エルフの狩り
俺とスチイは朝食を頂いた後、会う人毎にお礼の挨拶をして荷物を持って厩舎へ向かう。
厩舎には魔王以外にも馬が何頭か居て旅の準備をされている。
「「おはよう魔王」まおう」「ヒンッ」
魔王と軽く挨拶する、機嫌は悪くなさそうだが旅の仲間だ、スチイと二人で魔王に少しブラシを掛けてから鞍を装着した。
二人乗り用の鞍の前側はスチイが乗れる様に空けて、後ろ側には俺とスチイの荷物を乗せる。
各々旅の準備も終わり村の出入り口に集まった、俺とスチイに族長夫婦と弓と森林の話をしてくれた狩人と、スチイの事を良く見てくれるお姉さんと族長の付き人の女性の計七人に馬は魔王を含めて六頭、それからヤギが一頭。
エルフの服装は麻布のような生地の長袖長ズボンで、袖と裾を紐で窄めた形をしていて色は各々緑、黄色、橙、赤、茶、等森林の四季を思わせる色合いで白や青は無い様だ。
見送りに出て来た人達に手を振り出発した。馬には村長夫婦の二人が乗り、他の馬は荷物を大量に乗せている。他のエルフ三人は歩きで俺とスチイも荷物は魔王に乗せて歩きだが、一応スチイが疲れた場合を考え乗れる様にはしている。
「スチイ、体力を付ける為に歩いて行こうか?」
「はいパパ」
スチイは元気に返してくる。
エルフの森林は背の高い木が多く昼間は直射日光は無く柔らかな光に包まれ、魔力の影響だろうか蚊が殆ど居ない、程好く優しい風が抜る中で馬の歩調に合わせて早足で歩く。
だが慣れないと意外と難しい、エルフは道の無い所を平然と歩く、草が倒れ道の様に見える所は獣道で辿ると迷子になる様で注意が必要らしい。
スチイは木の根にバランスを崩し落ち葉に足を滑らせ、草に隠れた石に躓く。
俺は後ろで見ているが手は出してない、スチイの手には手綱が握られ隣は魔王が歩き、事有る毎に倒れそうに成るスチイを魔王が立ち止まり、首を上げる事で手綱ごとスチイの体を引き上げている。
「まおうぅありがとう」「ヒンッ」
スチイは魔王にお礼を言い、魔王も頷きながら一鳴きした後に俺に視線を向けてくる、ワザワザ顔を向けなくても視界の広い馬だ見えているだろうに……、何を言いたいのかは何となく分った俺はスチイに振ってみる。
「スチイ、後で魔王を洗ってあげようか?」
「そうだねパパ」「ヒヒンッ」
まったく面倒な馬だ、スチイのお守の交換条件を要求してくるとは。
スチイに森林を歩かせるのは体力面だけじゃない、歩き難い所を歩かせる事で足首の柔軟性やバランス感覚、とっさの時の反射の行動を鍛える為でも有る。
「スチイ、バランスが安定するように爪先を少し外向きに開いて歩こうか」
「うぅぅ? こんな感じかなパパ?」
「あぁそれで良いよスチイ」
俺は嘘とも本当とも分らない事を言って、スチイの歩き方を見ながら矯正する、可愛いお尻の未来を思い描き垂れ下がらず魅力的に成って欲しいと願う。
旅の隊列は細長く狩人が馬を引きながら少し離れた前を歩き、その後ろにお姉さんも馬を引く、その後ろに族長の旦那が馬に乗り続き後ろに族長も馬で、後ろには付き人が馬を引いている。
付き人の後ろにスチイと魔王が続き殿は俺だが何故かヤギを連れ歩くように頼まれた。ヤギは文字道理に道草を食べながらの旅だ、草を食べては小走りの繰り返しで逆に疲れるし、スチイの手を引く事も見守ることも出来ないので魔王に任せている状態だ。
殿の役には立て無いがエルフの森林なら盗賊も居ないし、獣相手でも森林の中でエルフが負けるとも思えない、どうにかなるだろう。
スチイに関しても魔王が守だろう信頼はしている、面倒な馬だが頭は良いし俺が駆け付けるまでは何とかする筈だ。
「スチイ何が有っても魔王から離れないようにな」
「はいパパ」
「馬の蹴りは強いから熊意外なら倒せるからな、魔王?」
「本当? まおう?」「ヒンッ」
何処まで理解してるか分らないがイノシシの様な速さにも反応出来るのだろうか? まあ昼間なら鹿位し出て来ないだろうし、大人数だから熊は近寄っては来ないと思う。何か有ったら大声を出して俺が注意を引けば良いだけだ。
スチイも頑張りお昼まで歩き続けて小川に着いた、ここで休憩すると言われ緊張が解ける、が魔王に呼ばれる。
「ブルルッ」
「なんだ? 休憩だ」「ブルッ」
「分った荷物だな? 今降ろしてやる」「ヒンッ」
確かに魔王の事を忘れて自分だけ気を緩めた俺が悪いが、馬に使われる気分だ。
荷物を降ろしたついでにハミと鞍も外して軽く体を叩くと魔王は何処かへ走って行ってしまう。
「遠くへは行くなよ」「ヒンッ」
走り去る魔王を見て狩人が慌てた様に話し掛けて来る。
「捕まえましょうか?」
「いえ、戻って来ますから大丈夫です」
「いや、そうですか?」
狩人は少し目を細めながら首を傾げたが、気を取り直したように違う話をして来た。
「狩をしますが御一緒しませんか?」
「嬉しいですね、邪魔に成らない様に離れて着いて行きますので宜しく頼みます」
俺はスチイとヤギをお姉さんに預けて狩に着いて行き見学することにした。
俺もダンジョンで狩をするし、狩人も本職だろう会話も無く静かに森林の中を進むが落ち葉を踏締める音だけで鳥が一瞬飛立ち数m先の草むらに隠れてしまう。
早過ぎて正確な場所は分らなかったが狩人は矢を番え弓を引く、何故か前足の爪先を空へ向けて違和感が有る。
狩人が矢を放った瞬間か直後かに、足元で『カサッ』と音がする、爪先を地に着けた様だ、俺は『あっ』と思うが口に手を当て声には出さない、でも音で鳥に気付かれただろう、矢は細い糸を引きながら木の間を抜けてゆく。
音に気付いた鳥が羽ばたき草の中から飛び上がった所に矢が突き刺さる。
「えっ? ええ?」
「ははは」
俺は変な声を漏らし手で目を擦りながら、狩人に続き獲物へと近付いく。
やはり見間違えでは無い、確かに矢が刺さっている、しかも致命傷だったらしく動く事も無く静かだ。
「流石ですね、俺も強い気で居ましたが、強さが何なのかが分からなくなりましたよ」
「強さと言うよりも経験ですね、生きる時間が違いますから」
狩人は『経験の差』だと言うが俺はそうは思えなかった、どれだけ経験を積んでも真似出来る気がしない。
エルフの狩が見られただけでも良い経験になったと思い、枯れ木や葉を拾いながら戻った。
小川の近くは開けていて日当たりが良い、木陰の近くで火を熾すと族長の付き人が蜂蜜入りの甘い飲み物を渡してくる、俺は『有難う』と受け取り一気に飲み干した、自分で思ってる以上に疲労していた様で甘く少し酸味の有る飲み物が体に染み渡り体が軽くなった様な気がする。
軽くなった体で再び枯れ木を拾い集めて戻ると魔王も戻って来た、口には太い枯れ木が数本咥えられ俺の足元へ落とすとスチイの元へ走って行った。
ただ遊びに行った訳では無いらしい、旅の間位は仲良くしてやるか。
スチイは馬とヤギに囲まれて干草を与えているが、スチイが馬の餌にしか見えない。俺も馬に生まれ変われたらスチイをハムハム出来るのだろうか? 羨ましい。
狩人は鳥を捌き、お姉さんはヤギの乳を搾り、付き人はパンや食器を準備している。俺は火の番をしながら枯れ木を集める。
俺が『ヤギの乳は初めてだ』と言うと『そのままでも飲めますが』と言いつつ布で濾し鍋で沸騰前まで加熱して川で鍋ごと少し冷やしてくれた、少し飲み易いのだろうか?
鳥も焼けて食事の準備が整い木陰に集まり昼食にした。パンに焼いた鶏肉とチーズに少し暖かいミルクだ。馬やヤギに比べたら贅沢な食事を美味しく頂いた。
食後に皆が休む中で俺はスチイに手を引かれ魔王も連れて小川の側にやって来た。
「パパ解いて」
「暑いのか?」
「うぅん濡れちゃうから」
スチイの服の袖と裾の紐を緩めたらスチイは自分で服を脱いで魔王の元へ走ってしまった、服をゆっくりと脱がせる楽しみを魔王に奪われた思いだ。
スチイは魔王と小川でバシャバシャと遊んだ後に魔王の馬体を洗い始めた。
スチイの今の服は下着の上に薄手の半袖半ズボンを着ている、がバシャバシャと遊んだせいで服は濡れている、俺は手伝う事も忘れ水で張り付き透けた服を身に纏うスチイに見惚れている。実に良い眺めだ。
「もぅパパも手伝ってぇ」
「あぁ今手伝うよ」
スチイに見惚れていたら怒られてしまったが十分に楽しめた、見ていて気付いたがスチイは気を抜くとまだ内股に戻ってしまう様だから午後も後ろから可愛いお尻を眺めよう。
俺はスチイと一緒に魔王の馬体を洗い始める、スチイは手を伸ばして魔王の背中まで洗うが首まではとどかずに俺を見る。
「スチイおいで、魔王に乗せるから」
「はいパパ」
俺はスチイの後ろから脇の下に手を差し入れ、持ち上げて魔王の背に乗せる。
俺は魔王の顔を優しく丁寧に洗う。
スチイは魔王の首を洗う。全身を使い手を伸ばしたり縮めたり、それはもう一生懸命に腰を振るように魔王の背に擦り付ける様に、変な想像をして涎が出そうだ。
洗い終わった様なので魔王の頭から少しづつ水を掛ける、魔王の首を伝い水がスチイの乾き始めた半ズボンに届きお股の内側だけが濡れ、その部分だけ下着が透けて見惚れるほど艶っぽい。そてを見て尚も水を掛けてゆくとスチイのお股から水が滴る。実に欲情的だ。
「……パパ……パパ、濡れちゃうよぅ」
「ごめんごめん、気付かなかった」
俺が「気付かなかった」と言ったらスチイは頬を膨らませている、もしかして見惚れていた事に気付かれていただろうか?
俺はスチイの機嫌を取る為に肩車をしようと思う、機嫌を取る為だ、俺がスチイの太腿の感触を楽しむ為じゃない。
俺はスチイを魔王から一度降ろして聞いてみる。
「スチイ肩車するから、魔王に水を掛けてくれるかい?」
「はいパパ」
スチイは膨れた頬を笑顔に変えて嬉しそうに返してくれる。
スチイを肩車して太腿の感触を楽しみながら魔王に水を掛け流した。
スチイは洗い終わった魔王を連れて日光浴をする、魔王も濡れた馬体を乾かしているのだろう一緒に寝てしまう。
心地よい風の中で俺は木陰からスチイを見守る。
ここまで読んで頂き有難う御座います。
そして、これからも宜しくお願いします。




