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魔法図書館の日常  作者: 佐倉涼@もふペコ料理人10/30発売
第二章 エルフの少女と滅亡の魔法都市

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魔法図書館 蔵書目録②


・優雅な空の飛び手になるには シエロ・ウォラーレ著

 飛翔魔法の理論、魔力操作のコツ、上空でのバランスの取り方のほか、自分に合った箒の選び方、空を飛ぶために必要な筋力の身につけ方、効果的な運動方法、日々の食事でとるべき栄養、高所恐怖症の克服方法まで書かれている、まさに空を優雅に飛ぶために必要なことが全て書かれている一冊。

 空行魔法部隊、長距離魔法運輸業、魔法スポーツのプロを志す人などが必ず一度は手に取る本。


 シエロ・ウォラーレ 執筆時29歳

 当時の空行魔法部隊の部隊長。風と一体化して空を飛ぶことに喜びを感じる人物。

 己に厳しく、他人に優しく、そして常にポジティブ思考。

 本には彼の前向き思考がふんだんに盛り込まれている。

 激励の数々とともに書かれたわかりやすい解説は、読んでいる者に勇気を呼び起こし、空を優雅に飛んでやるぞ! という気分にさせてくれると評判。

 空を飛べるか不安だったエセルも、シエロの激励と手厚いサポートにより飛翔魔法を会得し、見事彼のファンになった。


・変化の書 オウィディウス・リドゲイト著

 変化魔法基礎理論、無機物の変化、有機物の変化など、複雑な変化魔法を独自に分類して解説した一冊。

 変化の魔法は特に繊細で扱いが難しく、一歩間違えると大惨事を引き起こすことから使い手が限られているが、本著が出版されて以降変化の魔法による事故が激減した。

 象牙の表紙には金箔でタイトルが箔づけされており、至る所に宝石がちりばめられている。

 内容の濃さ、装丁の豪華さと相まって、魔法図書館内で最も高価な本。


 オウィディウス・リドゲイト 執筆時25歳

 史上最年少の12歳で宮廷魔導士となった人物。

 習得が難しい変化の魔法を使いこなし、なんでも、どんなものにも変化させることが可能。

 二十歳の時には前代未聞の、自らの体をドラゴンに変化させることにも成功した。

 オウィディウスの魔法に非常に感激した当時の王は彼に知識の全てを書き残すように命じ、オィディウスはそれに従った。

 派手好きな彼は、自らの本を当時ダームスドルフの上流階級で流行していた彩飾本に仕上げようと決意し、己の本をこの上なく豪華に飾った。

 本の装丁、内容に大満足した王により、本を飾るための宝石として大変貴重な魔法石アレキサンドライドを賜るも、その宝石は盗難に遭い現在行方不明。

 なおオィディウスは『初めてのルーン文字』著者のレインワーズ・ルルーシュと同年代を生きた人物で、レインワーズの教え子でもある。


・あらゆる書物の直し方―魔法書から印刷本までー メアリー・ルリユール著

 本の名称・構造の説明からはじまり、革装丁本、羊皮紙本、写本、紙本、印刷本とあらゆる本の修理方法を記載した決定版。

 本の綴じ方、よれ・破れ・裂けたページの直し方、表紙の補修方法と、本の種類ごとに細かく修復方法を説明している。

 その説明の細やかさ、丁寧さは他の追随を許さない。

 これさえあればどんな本も修復ができる、読書愛好家の家に一冊は欲しい本。

 なお前項の『変化の書』のような豪華彩飾本は本というより美術装飾品にカテゴライズされるため、家庭で気軽に修復できるようなものではない。そのため彩飾本の修復内容は記載されていない。


 メアリー・ルリユール 執筆時48歳

 ありとあらゆる本を愛し、本に情熱を注いだ生涯を送る。

 昔から受け継がれる希少な古書の修繕も、魔法技術の向上により出回るようになった安価な印刷本も等しく愛し、傷んだ本の修復に全力を注いだ。

 熱意と技術力の高さはずば抜けており、メアリーに直せない本はないとまで言われていた。

 フィカと同年代に生きた人物で、魔法都市滅亡の際には本を守るため先陣を切って奔走し、本を守って果てた。

 安価な印刷本に興味を示さないフィカとは度々衝突をしていたし、なんなら今も衝突をしている。

 

・初級魔法術 ノトケル・バルブルズ著

 魔法とはーー基礎理論

 魔力の操作方法 初歩編

 ルーン文字を使った魔法の展開方法

 自然界の力の変換方法

 基礎魔法一覧

 上記のように項目立てて魔法について指南する教本。

 ダームスドルフでは「初めてのルーン文字」で文字を習った子供たちが次に手にする本で、魔法の基礎を教えてくれる大切な一冊。


 ノトケル・バルブルズ 執筆時54歳

 丸メガネをかけた、語尾に「っ」がつくほどに勢いのある口調が特徴的な著者。

 当時バラバラだった魔法の体系を立てた偉大な人物で、彼の論文によってルーン魔法はより洗練され、さらなる発展を遂げることとなった。

 学術的な論文だけでなく、子供が学ぶための教本も手がける。

 初級、中級、上級の三冊の教本を執筆した。これらは全て魔法学校で使用されていた。


・押し花作りを楽しむーいつまでも美しい花を残すためにー ティモシー・ギルフォード

 よく生えている一般的な草花から珍しいものまで、あらゆる植物を押し花にする方法をリアルな挿絵付きで紹介。

 植物図鑑としての役割も担う完成度の高さから価値の高い一冊。


 ティモシー・ギルフォード 27歳

 植物研究者。

 主に植物を操る魔法や植物への魔法付与などの研究をおこなっている。草花を育てるのが好きで、趣味が高じて押し花作りの本を出す。

 穏やかな青年で、魔法図書館の中では癖が少ない方。


・人体の神秘―苦痛を与えて命を奪うー グリモラン・フォーゲイジ

 拷問魔法、殺人魔法が書き連ねてある本。考えつく限りの残忍な方法で苦痛を与える魔法が延々と記載されており、読み手の精神すらも破壊する。当然、最上級指定の禁書扱い。


 グリモラン・フォーゲイジ 125歳

「黒の魔法書」と呼ばれる魔法書を大量に書き残した人物。いかにして敵にっ苦痛を与えるかの研究に生涯を費やした異端の魔法使い。

 魔法図書館内でも浮いた存在で、普段は棚の中でじっとしている。薄暗くて狭い場所が好き。

 エセルに手に取られた時は内心でびっくりしていた。


・琥珀の姫と茨の騎士 メルロッサ・リメレーン著

 心優しい姫と忌み嫌われる能力を持つ騎士が徐々に心を通わせて身分差を乗り越えて結ばれるロマンス小説。

 当時のダームスドルフで大流行した内容で、多くの女性を虜にし、舞台化まで果たした作品。

 

・エクレバー冒険記 ネイト・クレバリー著

 少年が幻の宝石を求めて旅に出る冒険活劇。

 こちらも当時のダームスドルフで流行していた内容で、冒険、魔法、友情がテーマになっている。

 一人称で紡がれる軽快な語り口であらゆる年代を虜にした当時大流行の娯楽小説。

 印刷本は版を重ね、あらゆる本屋で目立つ場所に平積みされていた。


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