第五十五話、最後の夜
朝、スチイがモゾモゾと動き出したので目が覚め、ベッドから抜け出そうとするスチイに手を伸ばしたら、可愛いお尻が顔を出した。俺の伸ばした手の指にスチイの部屋着と下着が掛かってる。
「パパのエッチ!」
「ごめんごめん、ワザとじゃないんだ」
俺はスチイの可愛いお尻をしっかり目に焼き付けたが、代わりにグーで胸を何度もポスポスと叩かれた。
「おはよう、スチイ」
「おはよう、パパ」
「それでスチイは何処かに行こうとしたのか?」
「うんミルクを貰いに行って来るね」
「気をつけてな」
「はいパパ」
俺は寝ぼけていたせいか、スチイを部屋着のまま送り出してしまった。
俺も一緒に付いて行くべきだった、もしかしたらスチイが乳絞りしてる所を見ながら幸せな想像が出来たかもしれないと思ってしまう。
失敗したと悔しいと思いつつ二度寝してたらスチイが戻って来た。
俺が静かに起き上がるとスチイがミルクを渡してくれる。
「はいパパの分だよ」
「ありがとうスチイ」
俺は一度ミルクをテーブルに置き急いで顔を洗い、うがいをしてくる。
俺とスチイはミルクを飲み終えて、じゃれあいながら着替え最後に俺の膝の上にスチイを乗せて、お腹を触りながら靴下を履くのを手伝った。
着替え終わったスチイを後ろから抱き抱えて部屋の中でクルクルと周り静かに床に下ろした。俺は一歩離れてしゃがみ込みスチイに両手を伸ばすと、目を回したスチイはフラフラと歩み寄って来る、スチイは俺の正面から近付き、あと少しもう少し、あとほんのチョッとで唇と唇が重なると思った所で左に逸れ、頬と頬が重なりあう、スチイは抱き付いて来た。おしい、あと少しでキス出来たのに。
「目が回るよパパ」
「ごめんごめん、それより食事に行こう」
「はいパパ」
俺は抱き付いてるスチイの少し硬い背中と弾力有る太腿に手を回し抱き上げ、部屋の出入り口では頭が当らない様に気を付けながら、スチイと一緒にリビングへと向かった。
リビングの手前でスチイを下ろしたが後ろから歩いて来た族長に会い、口元は左右に裂けそうにニコニコと目は細められ、とても悪い笑みを浮かべながら見つめられてしまった。
「朝から暑いわねノーバン、うふふ」
「今朝は肌寒いですね、族長」
俺と族長は微妙にズレた挨拶をして、皆でリビングに入り朝食を頂いた。
朝食後は早々に旅の支度を済ませて次の村へ向けて出発した。
山を少し登り尾根沿いに歩くと言うので警戒してしまったが、想像以上に道幅が広く馬車でも通れるほどだ、これならばと安心して旅を続ける。
道幅が広いとは言え尾根沿いの道だから、隊列は細長く森林を歩いた時と同じく俺が殿だ。
俺がスチイの可愛いお尻を見ながら歩いていたら何故か気付かれてしまった。
スチイは後ろを振り向くと同時にお尻に手を当て一言。
「パパのエッチ!」
「かわいい」
俺はスチイの仕草と一言に思ったままを口にしてしまった。
「スチイのお尻、かわいい?」
「お尻もだけど、スチイが可愛いんだよ」
「ん~~ん、許してあげるねパパ」
「ありがとうスチイ」
俺は再び可愛いお尻を見ながら歩き、草を求め尾根から下りようとするヤギを引っ張り、尾根沿いの短い草で我慢させる。
俺も薄い空気に慣れたのか目の保養が良いのか体調も良くなり歩き続け、日の明るい内に次の村へと辿り着いた。
村に入ると村長宅へ招かれ荷物を降ろして馬を預け、部屋へと案内される。
風呂と夕食の用意が出来るまでスチイと一緒に少し遊びながら魔王を洗った。
俺は体調が戻ったとは言え空気が薄いせいか運動量以上に疲れ、お風呂と夕食を頂いたら早々に眠ってしまった。
翌朝、朝食後に銀製のスプーンを村長に借り、アルミと一緒に塩茹でにしてから磨き、輝きを取り戻したスプーンを持ちスチイと一緒に村を見て回った。
小さな村で案内が無くても迷子には成らない、村人に話を聞きながら水や食べ物を何人にも少しづつ分けて貰い、その全てを銀のスプーンで触れて見たが変色はしなかった。
昼に村長宅へ戻りスプーンを返そうとしたが「記念に差し上げます」と言われお礼をいい貰った、何に使ったか分からないから危ないと感じたのだろうか?
午後からはスチイと一緒に魔王とヤギの散歩に出かけた。
散歩と言っても魔王もヤギも、草を食べてばかりでスチイは日光浴だ。
小さな村々を、一、二日づつ滞在し情報を集めながら旅を続け、とうとうスチイのお父さんの居る町へと着いてしまった。
大きな町だけ有って町の入り口には兵が立っているが、狩人が話し掛けると簡単に町へ入ることが出来た。
一人の兵が出てきて大きな宿屋まで案内してくれ、明朝に迎えに来ると言う。
宿屋の外壁は土壁だったが中に入ると木造に成っていて壁も木で覆われている。
少し狭い玄関で靴を脱ぎ、室内用の草履に履き替えた。
お風呂と夕食を済ませ夜に一つの部屋に皆で集まり、情報の共有と明日会う事に成るであろうスチイへお父さんの事を話した。
竜人の町や村は沢山有るが少なくとも俺達が立ち寄った村々は全て病気が広がり、ほぼ全ての人々に何かしらの異常が出ている事。
そこから予想できる事は、この町も病気に犯され「多分スチイのお父さんも病気にかかっているだろう」と言った所でスチイは何も言わずに俺に縋り付いて見上げて来た。俺は優しくスチイの肩を抱き寄せ、手で腕を摩った。
村々を見て回って来たが原因は分らなかった、族長に聞いてもエルフと同じ病気であればと思っていたが、エルフの歴史には無い病気だと言う。
どの村でも数年に渡り子供の出産は確認されておらず竜人の将来が危うい状況だ。
竜人達の噂では「人魚族の毒だとか呪い」だと言う。
今まで竜人は病気をしてこなかったと言う、それが人魚族と仲たがいしてから病気にかかり広まったから「人魚族の仕業」だと言う。
確かに病院を見た時に薬の少なさに驚いた、怪我用の薬しかなかった。
呪いの事は分らないが、少なくとも点在する全ての村に毒を撒くのは不可能だろうし、水源も湧き水で混入は難しいだろうと思う。
原因を探るには病人を直接かつ詳しく診察する必要が有ると思い、族長に竜人の知り合いが居るか聞いてみたが、竜人の族長しか知らないと言う。
俺の診察方法は神の書で知り得た知識だ、あまり知られて良い物ではなく知り合い以外には見せたくは無い。
俺は隣に居るスチイを見てしまう、多分スチイのお父さんなら俺の診察を受けても他言はしないだろうと。
俺の視線に気付き何かを感じたのだろうか、スチイと目が合うが俺は視線を逸らして見なかった振りをする。
族長も俺の視線に気付いた様で「明日話してみましょう」と言い話し合いはお開きと成った。
宿屋でも俺とスチイは同じ部屋を取った。部屋には隣り合うようにベッドが二つ並び小さな丸いテーブル一つと椅子が二脚有る。
言葉にはしないが俺とスチイにとって最後の夜に成るかもしれない。
それでも俺は何時スチイからお父さんの話をされるのか聞かれるのかと、内心ビクビクしながら最後の夜を楽しもうと思った。
少し隙間の有る二つのベッドをピッタリと付けて一つの大きなベッドの様にした。
俺はスチイに背中を踏んでもらい痛気持ち良い思いをした後は、柔軟体操をすると言い、スチイの足に自分の足を絡めて股を開かせ、脇の下に腕を差し入れて、スチイの体を捻ったり引っ張ったりする。
スチイの体を引っ張ると気持ち良さそうな色っぽい声を上げるので、俺はたまらずスチイの体の彼方此方を触り、人形の様に色々と曲げたり伸ばしたりしてスチイの色っぽい声を聞きながら楽しんだ。
スチイの体は柔軟性が有り、どんな体勢も可能でバランス感覚と合わせればダンジョンでの活躍も期待できる。大人に成ったら色々な体位が楽しめそうだなんて少ししか想像してない。
俺とスチイは夜中まで遊んで疲れて寝てしまった。
翌朝、兵の迎えを待ってから歩いて竜人の族長の住まいへと向かう。
エルフの族長の指示で竜人の国に入ってから、スチイの髪は白く染められていて深く被られた帽子から僅かに見える髪は白い。
確かに村人達の「人魚族の仕業」と言う言葉を聞いてしまうと、身元を隠した方が安全だ。族長は以前から噂を聞いていたのだろう。
竜人の族長の家は大きく庭も広い、低い策で覆われ家は平屋だが母屋と別に離家が幾つか見える。俺達は母屋に案内されるらしい。
母屋は膝上位までの低い石垣に、その上は土壁造りの家だ。
中に入ると壁には木が嵌め込まれていて普通の木造と変わらない見た目をしている。
玄関で草履に履き替え廊下を歩くと、廊下の広さと天井の高さに驚く。
廊下を歩きながら俺は考える、この先にスチイのお父さんが居るのだろうか? それともお爺さんかお婆さんだろうか? 緊張のせいか若干汗ばんだ手で無意識にスチイの手を強く握ってしまう。
案内役の兵が一つの部屋の前で立ち止まり、ゆっくり扉を開ける。兵は部屋に入らず俺達だけで入る様にと言いながら手で促す。
緊張したまま俺はスチイの手を引きエルフの族長達に続き部屋へと入る。
部屋の中には……、誰も居なかった。緊張して損した感じだ、何となく体の力が抜けてしまう。
招き入れられた部屋は広く天井も高い、窓際には丸い小さなテーブルが有り、中央に大きな長方形のテーブル一つと椅子が十五脚以上有る。
エルフの族長が長手側の一番奥に座り、族長に手招きされて族長の隣にスチイをその隣に俺が座り、後は順次横並びに一列に座った。
俺達が座るのを見計らってか、紅茶とお茶菓子が用意される。
入って来た扉と別に、もう一つの扉が気に成るが、紅茶とお菓子を頂き寛いでその時を待つ。
次話、スチイのお父さんが出てくるかな、出て来るといいなぁ、期待して待ってます。
スチイちゃんの安全の為にもお願いします。




