14/44
7
記録する。
軍靴を鳴らす音と、発砲音。それと悲鳴。
地獄という言葉をおおよそ詰め込んだような惨状は、周囲を見渡せば血だまりしかない。鉄でできた壁には赤黒い血が付着し、昨日は会話していた誰かが物言わぬ物体に変貌する。
誰かが言った。
――どうして、こうなったのだろう。
誰かが嘆いた。
――どうして、死ななければならないのか。
誰かが願った。
――どうか、この地獄を終わらせてと。
神の国を関するこの場所は、まさしく地獄になったのだ。
だから、平和のためにと武器をとる。あの狂った神に一矢報いるためにと、誰かが願った平和のためにと武器をとる。
おれは、そのためにいる。
おれは――
おれは、だれだ。
なんだそりゃ。




