落から逃げるようにされていたが逃げる力もない赤ん坊だった俺は育てられた


俺が妖魔との交友関係が普通の人と比べて多かったのは妖魔に育てられて妖魔との交流が多かったからだ

家族は土地神だった妖魔と妻、娘と俺

血の繋がった家族ではなかったが当時の俺は特に気にしなかった


俺が生まれた頃は第一次世界大戦が終わって1年も経っていない頃

戦争は終わっていたと言うことになる


普通の人間と同じように学校に通い、土地神達・・・親代わりに育ててくれた妖魔は人の姿になり、普通の人と変わらないような生活を送っていた


俺は人と妖魔の違いがよく分かっていなかった

人間とも妖魔との交流をしていた俺であったが家族として接していた妖魔の娘と付き合い、結婚した


妖魔との結婚は特に珍しいことではない

過去に生贄として妖魔と結婚していた事例はたくさんあったからだ


人間じゃないからやめとけと嫁から言われたが外見なんて関係ない

心で惹かれた

種族だからと結婚してはいけないなんてないと思ったからな

なんで駄目なんだ?と聞いたら驚いて笑っていた嫁の顔が当時でも思い出す


その後、俺は結婚した後に子供を4人作った

半妖であるが人間の血が濃いのか普通の人間社会でも暮らせるように子供は成長した

子供が成人した頃には戦争は終わっていた

戦争に参加するように言われるかと思っていたが妖魔と結婚していた俺が対象外だったのか山ん中の集落で遠かったのか分からないが戦争に参加することはなかった


俺がいたところは東京ではなかったが東京から近いところ・・・関東に住んでいたので呼ばれてもおかしくなかった

まあ、俺が軍隊に呼ばれることはなかったのは良かったとでも言っておくとしよう


なんやかんやあって生まれてから数十年は山で暮らしていたが元々小さな集落だったこともあり、集落の子達は外に出て行ってしまったことによって集落にいた人間はいなくなり、別のところに住むようになった


土地神と言われていた妖魔は元々信仰される神としていたわけでもなく、元々人間。

分かりやすく言うと人間が死んで幽霊になった妖魔になったとでも言おうか

俺のように妖魔になった人だった

だから、人間社会に詳しかったんだろうと当時は思った


山から出て妖魔街に近い場所で住むようになった

その頃に知り合ったのが竜磨達だったんだ

あいつと会った時はまだ人間だったな竜磨

竜磨は元人間で妖魔になったのは俺が死ぬ30年くらい前の話

鬼昌のほうが先輩なんだが実力主義の世界なんだからあいつのほうが上だったってことさ


竜磨達と知り合いってなんやかんや東京で暮らしていくと妖魔・・・俺の親父とお袋は別のところに住むようになった


それ何故かわからなかった

教えてもくれなかったからな

と何度も何度も聞いているとようやく教えてくれた


何故離れるようになったのか

その理由は技術の発達で進化していく東京に慣れていくのが大変だからって理由だった


そんな理由でかよと笑っていたが当時は日本復興していた頃、海外からの支援とか色々あって街が発展していくのに適応するのが大変だったみたいでな

今は妖魔街で暮らしていると思うぜ


家から離れる前に親父達と故郷に一度戻った

何故戻る必要があったのかは故郷に帰りたいからだと思っていた

まあ、戻りたいことはあるんだろうなと思ったら両親の墓を見せられた

そう、本当の両親


何故、今更見せたのか教えてもらった

親父が土地神的な役割をしていたあの頃、俺の両親とは交友関係にあったらしい

母は俺を産むために無理をして出産した後に死亡

父は獣に襲われて死亡

両親は俺を捨てたのではなく、事故で亡くなった

母の場合は俺を優先したことで無理をして亡くなってしまったが俺は生贄として捨てられたのではなかったことを伝えられた


まあ、両親が亡くなった理由が分かって捨てられたわけじゃないんだなとは思った

ただ、それを伝えたのは両親に俺を合わせたかったからだったことを

両親の墓で自分が現在何をしているのかなど話して元集落から去った


そんなことがあって40、50、60、70、80・・・と年を兼ねるうちに色んなことがあったが長く話す必要はないだろう

聞きたいことがあると思うがそれどころではないからな


親代わりに育ててくれた妖魔は人間時代に両親と交友があったわけではないとかそんなくらいしか言えないが色々とあったのは事実

霊能力者とか色々と業界についての知識とか妖術・・・は人間は使えないので戦える技術は身についていくようにした


まあ、86になったら体が病に蝕んでしまったがな

俺は死んでしまったけど

俺の死因は肝臓がん

馬鹿みたいに酒を飲んでいたツケが回ったんだろう

酒豪だったから余計にな

まあ、平均寿命より上だったのは良かったかもな


ちなみにだが孫・・・ひ孫からは妖魔の血がかなり薄くなっていた

孫までは妖魔の血が少しあったんだが・・・俺や子の婿とか嫁さんの血が強かったのか意外に妖魔の血が強いような感じはしなかったな


ってなことが色々とあったってわけだ

なんか変な話になっているがな

幽霊になってからは妻との交流はあった

まあ、死んでも見えていたのは俺の子と妻くらいだったがな

人間と話す機会はほぼねえけど

見えないし、仕方ないよな

なんやかんやあって東京で墓を建てられて墓のところにいたんだよ

別に離れても問題ねえんだけど


妻と定期的に話したりしてきたさ

妻は妖魔だから寿命とか関係ねえし

喧嘩したら俺が負けるほどやべえ方だが


なんやかんやあって死んで20年くらいか

そんくらい経って暇つぶしに墓で酒を飲んでいたんだよ

なんて嘘さ、酒なんて飲めなかったわ

暇つぶしにボールを操作していたんだがそん時に現れたのが雪くんや


雪はな、青野ところの息子なんだよ

俺のひ孫と結婚した青野という苗字を持つクソガキなんだが・・・確か霊能力者だったか?

玄孫を見せてくれたから良かったよほんま


我がひ孫娘の子供がまさか幽霊になって彷徨っていた時はびっくりしたさ

まだガキなんだぜ?

なんで幽霊になったんだよお前とは思ったさ

あいつは先祖の墓を来たことがない・・・ような気がする


記憶力自信あるわけじゃねえんだわ

ひ孫何人いると思ったんだ?

子供4人

孫8・・13人くらいか?

ひ孫14・・・16人

で覚えていると思うか?

まあ、玄孫になると覚えているんだが青野のところはあんまり来てくれねえんだよ

姉の方は来てくれていたんだが弟の方が生まれてから来ていないな


何やら忙しいんじゃね?と思って放置していたがまさか弟の方が死んでいるとは夢なのかと思ったわ

話を聞くと妖魔に殺されたって話さ

あいつんところは霊能力者の家系だろうし、なんで?と思ったわ

墓で結界なんやら自慢していたから妖魔と家の中で戦闘するようなことがないはずなんにさ〜もう分かんねえって思っていたけど


母を守って死んだって話を笑い話にするんだから怖いぜ若者はってよ

強い妖魔なんだし、無理もねえ

暇とか言っていたから妖魔になる方法を伝授したんだよ


玄孫に伝授した理由は幽霊のままじゃつまらないみたいな感じだし、妖魔になれば家族と再開する可能性あるんじゃね?と思ったんよ


霊能力者は幽霊を見ることはできるんだが・・・俺は隠れていたから話はしなかったんよ

墓参りとかな


まあ、再会とかさせないとなと思いながら妖魔になる方法を教えたらなんなくなってよ

お前マジかと思ったさ

繭みたいに操作しろとは伝えたけど一瞬で作るとは思わなかったわ

これはやばいわと思って俺も妖魔になったんだよ


そしたら天狗になったんだ

しかも姿は全盛期の頃だし、わお〜と思っていたら玄孫の雪が鬼に進化していたわ

一級レベルのバケモンに


俺も一級だったんだが霊能力者みたいなことができる人間だったからまだ説明はできたんだが生前妖魔を一度しか見たことがないって話をしていた奴がランク1の最上位妖魔になったんだよってなんでだよと思ったよ

まあ、霊能力者の家庭だから有り得るんじゃね?って片付けたけど


こうして皆が知っている2人で暮らしているんだ

玄孫と一緒に行動するなんて終わったわ〜

まあ、雪女の命が仲間入りしたんだけど


どうやら、玄孫にメロメロでよ

来孫でも見れるんじゃね?

妖魔って子供作ることができるんだし


孫が見れるとか言ったけどまだ伝えてなんだわあの子に

伝えたらびっくりするだろうし


まあ、そんなことがあって今は玄孫・・・雪の姉の夜ちゃんと戦闘しているわけ

意味が分からねえと思うけどお前か・・・と思ったわ

何やら最近妖魔が祓われるというか普通に人間社会で暮らしていた妖魔が祓われるって聞くから探っていたらまさかの玄孫


しかもなんかすごい式神呼ぶし

妖魔の親に育てられたからなんとか簡単に倒せるがやばいんやわ

夜ちゃんは高祖父を祓う気?と思ったわ

うん、怖いわ最近の子


弟を殺された気持ちは分かる

俺も友をたくさん失ったからな

復讐をする気持ちだって分かるし、家族を失う悲しみも分かる

だが、当たり散らすことはいけない


「止めるしかないな」


今、怒り狂っている夜ちゃんを止めるために俺は相手をしている

玄孫を殺すようなことを俺はするわけがない

止める、これが高祖父の俺がやるべきことであるからな





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