表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/103

第45話 あんま変わんない

天井をぶち破って上階に上がり、男の案内で院長室に案内させる。


「じゃあお休み」


もう邪魔なので男を寝かせて亜空間に突っ込む。

そして扉がオートロックだったので、俺はノック代わりにそれを蹴破って室内へと入った。


「な、なんだ!?」


霧崎(きりさき)様!」


――内部の人影は4つ。


一番奥の大きな机に座っている、太った白衣の老人。

その前に立つ、痩せた白衣のおっさん。

そして両サイドには、黒服を着た屈強な体躯の男二人。


聞くまでも無く、奥で座っているのが院長だろう。

黒服二人が残りの保安要員――ボディーガードで。

痩せたおっさんは……まあ医院長の腰ぎんちゃくかなんかだろう。


「お前が侵入者か……何が目的だ?」


医院長が俺を睨みつける。

蹴破ってのダイナミック入室だった訳だが、特に怯えた様子は見られない。

肝が据わっているのか、もしくは、ボディーガードの黒服達を信頼しているのか。


……まあどっちでもいいけど。


「邪魔者の始末だ」


隠す程の事も無いので、俺はドストレートに答えを返してやる。


「暗殺か……まさかこの私、霧崎半戸きりさきはんとを狙う命知らずがいるとはな。殺さず制圧しろ。くくく。誰の差し金か、私手ずから吐かせてやる」


拷問する気満々の様だ。

気が合うな。

俺もだ。


男達が胸元から警棒っぽい物を抜く。


それで俺を殺さず制圧する気の様だが……銃を持っていた奴らを制圧した俺に警棒で挑むって事は、それなりに腕に自信があるって事か?


「ん?」


此方に慎重ににじり寄って来る黒服共から、微かにだが気の力が感じられた。

なるほど――


気孔闘士(オーラバトラー)か」


「そう、貴様と同じな」


同じって……俺は気孔闘士(オーラバトラー)になった覚えはないんだが?

ひょっとして、扉を蹴破ったのが気の力だと勘違いしてるのだろうか?


「そいつら二人は5級だ。果たしてどれだけ持ちこたえられるかな?」


禿げデブは6級だった。

そして5級のこいつらから感じる力は、それよりほんのちょっと高く感じる。

つまり5級の方が上って事だな。


どっちにしろ敵じゃないから果てしなくどうでもいいけど。


「がぁぁぁぁ……」


「ぎひぃぃぃぃぃ……」


寄って来た二人に素早くローキックを入れて、両足をへし折ってやる。


「ば、ばかな!5級二人を一瞬で!?い、医院長!?どどどど、どうしましょう!?あの二人がががが……」


「慌てるな!」


瞬殺したら痩せてる方が取り乱すが、それを霧崎が一喝する。


「なるほど……大した腕だ。だがいい事を教えてやろう……」


霧崎が椅子から立ち上がったかと思うと、その拳を机に叩きつけた。

すると破砕音と共に机が真っ二つに割れてしまう。


その体からはゆらゆらと気が立ち昇り、5級の奴らよりも明らかに力強い。

成程、自衛の自信があったから落ち着いていた訳か。


けど――


「くくく……」


霧崎が立てた親指を自分の顔に向ける。


「何を隠そう、私は気孔闘士(オーラバトラー)2級だ」


――俺から見たら5級も2級も大差ない。


「あ、そ」


霧崎に突っ込み、此方の動きに反応できない奴の腹部に拳を叩き込んでやる。

もちろん、手加減は死ぬ程してるぞ。

本気で殴ったりなんかしたら、この建物にまで大きな影響が出てしまうからな。


「きききき、霧崎医院長!?」


奴はその一撃で白目を剥いて泡を吹き、その場に倒れ込んだ。


「仲間はずれにはしないから安心しろ」


最後に痩せた男の腕をへし折り、取り敢えずこの場は完全制圧。


「じゃ、色々と話を聞かせて貰うとしようか」


俺は風早や病院の話を、新しく入ったサンドバッグ共に改めて尋問する。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


『面白い。悪くない』と思われましたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。


評価は少し下にスクロールした先にある星マークからになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作宣伝
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
『現代ファンタジー』ユニークスキル【幸運】を覚醒したダンジョン探索者が、幸運頼りに頂上へと昇りつめる物語
素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~
王家から追放された無能な第4王子が転生者である事を思い出し、神様から貰ったランクアップのチートで自領を発展させつつ面白おかしく生きていくお話
最強執事の恩返し~転生先の異世界で魔王を倒し。さらに魔界で大魔王を倒して100年ぶりに異世界に戻ってきたら世話になっていた侯爵家が没落していました。お世話になった家なので復興させたいと思います~
魔界で大魔王を倒して戻って来た勇者は、かつて転生者だった自分を育ててくれた侯爵家が没落した事を知る。これは最強男勇者が執事となって、恩返しとして侯爵家の復興に尽力する物語
― 新着の感想 ―
日本にもファンタジーはあったんだね
[良い点] つーかい [一言] ランキングから参りました 筆致も構成もテンポ良くて読みやすいね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ