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第81話 後始末

「がっ……あああぁぁぁぁ!!」


佐藤の胸に埋め込んだタリスマンから魔力を放出させると、奴はその痛みから血まみれの床を悲鳴を上げてゴロゴロと転がり回った。

機能の方は上々だ。


「これを遠隔でいつでもぶち込めるから、よーく覚えとけよ」


佐藤と、その姿をガタガタ震えながら見ている秘書の女に向かって告げる。

女にもタリスマンはプレゼント済みだ。

この場の後処理とか考えると、こいつにも首輪をつけておいた方が便利だから。


え?

ただの秘書にそれは可哀想?


非合法な真似をしている会社役員の秘書が、会社のやってる違法行為を知らない訳がない。

改造人間が俺とやり合うかもしれない場にいたのがその証拠だ。


もちろん、しっかりと裏付けの方も取ってあるぞ。

全身の骨を砕いて軟体動物体験させてやったら、ペラペラ吐いたし。


「よし、じゃあ帝真一って奴に連絡しろ。今すぐ会いたいってな」


「は……はい……」


佐藤が連絡を取れる、一番立場の高い奴。

かつ、今回の一件の総責任者。

それが帝真一だ。


とりあえずこいつを押さえておけば、情報がポンポン流れ出す心配はなくなるだろう。


理想は帝真グループの総帥(トップ)に首輪をつけてしまう事なんだが、如何せん居場所が分からない。

暗殺対策か何か知らないが、基本的に自分の居場所を他人に一切教えず——子供達にさえ――拠点を転々と移しているそうだ。

厄介な奴である。


「それと、お前は服を脱げ」


俺は壁際に立つ、高梨に向かってそう告げる。

顔色は真っ青だ。

佐藤への拷問を見て、きっと自分がされた時の事でも思い出したのだろう。


「へ?は?」


「良いからさっさと脱げ」


高梨の服を脱がせたのは、佐藤に着せる為だ。

拷問したせいで、奴の服はボロボロの血まみれになってしまっているからな。

これから帝真一に会いに行くのに、その恰好だと不都合が生じる可能性が出て来るし。


「ひ、秘書に連絡して約束を取り付けました。時間は二時間後です」


「二時間後か……」


「ひっ……ここから車で最低でも一時間はかかりますので……ですので……」


一瞬、何で二時間も待たないとだめなんだよと思ったが、どうやら移動を計算しての物だった様だ。

まあ飛んで行けば5分とかからないだろうが、無駄に目立ってもしょうがない。

大人しく車で向かうとしよう。


「分かった。じゃあ取り敢えず――」


「何を……ぎゃあああああ!!」


俺は魔法で佐藤や血だまりとなっている床を焼き、そして半分炭化した奴を蘇生魔法で蘇らせた。


血で汚れたからな。

これが汚れを落とすのに一番手っ取り早い。


ああ、安心してくれ。

タリスマンはこの程度で燃えたりはしないぞ。


後、言うまでもないとは思うが、タリスマンの防御機能は俺からの攻撃には反応しない様になっている。

まあ当然だよな。


「よし、スーツを着ろ」


「は、はい……」


佐藤が高梨からスーツを受け取り、それを身に着ける。

サイズ的に若干きつそうだが、まあへそが出たりする訳じゃないので全く問題ない。


「さて、邪魔な物はしまっておくか」


高梨はもう用済みなので、首をへし折って亜空間へと放り込む。

ついでに、先ほど始末した熊型の改造人間もそこへしまっておいた。

タリスマンの材料になるから。


「じゃあ行くけど……この場の後始末は任せたぞ。もしおかしな事になったら、その時は分かってるよな?」


護衛共が消え、面談した部屋はボロボロ状態。

当然そのまま放っておく訳にはいかない。

後始末は必要だ。


まあ後々佐藤にそれをやらせればいいだけではあるのだが、それまでに誰かがやってきて問題になるのも宜しくない。

なので、取り敢えずの後始末は秘書の女に任せておく。

まあそのためにタリスマンを埋め込んだ様なもんだしな。


「だだだ……大丈夫です。問題ない様……手配致しますので……」


俺は支部を後にし、佐藤の車に乗って帝真一の元へと向かう。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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