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八十六話 再会と別れとツンデレ元教師

 * * * *


「壮絶な1日だった」


 ぽつりと俺は呟く。

 あの後、〝楽園(エデン)〟と呼ばれた場所から戻って来た俺達は、何故かエルダスと共にいたベスケット達とすぐ様合流。

 そして、〝転移魔法〟を用いてダンジョンの外にまで戻り、ギルドへと帰って来ていた。


 〝リミットブレイク〟で動けない俺は勿論、魔力消費が激しかった他の面々の事もあり、本来、レッドローグの【アルカナダンジョン】攻略に集まって来ていた面々をローザがダンジョン警戒に向かわせ、何時間ぶりかの休養を取っていた。


 そんな中、横たわる俺の顔に影が落ちる。


「なんだその体たらくは」


 誰かが俺の顔を覗き込むような形だった。

 投げ掛けられたその言葉は、ダンジョン内でヴォガンに掛けられた言葉と酷似していて。


「元だろうがお前は、ガルダナ王国の宮廷魔法師だった人間だろうが」


 いや、酷似どころかそのまんまだった。

 忌々しそうな表情ながら、何処か心配するような顔を向けて来るその人物を、俺はよく知っていた。


「……どうして、こんな場所にいらっしゃるんですか、殿下(、、)


 ガルダナ王国が王子。

 レグルスの姿がそこにはあった。


「お前が言ったのだろうが。自分で見つけて、自分で選び取れと。父上からの許しも得ている。これは、その延長だ。だから断じて、お前への罪滅ぼしの為に来てやった訳じゃないからな。ただ、今の僕は寛大なんだ。特別に、その状態で受け答えをするお前の態度は見逃してやる」


 そして、レグルスは俺に背を向けて何処かへと歩き出す。


「それに、何か勘違いをしているようだが、僕は偶々、レッドローグに立ち寄っただけだ。ヴォガン卿はその同行者。決して、お前を助ける為に立ち寄った訳ではないからな」


 相変わらずの尊大さ。

 けれど、たった一、二ヶ月会わなかっただけなのに、何処か角が取れたような気がしたのは俺の気のせいなのだろうか。


「あいつもあいつなりに、変わろうとしているらしい。相変わらず不器用だがな」


 声が聞こえて来る。

 今度は、ヴォガンの声だった。


「……殿下を連れて来てたんですね」

「連れてきた訳じゃない。あのクソガキが勝手について来ただけだ。どうにも、お前と話がしたかったらしいが、あの程度なら文か伝言で十分だっただろうに。面倒臭いだけだろうが」

「止めなかったんですか」

「止めて聞くような人間なら、お前に剣の勝負を挑むことは無かっただろうな」

「確かに、そうですね」


 勝手について来られるくらいなら、同行を許した方がまだマシだった。

 ヴォガンの表情は、まるでそう言っているようにも思えた。


「それで、アレク・ユグレット。これからお前、どうするつもりだ」

「どうするつもりだ、ですか」


 苦笑いを浮かべる。


 ヴォガンが俺にあえてそう問うた理由は、分かる。その問いをしてきた理由は、〝楽園(エデン)〟と呼ばれる地で出会ったアダムとの会話の内容故にだろう。


 あの場にいたのは俺と、オーネスト。

 クラシア。ヨルハ。ローザに、ヴォガン。

 この六人だけだった。


 だから、ヴォガンは知っている。


「変わりませんよ。あの場所で何かを聞いたからといって、俺は変わりませんよ」


 アダムから打ち明けられた事実は、概ねリクが話していた通りだった。

 とはいえ、意外な事実ばかりだった。


 この世界に、ダンジョンがある理由。

 〝ダンジョンコア〟の役割。

 〝魔神教〟の頭領であるテオドールが、〝迷宮病〟罹患者であり、〝魔人〟に成り果てた存在だった(、、、)事。

 本当に、現実味のない話ばかりだった。


「……だが、本当に良かったのか」

「はい。あの時は、あれで良かった。十七年前の事は、彼から聞くのではなく、親父から聞きますので」


 そして俺は、〝楽園(エデン)〟と呼ばれる場所で、十七年前に行われた〝神降ろし〟について語られようとした時、それを拒絶した。

 ヴォガンの良かったのかは、その事についてなのだろう。

 母の事を知れる機会。

 それをみすみすどうして逃したのだと、理解出来ない様子だった。


「気にならないと言えば嘘になります。事実、シュガムや、〝剣聖〟メレア・ディアルに俺は母の事を尋ねようとした時もありましたから。ですが、リクから色々と聞いてよく分かったので。きっと親父は、俺を巻き込みたくなかったんだろうなって。だから、母さんの事はちっとも話さなかったし、自分の事も殆ど語らなかった」


 隠し事の多い親父ですけど、それでも凄く優しい事は知ってますので。

 そう言って俺は言葉を締め括る。


「だから、俺は変わりません。これまで通り、〝終わりなき日々を(ラスティングピリオド)〟の一員としてみんなでダンジョンの攻略をして、学院にいた頃に決めた〝最強()〟ってやつを、目指し続けようかなって」


 アダムの言葉をまるきり嘘と断じる訳ではない。寧ろ、俺はそれなりに信じている。

 ただ、エルダスや親父があえて俺に全てを話さなかった理由は、そこに囚われて欲しくないからだったのだと思う。

 だから、何も変わる気はなかった。


「……そうか。だそうだぞ(、、、、、)。エルダス・ミヘイラ」

「……い、いつから気付いてた?」

「初めからだ」


 ちょうど俺から見て死角になっている場所。

 ヴォガンの呼び掛けに応じるように、隠れていたエルダスが姿を見せた。


 成る程。ヴォガンらしくない問い掛けだと思ったら、どう声を掛けたものかとタイミングを見計らっていたエルダスの代わりに行っていた質問らしい。

 母の事は親父に聞けるが、二人の関係は聞く事が出来ないので少しだけ気になった。


「こいつとおれは、腐れ縁なだけだ。それ以上もそれ以下でもない」


 顔に出てしまっていたのか。

 ヴォガンが煩わしそうに答えてくれた。


 そしてそれを最後に、先に出て行ったレグルスを追うようにヴォガンはその場を後にする。


「腐れ縁とは言っても、いざという時に頼る選択肢に挙がるような腐れ縁なんだけどね」


 ……確かに、本当に嫌ならばヴォガンはレッドローグにはやってこなかっただろう。

 ヴォガン・フォルネウスという人間は、そういう性格である事を俺はよく知っている。


「……久しぶりだね、アレク」

「うん。久しぶり、エルダス」


 探していた人物に、漸く出会えた。

 話したい事なんて、山ほどあった。

 聞きたい事も、山ほどあった。


 でも、いざその時がやって来ると、何を話せば良いのか分からなくなってしまって。


「良い仲間に、出会ったみたいだね」

「……俺には勿体ない仲間達だよ」

「アレクが宮廷魔法師になったって聞いた時は驚いたけど……どうやら無用な心配だったらしい」


 どういった過程を辿り、俺がこうして冒険者になったのか。

 それら全てを見抜いた上での言葉なのだろう。

 俺に投げ掛けた忠告が、却ってその道に縛ってしまった事。それらの後悔の念が声音には滲んでいたけれど、今の俺の姿を見てエルダスは安堵しているようだった。


「……エルダスは、これからどうするんだ」

「僕は取り敢えずテオドールを追うかな。多分、あいつは死んでないから」


 曰く、テオドールはエルダスとの戦闘途中で姿を消したらしい。

 その際に、リクへの恨言を言っていたようで、恐らくは策を講じたと口にしていたリクの仕業なのだろう。


「贖罪って訳じゃないけど、あの時の当事者として、僕のような人間を出す訳にはいかないから。だから僕はこれまで通り、あいつらを止める為にどうにか頑張っておくよ」


 ────俺も、手伝うよ。


 ヴォガンに対してああ言った癖に、そんな言葉が喉元付近まで出かかった。

 だけど。


「もし、俺に手伝える事があった時は。その時は、いつでも言ってくれよ、エルダス」


 俺はそのままの言葉を口にはせず、少しだけ言葉を変えてエルダスに告げた。

 程なく、エルダスは破顔をして、感謝の言葉を口にしていた。


「……それと、これ」


 俺は、どうしたものかと半ばあぐねていた〝古代遺物(アーティファクト)〟である〝星屑の祈杖(ステラティオ)〟をどうしたものかとエルダスに問う。


「いや、それは渡すってさ。親父さんが、アレクにって言ってた。いつかの約束だからって。そういう事だから返す必要はないよ」

「……もうすっかり忘れられてると思ってた」

「律儀な人だからね。性格は、割とその日暮らしなところはあるけど」


 笑い合う。


「あぁ、それと。親父さんからの伝言も預かってる。俺の事は心配するな、だってさ。好き勝手世界を飛び回っておくとか言ってたかな」

「……親父が?」

「うん。まあ、あの人は元々冒険者だし、そういう気質なんだろうね」


 親父が冒険者だったなんて話は初耳だった。

 だから、驚きを隠せなかった。


「そんな訳で、アレクの事を頼むよ。三人(、、)とも」


 先程は隠れているのが露見していた立場だったエルダスが、今度は逆の立場になっていた。

 構図としては、ヴォガンとの会話を隠れて見ていたエルダスを、隠れて見ていたオーネストとヨルハとクラシアといったところか。


 クラシアだけはヨルハに強引に引き込まれたといった様子だった。


「……やっぱバレてンじゃねえか」

「く、クラシアがちゃんと隠れないから!」

「格上の魔法師相手にバレずに隠れるなんて無理に決まってるじゃない」


 邪魔をする気はない。

 だけど、気になって仕方がない。

 そんなオーネスト達の内心が透けて見えてしまって、身体はまだ痛いけど笑わずにはいられなかった。


「それと、ヨルハちゃんだっけ」

「な、なんでしょうか」

「グラン・アイゼンツ。彼の事は、僕の方でも気に掛けておくよ」

「でも、良かったのかよ。ヨルハにアレク。別に、少しの寄り道くれえオレさまは構わなかったのによ」


 エルダスの言葉で思い出したように、オーネストは言う。

 俺は母の事。

 ヨルハは兄の事だろう。


 ただ、俺の答えは先ほど言った通りだった。

 そしてヨルハは。


「会える時は、会えると思ってる。だから、ボクはその時をゆっくり待っておく事にする」


 そう口にするヨルハの首には、小さなロケットペンダントが下げられていた。

 グラン・アイゼンツの名が彫られていたペンダント。

 それを握り締めながら、ヨルハは答えた。


「それに、ボクにとっての家族はみんなだから。なんと言っても、ボクらは〝終わりなき日々を(ラスティングピリオド)〟なんだよ。まだまだみんなで一緒に冒険をして、思い出を作って、笑い合って。そんな日々が、ボクらにはお似合いだから」

「……ま、聞く限りシスコンらしいし、此方から探すよりも名を轟かせて探させる方が早いのは確かね」


 リクに散々ボロカスに言われていたグラン・アイゼンツの事を思い出す。

 リクのした事は、許される事ではないけれど、それでもグラン・アイゼンツという人間がとても慕われていた事はよく分かった。


 きっと彼も、ヨルハのようなお人好しだったのだろう。それも、〝ど〟がつくくらいの。


「オレさまは二人がいいならいいんだけどな。だが、遠慮はしてくれるなあ? 一人で抱え込むくれえなら打ち明けろ。何だろうと、オレさまは手伝ってやっからよ」


 意味深な視線を俺に向けながら、オーネストは言う。

 明らかに俺の過去の行いを指摘するような物言いだった。


「……もうその話はいいだろ、オーネスト」

「んん? オレさまは何とは別に言ってないンだが……心当たりがあるなら尚更に気をつけてくれると有り難えなあ?」

「性格が悪いなオイ」


 そしてやがて、


「ま。頼れる仲間がいるのは良いことさ。そんな訳で、僕はそろそろ行くよ。……ローザちゃんから、殺人パンチが飛んできそうな気もするし」


 奥には、何やら般若のようなオーラを纏った黒髪少女もとい、俺達の担任教師であったローザ・アルハティアがそこにはいた。


「……よくもまあ、私を利用してくれたな。問題児第一号」

「い、いやあ、やっぱり何よりも頼りになるのはローザちゃんといいますか」


 ────あ、これ知ってる。


 反射的にそう思った。

 エルダスとローザのこの距離感は、とても身に覚えのあるものだった。

 というより、俺達とローザの関係値によく似ている。


「レガスの折檻も終わった事だ。次はお前の番だ。問題児第一号」


 思えば、つい数分前までギルド中に響き渡っていたレガスの絶叫が止んでいた。


 基本的に、ローザが傷を負うなんて事は滅多にない。なにせ、強いから。

 ただ、今回は相手が相手だっただけに、かすり傷だったり、服が破れていたりと傷を負っていた。

 そんなローザを見てレガスが地雷を踏んづけた。


『お? 珍しいじゃねえかぁ。ローザちゃんが泥遊びを終えたガキンチョみたいな格好してるなんてよ。ひゃははは……は、は? ぁっ、やべ、口が滑った。なし! 今のなし!』

『どうやらお前には地獄を味わわせる必要があるらしい』

『ろ、ローザちゃん? 俺、頑張ったくない? 今回、めっちゃ頑張ったくない?』

『それとこれとは話が別だ。お気に入りの服が破れた怒りのぶつけ先を丁度探していたところだったんだ。いいサンドバッグが手に入った』

『それただの八つ当たりじゃねえかっ!! へるぷっ! へるぷみー! ライナ(相棒)っ! 俺を助けてくれ!!』

『レガスはいい奴だった。南無』

『おいいいいいいいいぃ!!?』


 そんなやり取りの後、ローザによる地獄の折檻が執行されていた。

 あれはまあ、自業自得なので庇いようがない。南無。


「そ、そんな訳で僕は逃げるから」

「逃すと思うか?」

「じゃ、じゃあね、アレク!! 元気にしてる姿が見れて良かった!! 今度会う時はゆっくり話でもしよう!!」


 その言葉を最後に、エルダスは魔法を用いて蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。


「……チ。逃げ足だけは相変わらず早い奴め」

「ローザちゃんとエルダスって、知り合いだったんだ」


 俺にはそっちが意外過ぎた。


「知り合いも何も、あいつは私の教え子だ」

「教え子って……え?」


 エルダスが魔法学院に通っていたのは知っている。だけどそれってもう十年くらい前の話であって、どう考えてもローザの見た目と年齢がつり合わ────。


「お前も同じ目にあいたいか?」

「な、何も言ってないから!」


 頭の中を覗き見たのかと思ってしまうくらい、ピンポイントに怒りの言葉が飛んできた。


 この状態で折檻されたら、誇張抜きで死んでしまう。


「……まぁそれは兎も角、あいつではないが、お前達も〝闇ギルド〟の人間には用心した方がいいだろう」


 リクの別れ際の言葉が思い起こされる。

 〝嫉妬〟と〝怠惰〟と呼ばれる名持ちの人間。加えて、テオドールには気を付けろという言葉。


「ここ最近、〝闇ギルド〟の動きが活発化している。今回の件も、それが絡んでいた可能性が高い」


 結局、連中の企んでいる事は分からなかった。分かったのは、〝神降ろし〟ではない何かを企んでいるかもしれないという事だけ。


 あのノイズという鎖使いから情報を引き出せたら一番良かったのだが、状況的にどうしようもなかった。

 だが、


「心配いらねえよ」


 俺やローザに無用の心配だと告げるように、オーネストが会話に割り込んだ。


「誰が相手だろうと、蹴散らせば良いだけの話だ。たとえ相手がどんだけの化け物だろうが、オレさま達がその上を行けばいい。それだけの話じゃねえか」

「……簡単に言ってくれるな」

「でも、それ以外に方法がねえのも確かだろう? 出会ったが最後、あの連中を倒すしか道はなくなるンだからよ」


 ローザは呆れて物が言えないと言わんばかりの表情を浮かべていたが、こればかりはオーネストの言う通りであった。


「何より、オレさま達は〝終わりなき日々を(ラスティングピリオド)〟だ。負けねえよ。四人揃ってりゃ、どんな化け物が相手だろうがな」

「……確かに。オーネストの言う通りだ」

「つーわけで、身体が治ったら鍛錬すンぞ。アレク。延期された『武闘宴』の開催日は、一週間後だ。二人でビスケットを倒してあの知識の蔵から根こそぎ奪ってやろうぜ」


 宰相が殺され、シュガムが街中で暴れた事もあり、『武闘宴』は一週間の延期扱いにするらしい。


 なのでオーネストは、ベスケットとの約束である勝った方が何でも言う事を聞く。

 その約束を使って彼女の知識を引き出すつもりのようだった。


「そら。そろそろ身体、ちったあ動くようになったろ。散々動き回ったから腹が減った。飯食いに行こうぜ。美味い飯屋にローザちゃんが連れてってくれるらしいからよ」

「……今回、迷惑を掛けたからな。不本意ではあるが、飯くらいは振る舞ってやる」

「やっぱローザちゃんってツンデレなんだよなあ。いつもツンツンしてるけど、教え子相手にはそれなりにデレるというか……」

「ただし、ライナとレガスは自腹だ」

「そんな!?」


 人をツンデレ呼ばわりする奴と、ガキ扱いする奴に奢る金は持ち合わせていない。

 口をへの字に曲げながら告げるローザ達のやり取りを聞きながら、俺達は笑い合った。

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