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第101話 倉庫

「さて……」


深夜、時間通り目を覚ました俺は服を着替えて外出する。

闇を纏い、空を飛んで。

情報がもうストップできないとは言え、目立つ気はないからな


目的地は、勝次とエリカのいるポイントだ。

二人は同じ場所にいるので、たぶんそこに風早もいるはずである。


電話でやり取りをするんじゃないのか?


そうだぞ。

けど、直ぐ近くで通話してはいけないってルールはないよな?

そういう訳だ。


「ここか……いかにも子悪党どもが集まってそうな倉庫だな」


一昔前の映画やドラマの悪党どもが無駄に集まってそうな倉庫。

そこが勝次とエリカの反応のある場所だった。


ここまでやって来てから気づいたが、よくよく考えて、必ずしもあの二人が風早と一緒にいるとは限らないんだよな。

単に二人は付き合ってるとかで、一緒にいるだけって可能性もあるし。


「そう考えると……ハズレを引いた臭いな」


自分のミスだが猛烈に腹が立つ。

取りあえず、あの二人ぶん殴っとくか?

八つ当たりで。


「かかって来たな。もしもし……」


渡されていたスマホに電話がかかって来たので、俺はそれに出た。


「やあ、久しぶりだね」


声は風早壮太の物だ。

あいつらののトップは、まあこいつだよな。

もしかけてきた奴が全然知らない奴だったら、逆にびっくりするわ。


「俺に用があるらしいな」


「ああ。ビジネスの話をしたくって、勝っちゃん達に君に接触して貰ったんだ。それより、お互い顔を合わせて話さないかい。せっかく来てくれたんだから」


風早が、顔を合わせて話そうと言って来た。

どうやら俺の位置は把握されている様だ。


ま、方法は考えるまでもなくこのスマホだろうな。

信号機かなんかがくっついてるんだろう。

俺は機械系に詳しくないから、そういうのを付けられてたらお手上げである。


まあ位置がばれても困らないから、どうでもいいっちゃどうでもいい事ではあるけど……


徹底した情報封鎖はもう現実的ではないし。

帝真グループとの揉め事で、だいたい現代兵器や兵士の力も知れたしな。

補足されたところで大した弊害はない。


ま、気分はあまりよくないが。

後、どうやら風早はこの倉庫みたいな場所にいる様だな。


「顔を合わせたくないのかと思ってたぞ」


「もうここまで来てしまってるんだから、今更だよ」


「分かった」


もっともな意見ではあるな。

俺は倉庫の入り口っぽい場所へと降りる。


そこで待つと、扉が開いて人が出て来た。

勝次とエリカだ。


「——っ!?」


「なんだ!?」


だが、二人はどういう訳か俺の姿を見て驚く。

偶々外に出て、俺と遭遇したかの様な反応である。


風早に言われて迎え入れに来たんじゃないのか?


「どうかしたのか?」


「え?あ……その声……」


「お前……安田か?」


「見ればわかるだろう?」


何言ってんだこいつらは?


「いや……わかんねーよ。なんだよ、その姿」


「その真っ黒の姿で、見ただけで分かれってのはちょっと……」


ああ、闇を纏ったままだったから分からなかったのか。

とは言え、風早に言われ手出て来たんならどう考えても俺以外ありえないだろうに。

鈍い奴らである。


「これはコスプレみたいなもんだ。まあ分かり辛いなら解いてやる」


魔法を解除する。


「それ……どうやってんだ?」


「魔法だ。それよりさっさと案内しろ」


俺の情報を得たんなら、俺が魔法を使うって情報も手に入れているはず。

隠す意味はない。


「まあ……とりあえず案内する」


俺は勝次たちに案内され、風早の下へと向かう。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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