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ブラックエデン(仮)  作者: 大便ズざぶ郎
1/6

一話見えざる物

近年、人間には特殊なエネルギーを発生している事が確認された。


そのエネルギーは感情の起伏により発生する事が研究の結果から確認され、後にそのエネルギーは魔力と名付けられる事になった。


魔力はいわば電気のような存在であり、魔道具と呼ばれる機械に魔力を流す事でその効力を発揮する。それを世界では魔法と呼ばれている。


それは天候の操作や地形の操作など今までの科学技術では考えられない現象を引き起こせる。


そのため、ここ20年で世界では魔力の研究が盛んに行わて様々な魔道具が作られて魔法が開発された。


ここ日本でも15年前に魔力について、とある一大プロジェクトが建てられた。


優秀魔力人材育成プロジェクト、ブラックエデン。


ブラックエデンとは、国内から魔力の適性が高い者が集められて集中的に教育を行う都市である。このプロジェクトは初めのうちは世間では批判されていたが、多くの企業がスポンサーとなり、教育を受ける子供の将来が確立された事がきっかけで、プロジェクトに参加する学生が急増した。


こうして現在では県立大学に行く事や偏差値の高い高校を行くより、ブラックエデンのプロジェクトに参加した方が良いと言う風潮も出てきた。


それはこの僕の家でも同じ事である。




どこにでもあるような一軒家の夕食の時間で僕、光闇雄馬15歳は今後の進路について母さんから聞かれている。


「雄馬、もうそろそろ三者面談でしょ。ブラックエデンのどの学校にするか決めた?」


食後の食器洗いをしている母は僕に尋ねてくる。


「母さんやっぱりブラックエデンに行かなきゃダメ?」


「それはそうでしょ。普通の高校だと頭が良くないと将来いい職業に就けないわよ。雄馬あまり頭良くないんだから、ブラックエデン行った方が将来は安定よ。」


確かに今の時代ブラックエデンのプロジェクトを受ける人は多い、僕のクラスでも三分の一はブラックエデンの高校に行くようだ。


確かに僕の成績はけつから数えた方が圧倒的に数えやすい、正直少しお馬鹿さんである。だけど!本気を出せば何とかなるはず!


だって僕はブラックエデンに行きたくが無いんだよ!


だって…


だって!!


「僕の魔力量はAカップぐらいの量なんだよ!!」


そう、僕は学年の中では1番魔力の才能が無い。中学入学当初にそれを周りに知られてしまい、初めはイジられる程度だったが、反撃しない僕に味をしめたのかどんどん僕に対しての扱いはエスカレートしていった。


現在は陰口を言われたり、暴力を振るわれるなどは日常的に行われている。


だからだ、僕は高校に行ってでも虐めてくるアイツらと同じ高校になりたくないんだ…と言うのは建前で僕の魔力量は正直言うとカスだ。


話にならない、これじゃあ巨乳のお姉さんにはモテない。だから行く必要性があまり感じないのである。


「やっぱり、そんなに受けたくないのね…だったら今度の実力テストで学年50位以内に入ったら考えてあげる。」


「それ本当!!」


現在の僕の順位は最下位に近い。

テスト中にいつもテロリストが攻めてきた時の立ち回りを考える事に忙しくテストどころの騒ぎでわない。


僕のテスト用紙はまるで軍人が作戦行動を行う時の秘蔵書類のようである。


しかし、僕がもしこれらのことを行わず集中して勉強に取り組んだら?


何とかなるかも!


「スタディーエブリデイ!!」


僕はダッシュして自分の部屋に行ってテキストを開いた。


「絶対!絶対に50位以内に入ってやるだ!!」


そうして次のテストまで僕は全力で勉強をしたのだ。

今まで書いてきた秘蔵のノートをしまい、勉強をする事ただ一つに集中した。



あれから数日が経ちテスト当日になった。


「あいつ朝からずっと教科書見てるじゃん。」


「うわ、進路決まってるのにうっざ。」


「マジで不快なんですけど。」


教室では必死に勉強している僕の姿が気に入らないのか散々な悪口を吐かれる。


確かにブラックエデンのプロジェクトに参加する人は、通常の学校に行く人に比べてテストの重さはあまり関係無い、そのためこのクラスでも勉強しない人の方が多い。


まぁ、一般人には分からないだろう?僕がどのような使命を持ちこのテストに命すら欠けている事を!!


英単語も辞書で丸々暗記したし、数学の問題も全て暗記した!応用問題さえ出なければ大丈夫なはず!!


「おーい低魔力くーん何必死に勉強なんかしてんだよ。」


「あ、や、柳君………」


勉強している僕に声をかけてきたのは、学校中でも注目を集めている柔道部の柳力雄君だ。


入学当初に僕にちょっかいを出して以降僕によく絡むようになり、虐められている。


まさにテロリストの親玉である。


「聞こえないんだけど、もう少し大きな声でいいなよ。」


嘲笑うように柳君がそう言うと周りの仲間たちも笑っている。


僕は普段はパンピーのフリをしてるからあまり大きな声が出せないのである。これも仕方がない、決して怖いとかそんな事は思っていないのだ。


「て、テスト勉強したいからまた後ででいい。」


「そうだな、また後でにしてやるよ。でもこれは貰ってくけどな。」


「ちょっと返してよ!」


「あははは、ばっかじゃねぇーの必死に勉強しちゃってお前みたいな低魔力は地べたで這いつくばってるのがお似合い何だよ。」


周りの人は見てみなふりだ。それもそうだ、僕を庇っても目をつけられるだけだしメリットがない。


やり返さないとやられる事も分かってるが、一度やって痛い目にあってからそれ以降怖くて体が動かなくて見てるだけになった。


だがしかし、僕がその気になれば倒せるはずだ。今だけ目を瞑っといてあげよう柳君。


「キーンコーンカーンコーン」


「はぁ、終わりかよ…じゃあな、低魔力。」


ちょうどチャイムがなり先生が入ってきた事で僕は解放された。


それからテストが始まり、僕はさっきの事もあり必死になってテストを解いた。


高校でもアイツらと同じ学校になってたまるか!僕が巨乳のお姉さんにモテるためにはアイツらと一緒ではなしえない!


そしてテストが終わり下校の時間になった。


正直テストの出来は良かったと思っている。テスト勉強中では2問中に1問はコロコロ鉛筆を使っていたが、本番は5問中に1問しかコロコロ鉛筆を使っていない。


これは今までより良い点数が取れるそう確信していた。


「なぁ、ミラやっぱり僕って天才じゃない?」


僕は架空の別人格に話しかけた。ミラ、それは僕のもう一つの人格と言う設定のイマジナリーフレンドである。


友達がいない僕の唯一の話し相手である。中学に入ってから僕はミラの存在を作り、下校中に良く1人で話している。


何か話すと落ち着くんだよね〜これが友達かな。


「もしかしたら一桁とかも夢じゃないかもね〜」


独り言を歩きながら歩いていたら、ふととてつもない寒気を感じた。


顔を上げて寒気のした方に視線を向けると道路にボールを取りに行こうとしている少女の姿があった。


そしてその少女に気づいていないのか大型のトラックがスピードを緩めずに少女に向かって進んでいた。


(不味い!)


僕は今にも声を出して危険を知らせようと思った。しかし、やはり声を出すとなると何故か掠れた声しか出ない。


少女には全く僕の声は聞こえていなく、トラックにも気づいていないようだった。


(なら!!)


虐められる事より怖いはずなのに何故か僕の体は咄嗟に動いた。そしてトラックとぶつかる寸前で少女を突き飛ばせた。


だけど僕は避ける事が出来なくトラックに衝突してしまった。それ以降、僕の意識は途絶えたのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれ、何だろうこの落ち着く感じの場所は…


寝ているようなそんな曖昧な感覚が体に伝わる。


そう言えば僕ってトラックに轢かれたんだっけ?


何があったのか思い出した。


もしかして、僕って死んじゃったのかな…


これで終わりか…そう思うと自分の胸が急に締め付けられるような痛みが襲った。


僕って友達もできた事無いし、学校時代楽しいと思った事もない…嫌だよ!これで死んじゃうなんで!!だってアイツらに良いように使われて、虐められてそんで何も出来ずに死ぬなんて、そんなの嫌だよ…


だって!だって!!巨乳のお姉さんに会った事すらないのに死ねるわけない!!!


無駄だと分かっても口に出してしまう。今まで声に出さなかった事を大声で言う。



「ははぁ、面白いなぁーお前!俺様と契約しないか?」


誰か分からないが僕の耳に声が聞こえた。


知るはずの無い声なのに何故だか凄く安心する声だった。


「うん!お姉さんに会えるのなら!!」


即答だった、何故かコイツは信用できると思った。何の根拠も無いだけどただ一つだけわかる事があった。


コイツもお姉さん好きなんだと。


それと同時に意識が薄れてきた、まるで目覚めるような感覚が僕を覆う。



「ここは………」


目を覚ますとそこは病院のベットの上だった。


「雄馬!!!雄馬〜〜〜!!!!」


僕が目を覚また事に安心したのかお母さんが抱きついてくる。お母さんは心配のあまり寝ていなかったのか目元には大きなクマができていた。


「ごめん、心配かけて…」


「良い、生きていてくれてるだけで母さんは嬉しいわ。」


母さんはそう言うと僕の頭を撫でる。僕は1人じゃ無いって改めて実感した。


「いっつぅ………」


安心したのか、身体中が痛み始めた。特に右目の痛みは尋常じゃなかった。目が抉られたかのような痛みが襲う。


「大丈夫!!雄馬!!!」


母さんが大声を出してすぐさま医者が駆けつけて治療を行ってくれて痛みは治った。


けど、僕は右目の異様な痛みが気になってしまった。


右目に何か別の物が埋め込まれたような違和感が襲う。


「せ、先生…僕の右目に何が起こったんですか…」


治療を行ってくれた先生に質問すると先生は答えてくれた。


「原因は分からないが君の右目には過度に魔力が集まるようになってしまったようだ。」


「視力などには影響は今のところないが、目の色が赤くなってしまっている。」


「私も初めて見る事例で我々では対処する事が厳しいが、私の知り合いの魔力に関して詳しい医者に連絡を取ったから退院したら、その病院に通ったら良い。」


確かに右目に痛みがあったが、視力はそのままいやそれ以上になったような感覚がある。原因は分からないが今のところは大丈夫そうだ。


でも今後悪化する恐れがあるから紹介された病院には行ったほうが良いだろ。


「その病院ってどこにあるんですか?」


「ブラックエデンにだよ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


事故から2週間ほど経過し、リハビリが終わり僕は家に帰る事とができた。


そして退院明けてから初めての学校の日だ。


トラックに轢かれたが奇跡的に全身打撲ですみ、完治が早かった。


しかし、右目は謎の病気?のため赤くなってしまった。カッコよくて気に入ってはいるけど、学校に行ったら絶対に目立つから嫌なんだよね。


眼帯しようか考えたけど、片目が見えなくなるのは不便だし、眼帯の方が赤眼より目立つような気がするからそのままで登校した。


先生には目の病気の事は伝えているので大丈夫だろうが、生徒については何にも言えないな。


教室に入ると朝の会の時間の10分前なので席の3分の2は埋まっていた。


僕が教室に入り、何人か僕の赤眼に気付いたのか小声で話しているようだ。


陰口なんて言われ慣れたから最近はあまり気にならなくなり始めた。


そのまま先に行き教科書を机の中に入れるなどの学校の準備をする。


「アイツなんか目が赤くね。」


「うわっ、厨二病かよあの目。」


「お〜カッコいい。」


準備をしている最中も陰口が聞こえるが無視して準備を進める、しかし教室の扉が開く。


入ってきたのは僕を虐めてくる柳君のグループだ。


「あれ〜雄馬く〜ん今日学校に来てるんだ。」


「勉強のしすぎで学校来れなくなったのかと思った〜」


「あれっ?てか目が赤くね?」


入ってくるなり、2週間ほど休んでいた僕がいる事に気づいてちょっかいを出してくる。


「おいおい〜雄馬君さ〜何、目が覚醒したのぉ?赤くなっちゃってさぁ〜」


「………」


柳君が近くに来て僕の肩を触る、目が赤くなった事の原因を説明しようと思い声を出そうとする。


「いや、少し事故で怪我をしちゃって。」


今までは柳君が怖くて声を出す時は小さい声だったが、死にかけると言う経験をしてはっきりと声を出す事ができた。


(あれ、もしかして僕って強くなってる?)


自分の成長に驚きながらも柳君の返答に備える。


「はぁ?…お前何か調子に乗ってね?」


(えっ?心の中が読まれただと!)


しかし、僕のどこが彼の怒りに触れたのかは分からない。


「目を赤くして自分が強くなったとか思ってるの?低魔力のお前が俺と対等に会話したんじゃねーよ!」


そう良い僕の机を柳君が思いっきり蹴っ飛ばす。


机の中の教科書があたりに散らばり、机の上に置いてた鞄も地面に落ちてしまう。


柳君ってエスパーなの?何でそんなに的確に考えている事を当てられるんだよ!!


僕は自分の考えが柳君に読まれる事に対して長く付き合ってきた親友のような感覚に陥った。


「ごめん、柳君。僕が対等に話すなんて100年早かったです。」


そう言いながら僕は土下座して謝る、土下座をしている僕を周りで見ているクラスメイトは笑っている。


「分かればいいんだよゴミが、早く拾えよ。」


それを見た柳君も満足したのか落ちている教科書を踏みながら自分の席へと向かっていった。


(柳君ってもしかして占い師なのかな?)


正直、柳君の心を読む能力は異常だ。僕の事については何でも分かっているようだ。


これってもしかして柳君は僕の事を好きなのでは?


照れてて僕に八つ当たりしてるのであってもしかして…


僕は横になっている机を立て直しながらしょうもない事を考えていた。


すると僕が教科書を拾おうとすると先に1人の女子生徒が僕の教科書を拾っていた。


「あ、ありがとう。」

僕はそれを受け取り礼を言う。


『ブンブンブン』


「大丈夫」と言っているように彼女は首を横に高速で振っている。彼女は確か、風神風香さんだったかな。


今まで話した事は無かったけど、眼鏡をかけていて前髪が長く長髪の女子生徒だ。身長は158センチぐらいでスレンダーな体型をしている。無口であまり人と話しているイメージが無い大人しい性格の女の子だ。


「あ、あの…」


「おいお前!誰が人の助けを借りて良いって言った?」


彼女が何か伝えようとしていたが、柳君が僕が1人で片付けをしなかった事に機嫌を悪くしたのかこちらに向かってくる。


様子から見るに僕が助けてもらっている事を見ていた誰かが伝えたようだ。


僕の中では「柳君僕の事が好き説」が現実味を帯びてくる。


何故なら、女の子と話した瞬間怒っているいわゆる嫉妬という物である。


「お前はもう一回1人でやり直せ。」


そう良い再び机を蹴ってひっくり返す。


「あとお前、分かってるよな。」


それを風神さんに向けて柳君は言う。これは柳君が虐めの標的にする時に良くする。


これだと助けてくれた風神さんが僕のせいで虐めの標的になってしまう。柳君は僕に近づく風神さんを許せないのだろう。


そう思うと僕は行動を移していた。


「風神さんは悪く無い!!」


気づいたら柳君に向けて僕はそう言っていた。


だって僕は男の人には興味が無い。巨乳のお姉さんにしか眼中がないのだ!!


正直言ってこれは僕の性癖であり、本能、生きる野望なのである。


「あぁ…お前……?」


柳君は無言で僕の襟を掴み壁に叩きつける。


その音を聞きクラスメイトは話し声止めた。


教室の中は誰もいないかのように静かになった。それはまるで嵐の前の静けさのようだった。



「もう一度病院送りにしてやるよ。」


「風神と一緒にな。」


その言葉を聞いて僕の頭は熱くなるような感覚が襲った。僕だけが虐められたり、殴られたりするのは良い…でも、助けてくれた風神さんまで巻き込むのは違う!


いくら僕の事が好きだからってそこまでやるのは間違ってる!!



僕の頭の中で何かが崩れた、そして柳君を見つめていると柳君の瞳に僕の姿が映っている。


それを見た瞬間僕の意識は薄れていくような感覚が襲い、それと同時に右目を中心に誰かに体を奪われた。


「離せ。」


「あぁ?」



「がぁっ!?」


「お前!!!」


「へー、こんな感覚なんだ…」


「でっ何?お前が俺様のヴィランな訳?」


雄馬の右目は更に真っ赤に染まっており、瞳には翼のような黒い紋章のようなものが浮かんでいた。





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