第三部 Dream End Route
この物語はフィクションです。
実際の人物、地名、事件等とは一切関わり合いがありません。
本作品にて一旦終話とさせていただきます。
内容はかなり馬鹿っぽいです。
というか馬鹿丸出しです。
それでは肩の力を抜いてどうぞ。
「っていう夢を見てからなんか気持ち悪くて、行くのを急遽やめてしまったんです」
今俺は、奥さんである咲ちゃんから夢の報告を受けている。
納品直前のプログラムにバグが発見され、開発や営業、集められるだけの社員が集まりその対応に追われていた。
なんとか復旧の目処が立ち、今夜は徹夜かと思っていたところで携帯を確認したら、今夜の同窓会に行かないと連絡がきていた。
体調でも崩したのかと心配して、残りの作業を部下に頼み、慌てて家に帰った俺を見て咲ちゃんの方が驚いていた。
とりあえず体調不良ではないことに安心し、詳しく話を聞こうと思ったらまさかの夢の話だった。
まぁ今さら戻ってもどうせ徹夜だし、このプロジェクトが終わったら後輩たちを回らない寿司に連れて行くと約束して出てきたので、今日だけは後輩たちに甘えることにしよう。
…最近睡眠時間もほとんど取れてなかったし。
結果咲ちゃんからの夢の話である。
だけどこの夢の話は妙にリアルだ。
俺の兄貴とか姉貴とかは知っているからいいとしても、俺の交友関係なんて教えていなかったはず。
警察とか半グレ関係は特に念入りに隠していたはず。
「だけど、おかしいですよね。
今日集まるお店なんて、それこそ同級生の女の子が働いている店だし、たしかに坂梨君から告白はされましたけど、それっきり会ってもいませんから」
(あの野郎、咲ちゃんは気付いてないが半ストーカーみたいなことしてやがったから念入りに潰してやったのに、夢の中にまで現れるとは…。
しかも俺の大好きな咲ちゃんを汚しやがって…。
夢とはいえ許せんな。
次に見かけたらもう一回絞めておこう)
「あれ?貴也さん、どうかしたんですか?」
「ん、あ、いや、大丈夫」
「そう、ですか?
なにか心配事でも……あ、仕事、私のせいで……」
「あぁ、そっちは大丈夫。
ある程度目処はついたし、明日は遅くなると思うけど明日中になんとかなると思うから」
(顔に出てたか。
危ない危ない)
しかし、聞いてみればたしかに変な夢だな。
始まった状況は同じでも、選択肢を間違えるとバッドエンドか…。
俺はあまりゲームには詳しくないが、なんだか似ているな。
それよりも、本当にどうでもいいことではあるが咲ちゃんに聞いてみたいことがある。
いや、聞いてはいけない質問なのかもしれないが、これは夫として、男としてどうしても知りたい。
だけどこれを聞くと咲ちゃんは間違いなく怒る。
だから聞いてはいけない。
だけど俺の中の天使と悪魔が囁くんだ。
『いけません、それはプライベートなこと。
それに性癖というものはたとえ夫婦だとしても触れてはならない聖域のようなものなのです』
『ウェッへっへっ、なーに、気にすることはねぇ。
だってお前は咲の旦那なんだろ?
嫁さんが何をしてほしいのかを聞いて、それに応えるのが夫の務めなんじゃねぇのか?』
くっ、俺の中では悪魔が優勢だ。
頼む、天使よ、俺に力を!
『悪魔の言うことも一理ありますね。
やはりお互いが隠していることを曝け出すことも夫婦には必要なことなのかもしれません。
そして、それを乗り越えてこそ、本当の夫婦になるのでしょう』
あ、ダメだ。
天使が悪魔に屈しやがった。
だがこれで2体0。
全会一致で可決ってやつだな。
俺は(本当は)不本意ながら咲ちゃんに聞いてみる。
「ところでさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」
「はい?なんですか?」
「いや、さっきの夢の中の話なんだけど、聞いても怒らない?」
「夢の話、ですか?
まぁ怒らないと思いますけど質問次第ですかね?」
「んー、じゃあ思い切って聞いてみるけど、実は咲ちゃんってそういうのが好きなのかなーって」
「……そういうの?」
「いや、なんていうか、壊れるくらいしてみたいとか、複数人に興味があるとか……」
あ、やっべ、完全に地雷踏み抜いたわ。
顔が真っ赤になってる。
これは久々にドデカイやつがきそうだ。
「た、たかやさんの、ばかーーーーーーーー!」
「はい!ごめんなさい」
言うが早いか、俺はすぐさま土下座をする。
「ばか!バカ!何言ってるんですか!そんなわけないじゃないですか!」
「はい、そうです、バカなことを聞きました!
ごめんなさい!もう絶対に聞きません!」
ひたすら謝ること5分超。
なんとかお許しを得ることができたことで一安心。
咲ちゃんは可愛いけど怒ったらすごく怖いんだよな。
そらこそ兄貴や姉貴も近寄らないくらい。
約束事である仲直りのキスをしたら少しだけ機嫌を治してくれた。
単純だけどそこがまた可愛いところだ。
その後は少しだけ一緒にお酒を呑んでベッドに入る。
「……さっきの話ですけど…」
「…ん、さっきの?」
「はい、さっきの。
私がそんな事を好きなわけないじゃないですか」
「……あぁ、その話ね。
ごめんね、無いとは思ってるけど、もしかしたら満足してないのかなって心配しちゃって…」
「心配も何も、毎回クタクタにされるんですから、あんな夢のことなんて無理ですよ。
それは私は貴也さんだけで手一杯です」
あぁなんてかわいいお嫁さんなんだろう。
もうその言葉だけで俺は胸いっぱいです。
もちろんその夜もクタクタにしたのは言うまでもない。
次の日はそれにプラスして仕事で俺がクタクタになってしまったのだけど。
お読みいただきありがとうございました。
三部作、いかがでしたか?
最初にこのオチを思いついてしまい、そのままなんとか勢いだけで仕上げることができました。
かなりの胸糞展開からのこのオチは、批判されそうだなとは分かっていてもやってしまいました。
申し訳ありません。
まぁ10人の方に読んでいただいて、一人か二人の方にでも笑っていただければ幸いです。
誤字、脱字、表現の問題等ありましたら、ご連絡をお願い致します。




