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第84話 檻

入り口を抜け、天井の高い大きなホールに差し掛かる。

周囲に人影は見当たらないが、サーチにはハッキリと隠れている奴らが映し出されていた。


恐らく仕掛けるタイミング待ちだろう。

天井や床下で機械っぽい物がガシャンガシャン動いてるし。

機械に詳しくないので何だかよく分からないが、何かの仕掛けであろう事は疑いようがない。


「この建物内の、帝真一の普段使ってる場所に案内しろ?」


取り敢えず、探し回るのも面倒くさいので、後ろをびくびくしながらついて来る佐藤に声をかけると――


「え?はははい……その……大変申し上げにくいのですが……」


歯切れが悪い。


「この状態ですと……既にここにはいないかと……」


「んな事は分かってる。その上で、普段使ってる場所って聞いてんだ」


これだけ迎撃準備万端の状態で、非戦闘員であろうトップがこの場に残ってくれているなんて考える程俺も馬鹿ではない。

逃げだしている事など百も承知だ。


まあ調子に乗って残っている可能性も0とは言わないが。

其れだと楽でいいんだが、まあないだろう。


「で、でしたら……3階にある執務室かと」


「三階か」


俺は上を見上げた。


そのままジャンプして天井をぶち抜いてやってもいいのだが、そこが帝真一の執務室だと少し困る事になる。

荒らすと面倒な事になってしまうからな。

普通に向かうとしよう。


正面奥にエレベーターが見えるが、普通に途中で止まりそうなので階段で行くとするか。


「ん?」


階段の方に向かって行くと、格子状の物が地面から突き出して来た。

そしてそれは俺と佐藤をあっという間に囲い。

更に上から下降して来た板が、その天井に被さった。


「ひぃぃぃ……」


「牢獄って所か」


形状は一言で言うなら牢獄。

さっきからがちゃんがちゃん動いていた機械は、この仕掛けの音の様だ。

なっていた音が消えたので、まず間違いないだろう。


「やっと出て来たか」


物陰に隠れていた奴らが飛び出して来た。


改造人間もいるが、中には普通の人も混ざっている。

共通しているのは、全員がゴツイロケットランチャーの様な物を手にしている事だろう。

人数は20名ほど。


デカい物持ってるなとは思ってたが、まさか建物内でブッパする気だろうか?


「ようこそ。帝真へ」


上からモニターが吊り下げられる形で降りて来た、画面には髪型をオールバックにまとめたムカつく感じの男の顔が映っている。


多分こいつが目標対象だ。

まさかこの状況下で、変な雑魚っぽい奴が偉そうに出て来ないだろうし。


「お前が帝真一みかどしんいちか?」


「ああ、そうだ」


「直ぐにお邪魔しに行くから、首を洗って待ってろ」


「ははは。面白い事を言うな、君は。状況が見えていないのかね?いくら君が優れた魔法使いとは言え、この数のロケットランチャーを受けて無事でいる事は出来ないだろう?」


帝真一が勝ち誇った様に言う。

見えてて言ってるんだが、アホなのだろうか?


「ああ。そうそう、気を付けてくれたまえよ。もし君が魔法を唱える素振りを見せたら……その時は容赦なく撃つよう指示してあるからね」


「なるほど。時に……こんな所でそんなもの撃ったら、建物が偉い事になるんじゃないか?」


「ははは、それなら心配ない。この建物は頑丈だからな。入り口付近は倒壊するだろうが、その程度だ」


「そうか。それを聞いて安心したよ」


建物全体が崩壊するとか言われたら、奴らが撃つ前に止める必要があった。

が、そうでないなら何の問題も無い。


よかったよかった。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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