五話
ラブリンおっさん事件は先輩のおかげで無事に解決した。
あの後、警察官の人と事情聴取をしたが先輩が高等魔道士と呼ばれる資格を持っていたため30分ほどで終わった。
その後は先輩の自宅にお邪魔して、夕食をいただき話を聞いたり、妹?の話を永遠に聞かされたのであった。
そんな楽しい時間も過ぎて現在は寮のベットの上で寝る準備をしている。
「魔法凄かったな…」
おっさんが放った火の塊や先輩が使用した氷の竜巻、まさに今までの現実が壊される。
「僕ももう少ししたら使えるようになるのか。」
「にしても、スゲェーな今の魔法はよ!」
「何だミラか…てか魔法知ってるの?」
「そりゃあ知ってるよ、でも今の魔道具は凄いなあんなに小さい道具でアーマーの魔法を使えるなんて…」
「それ!僕見てるだけじゃ分からなかったんだけど、アーマーって何?」
「アーマーって言うのは、魔法を使用している間はどんな攻撃を受けても一度は死ななくて済む魔法だ。」
「じゃあ、魔道具を使うのは結構安全なんだね。」
「そりゃあそうだ、前なんか自分が使った魔法によって死んだ奴なんてザラにいたからな。」
「詳しいんだねミラは。」
「少しな、それであの変態の先輩。」
「彩木先輩ね。」
「あぁ、そいつはだいぶヤバいな。あのレベルは俺様より弱いがアイツらとは同じレベルだな。」
「アイツらって誰だよ?」
「まぁ、俺様の下僕共だよ。」
「そう言う設定ね。」
「なぁ、雄馬少し体貸してくれないか?」
「えっ?もう寝ようと思ってたんだけど。」
「良いだろ?貸してくれないと強制的に強奪しなきゃならないし。」
「それは絶対嫌だわ。」
「なぁ?良いだろ?」
「まぁ、分かったよ。」
「後、明日は頼むぞ。」
「分かってるよ、明日は僕の体を使って良いから。」
そう、僕は明日ミラに自分の体を貸す予定である。理由としては僕の体にミラが入ってどのような現象が起きるか、またどのくらい継続して入り続ける事が出来るかを確かめるためである。
「それでこそ俺様の相棒だ!」
「そうだね…」
疲れた僕はそう答えるとミラに体を預けたのであった。
「金が無い………」
スマホで自分の口座を調べてみるがそこには無惨にも2769円と表示されていた。
「アマぽん」と呼ばれる通販サイトの履歴を確認してみるとそこにはビデオカメラ3台とファンクラブカード1000枚と表示されていた。
「ミラ……」
「絶対にミラでしょ!!答えろ!勝手に買い物したでしょ!」
1人で部屋の中で大声を出しているが反応がない。
「絶対にもう出させないから。」
体を使わせない事を匂わせてみるとすぐに反応が返ってきた。
「まぁ、落ち着け雄馬。これはいわゆる初期投資だ。今は確かにお金が無いかもしれないが後々増えるのさ。」
「どこからそんな自信が湧くんだよ!!今月の食費代すら無くなったんだよ!」
「何してんだよ!俺様が腹一杯に食えないじゃ無いか!」
「全部オメェーのせいだよ!!」
「先輩、バイト紹介してください。」
「どうした?金が無いのか?」
「はい、ビデオカメラ3台にファンクラブの会員証1000枚発行したら…」
「何に使うだよ…」
先輩は呆れながら僕のことを見る。
「まぁ…そうだな、うちでバイトするか。」
「それは遠慮しときます。僕はまだ捕まりたく無いです。」
「一体何を想像してるんだ!」
「ロリの捕獲とか観察ですよね?」
「お前!俺が天使にそんなことすると思ってるのか!」
「先輩!話がズレてます!」
「まぁいい、俺はバイトしてんだよ。ちょっと変わったところでな。」
「そうなんですか…それって僕ってできるようなものですか?」
「校長の推薦があれば大丈夫だろう。」
「げぇっ!」
「そんな顔するな、普通に働くよりも稼げて魔道具も使う事ができるんだ。割はいいと思うぞ。」
「その仕事って…」
「ヒューマンハンターだ。」
「それ倫理的にも名前的にもダメでしょ!」
学園長の許可を貰い、僕はヒューマンハンターの事務所に向かう。
「ここがヒューマンハンターの事務所だ。」
「すごく複雑な場所にあるんですね。」
「狙われたら不味いからな、関係者以外はアジトの場所すら知ることができない。」
「だから僕も目隠しで車送迎だったんですね。」
「彩木君遅かったね。あれ?それが噂の新人君かな。」
「へ、変態がいる!!」
「変態とは失敬な、これは人間本来の美しさを醸し出している状態であり、生きていると実感んぅ〜〜〜!!」
「気持ち悪いだよ!視界に入るなクソ野郎が!」
「あ、愛香さぁん〜」
「私の名前を呼ぶな汚物が、後彩木そこ邪魔だから早くどいて。」
「きぃやぉあぁおん!!我らが神よ!」
「「「我らが神よ!!」」」
オンラインで集会を開いている。
「神々しいその力、人生、そしてそのストーリー!それはまさしく我らを導くお人!」
「イドリンス!!」
「「「イドリンス!!!」」」
「何か凄く騒がしいですね…」
「あぁ、ここにはまともな人間は俺しかいないからな。」
「どうですかね。」
「取り敢えず、一通りの仕事の説明をするか。」
「初めに俺たちの仕事は解放期の人間の対処だ。そもそも解放期とは、魔力を持つ人間が自分の欲望を抑えられなくなった時に欲望のままに暴走する事だ。」
「そして前のラブリンおっさんも解放期だった訳だ。」
「先輩、そんな話ブラックエデンに来る前は聞きませんでしたよ。魔力を持ってて暴走するなんて。」
「外ではこの事は精神的な病気として片付けられてるからな。」
「それに加えて最近は頻繁にとあるドラックの売買が行われてる。そのドラックによって解放期になる奴らが多い。」
「治安が悪いですね。」
「ブラックエデンは魔道具の開発という大きな光がある一方、そこには漆黒の影があるのさ。どんな場所も光があれば影がある。」
「何か難しい言葉が多いですね。」
「解放期の人間を見つけるには監査室があるからそこで監視を行い、見つかり次第目的地へと向かう感じだ。」
「なる程。」
「目的地について確保して警察に引き渡し、そこから書類など書いたりして一つの仕事が終わる感じだ。」
主人公の戦う理由を何でもいいから作る!ここで、大きな目的を!
ヒロインが狙われてることを知る。
ミラの知り合いだと言うことを知る。