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第三十五話、ショートブーツ

旅に向けて少しだけ買い物をします。

 食事処の店主にお礼を言いお店を出て、商業ギルドへと向かう。


 商業ギルドで預金の一部を引き出し、今度は知り合いの商家へと向かう。

 少し前に鍛冶師のシイを紹介した商家だ、オーナーを呼んでもらい少し話す。

 シイと上手くやって行けそうだと言う事を聞き安心した。俺が旅に出る事と、俺の贔屓(ひいき)のスナックやキャバクラのママが来たら、融通(ゆうずう)して欲しい事を伝える。

 帰り際に紙束と鉛筆を数本買い、女の子用の靴を買える場所を教えてもらい向かった。


 旅に出るのに新しい靴で、靴擦れしないか気に成るが買うことにする。

 靴屋に入り挨拶して商家の紹介だと伝える。

「少し長旅に出るのだが、この子、スチイに足首まで守れる様な、防水で革のショートブーツを頼む、少し大きい物で中に綿か布を詰める様にしたい」

「こちらになります」

 靴屋の主人がブーツの置いてある奥の棚へ案内してくれる。


 布製の靴と違い色合い的に、あまり可愛い物が無い。

「パパこれが良い」

「スチイが気に入ったなら良いよ、ただ靴紐の色は変えようか?」

「はいパパ」

 スチイは茶色のショートブーツに橙色の靴紐を(だいだい、オレンジ)選んだ。

 中に詰める綿や布は靴屋に置いて無かったので、布団屋へと足を運び買った。


 ブーツの試し履きも兼ねて、もう一度ダンジョンの施設内へ入った。

 ベンチに座り俺とスチイでブーツを片方づつ持って、二人で紐を通していく。


 紐を通し終わったブーツを持ち、俺はスチイの前に、しゃがみ込み上目遣いに頼み込むように聞いてみた。

「スチイ……ブーツを自分で履く? それともパパに履かせて貰いたい?」

「スチイはパパに履かせて欲しいよ」


 選択肢が有る様で無い質問の仕方をしてしまっただろうか?

 スチイは良い子だ、新品のショートブーツだ初めは自分で履きたいだろうに、

 俺にその役目を譲ってくれた。


 せめてと思い、スチイをお嬢様扱いして機嫌を取ろうと思う。

 俺はスチイの前に跪き(ひざまず)胸に手を当て一礼をした。

「……パパ?」

 スチイが首を傾げながら聞いて来るが俺は何も答えずに次に移る。

「スチイお嬢様、御御足(おみあし)を失礼します」

「パパ?」

 また聞いて来たので俺は笑顔で返す。

 スチイの右足の靴を脱がせて、跪いた俺の脚に乗せて足の指を開かせる様に指先からマッサージする、足の裏と脹脛も(ふくらはぎ)もマッサージしてから足首を良く回す。スチイは「クスクス」と笑ってる。

 ブーツに布と綿を少し詰めてからスチイの足に履かせる。

「スチイお嬢様、反対の御御足(おみあし)も失礼します」

「お願いします」

 スチイも中々の役者だ、パパとは言わず御淑(おしと)やかに「お願い」と言って来た。

 左足も同じ様にマッサージしてからブーツを履かせる。


 脱いだ靴は俺が左手で小脇に抱え、右手をスチイに差し出した。

 俺の右手にスチイが左手を乗せて来た、ゆっくり立ち上がり手を引きスチイも立ち上がらせる。手を引きながら少し歩く。

「スチイお嬢様、履き心地は如何でしょうか?」

「とても良いです」

 スチイの言葉を聞いて俺は左手の靴を地面に置き、スチイのお尻の下辺りを(かか)えて()き上げた、驚いたのか怖かったのかスチイは俺に抱きついてくる、幸せだ。

 その場で四、五回廻ってから、ゆっくりとスチイを降ろす。


 短いとは言えブーツだから足首の動きに制限が出来る、ダンジョンには微妙だが試し履きも必要だ、スチイにはブーツで戦ってもらう。


 ロッカールームへ行き靴を仕舞い、装備を持ちエレベーターで二階層まで降りる。

 午前中と同じ様にスチイに腕貫を着せて、フライパンを持たせる。

「スチイ今度は二階層でスライムも少し強く動きも早くなるからね」

「はいパパ」


 俺が一歩前を歩き小石を投げて、スライムを驚かせて襲って来る所を倒す。

 スチイに一匹づつ任せるが、余裕そうに倒している。


「スチイ左手を出してくれるか」

「はいパパ」

「今度は右手だけで戦うんだよ」

「はい頑張る」

 あまりに余裕なので俺は右手でスチイの左手と手を繋ぎ、包丁は間違ってもスチイを傷付け無い様に、左手で逆手に持つ。

 包丁を持った左手だと、小石も一つづつしか投げられないがスライムは出てくる。

 今の所は多くても三匹だ、四匹以上ならスチイを抱えて逃げる事も考えていたが、俺もスチイも余裕で散歩気分だ、一度蹴りも使ったが。


 散歩気分のままに光の柱まで来てしまった。倒してしまおう。

「スチイ、二階層ボスのスライムは中途半端に攻撃すると、飛沫(しぶき)が出るから、思い切り一撃で倒すんだよ」

「はいパパ、頑張る」

 スチイは二階層のボスも一撃であっさりと倒してしまう。

 スチイと同い年くらいの子供だと、木刀でも倒し切れずに目が()みる飛沫を浴びて、逃げ帰る所なのだが、スチイはフライパンで倒してしまう。


「オレンジ色の魔石?」

「そうだねオレンジの魔石で、水の魔石と一緒に使うんだけど……さっき一匹だけ微炭酸のスライムを倒したから、それと一緒にジュースを作ってあげるよ」

「楽しみぃ」


 俺はコップを水の魔石を使って洗い、微炭酸とオレンジの魔石でジュースを作ってスチイに渡す。

「微炭酸のオレンジジュースだよ、最後に一口だけでもパパに貰えると嬉しいな」

「ありがとうパパ…………おいしい!」

 一口でも良かったが、スチイは俺の為に半分も残して渡してくれた。美味しい、スチイの飲みかけのジュースだ、スチイの口を付けた同じ部分に口を付け飲むジュースは最高に美味しい。


 俺はダンジョン内だと言うのに、スチイと手を繋ぎ散歩気分で安全地帯まで帰る。

 エレベーターに乗り三階層に降りる。

「スチイ三階層だ、行こう」

「はいパパ」

 二階層と同じくスチイと手を繋ぎ、散歩気分で狩をして行く。

 三階層では時折、一階層のボスと同じスライムも現れるが、スチイが右手一本で倒してしまう。もう笑うしかない、少女とは思えない強さだ。

 打ち返すように叩くなら相手の勢いも使えるのだが、スチイは全て打ち降りしている、ほぼ自力だろう。


 三階層のボス部屋の前まで歩いて来た、倒してしまおう。

「スチイ三階層のボスは黒くて少し小さめで早いんだ」

「そうなのパパ?」

「その、スチイが苦手ならパパが倒しても良いんだが」

「スチイ頑張るよパパ」

「そうか、駄目なら途中でも代わるからな」

「はいパパ」

 三階層のボスは小さく早いから厄介だ、羽を隠し持っていて顔に飛んで来ると言う噂まで有る、単なる噂だと思うが。


 スチイはボス部屋へ入るとボスに近付いて行く、黒いスライムは跳ねながらスチイに飛び掛る、動きが早いせいかスチイは避けるだけだ、スライムの攻撃が当たった訳ではないので俺は黙って見守る。

 黒く小さめのスライムは早い動きで何度もスチイに飛び掛る、スチイは目で追いながら全て避けている、あぁこれは遊んでると言うか練習台にしている?

 ボス部屋なら邪魔が入らない、スチイは説明しなくても理解している様だ。


 何度も避けていたスチイが今度は、飛び掛ってきたスライムの方向を変える様に、フライパンで、いなし始めた。

 スチイは自分なりに満足したのか納得したのか分らないが、最後はフライパンで叩き落してボスを倒した。

 ボスは光の残照となりドロップ品の黒い魔石を残し消える。

「スチイかっこ良かったよ」

「ありがとうパパ」

 俺はスチイを抱き寄せて、頭を撫でた。


 三階層のボスはスチイの良い練習台に成る様なので、何度かスチイに倒させる。

「そろそろ戻ろうか」

「はいパパ」

 スチイと手を繋ぎ、スライムを倒しながら安全地帯へと帰る。

 スチイをベンチに座らせブーツを脱がし腕貫も外す。

「スチイ疲れただろう?、少し横向きに座ってくれるか」

「そんなに疲れてないよ」

 スチイは横向きに座り直し「そんなに」と言う、少し疲れたのだろう。

 スチイの手足をマッサージしてゆく、特に足の裏と脹脛は(ふくらはぎ)念入りにマッサージした。スチイの体は、とても触り心地が良い。


 マッサージも終わりブーツを履かせ、スチイを連れてロッカー室へと入る。

 時計を見ると午後四時を回っていた、スナックのママに用が有るが家に帰っていては時間が遅くなりそうだ、ダンジョン施設のシャワーを使うか。


「スチイ、シャワーを使ったことは無いよな?」

「はいパパ」

「シャワーの使い方を教えたいから、パパと一緒にシャワー浴びようか?」

「はいパパ」

 使い方どころか、どんな物かも裸に成る事さえ分って無いかも知れない。


 流石にシャワー室に女の子を連れて行くのは人目を憚れ(はばか)る、スチイの服の上から着ているキャミソールと風呂敷は外してロッカーに入れる。

 帽子も被っているし、これで男の子にも見える。


「スチイ受付を通るけど、声を出さないでパパが強く手を握った時だけ頷きだけするんだよ」

「はいパパ」

「よし少し練習しよう」

 スチイと手を繋ぎ、声を出さずに頷く練習を何度かしてから、受け付けに向かう。


「シャワー室を一部屋とタオルとバスタオルを二セット頼む、石鹸は要らない」

「はい畏ま(かしこ)りました、そちらはお子さんですか?」

「ああそうだ」

 俺は「そうだ」と答えつつスチイの手を強く握る、スチイが頷き返した事で受け付けは納得してくれる。


 シャワー室やタオルは現金でも借りられるが、ロッカーに魔石が大量に有る俺は魔石で払う。

 シャワー室は脱衣所も含め個室で鍵が掛けられる。

 スチイと二人だけで鍵の掛かる個室だ、しかもシャワー完備の部屋。


「スチイ、シャワーはお風呂と同じで服を脱がなくちゃ入れないんだが、一緒に入るか?」

「はい、パパと一緒に入る」

「そうか、パパが先に入るからスチイは十分位したら、服を脱いで入っておいで」

「はいパパ」

 俺は服を脱ぎタオルだけをもって先にシャワーを浴びる。

 石鹸は無いが体を洗っていると、スチイが入って来た、まだ五分も経ってない筈だ、慌てて流し、お湯もスチイ用にぬるく調整する。

「凄いパパ、お湯が大雨の様にいっぱい出てくるね」

「そうだね、これがシャワーだよ」

 俺はスチイに温度や水量の調整などシャワーの使い方を教えた。

「シャワーの使い方が分ったら、スチイの体を洗おうか」

「はいパパ」

 スチイは「はい」と言ってから立ったまま待っている、洗って欲しいと言う事だろうか?俺の言い方が悪かったのだろうか?


 俺は左手にシャワーを持ちお湯を掛けながら、右手でタオルは持たずに素手でスチイの体を撫でる様に汗を流してゆく。スチイの体はスベスベで気持ち良い。


 スチイは(わき)の下や太腿(ふともも)の内側の深い部分が擽っ(くすぐ)たい様で、触ると笑いながら体を(よじ)る。

「少し擽ったいか?」

「少しだけ擽ったい」

「すぐに終るから少しだけ我慢だよ」

「はいパパ」

 スチイの擽ったがる顔も見ていたいが、あまり擽ったい事をすると嫌われてしまう、他の部分と同じ様に、あっさり流し深追いはしない。


 意外にも胸は撫でる様に洗っても何も反応は無かった、むしろお尻の方が一瞬跳ねる様に反応した。可愛い。


 一通り手で洗い流した後に、今度はシャワーでお湯を掛けながらタオルで軽く(ぬぐ)う様に洗ってゆく。最後に頭も軽く手で洗ってから全身くまなくお湯を掛け流す。


 また夜に風呂に入るから、石鹸とタオルで日に何度も強く(こす)っては肌が傷んでしまう、シャワーでは優しく洗い流す程度にした。


「終わったよスチイ、良く擽ったいのを我慢したね」

「パパありがとう」

 スチイが見上げながら「有難う」と言うから頭を撫でて答えた。


 スチイを素手で洗って思ったが、僅かに張りが出た気がする、が一日で変わる筈も無い気のせいか。

 今朝、日光浴をしたが日焼けもして無い、赤くなったり等の異常は無いが、夜にでも再度の確認は必要だ。


 俺はタオルを何度も絞り、スチイの体を拭き上げて先に脱衣所に送り出す。

 俺も急ぎ簡単に体を洗い、タオルで拭いてから脱衣所へ向かう。


 俺が脱衣所に行くとバスタオルを巻いたスチイが立っている。

 俺が出るのが早かったせいか、まだ乾いてないのだろう。

 脱衣所は二人で同時に着替えるには少し狭い感じだ。


 俺は普段使わない設備を思い出した、ダンジョン施設内だけに有るドライヤーだ、温かい風が出て、温度調節も風量も自由自在の優れ物だ。

 生暖かい優しいそよ風にしてスチイに当ててみる。

「何これ凄いよパパ」

「ドライヤーって言って此処にしかない物だよ」

 俺はドライヤーの使い方もスチイに教えた。

 本来は髪を乾かす物だろうが、スチイの髪も体にも風を当ててゆく。

 スチイは目を(つむ)り気持ち良さそうにしている。

 ぬるい湯のシャワーを浴びただけで汗の引きは早い、スチイの体を乾かし声を掛ける。

「スチイ着替えようか」

「はいパパ」


 俺もパンツとシャツを着る、がスチイは「はい」と言った後、立ったまま俺をずっと見ている。

「どうしたスチイ」

「うううん何でもないよパパ」

 スチイは「何でもない」と言いながら俯い(うつむ)てしまった、何でも無い筈が無いような?


「そうだスチイ、パパが着せてあげようか?」

「本当?パパ、ありがとう」

 スチイは先程より少し高い声で、俯いていた顔を上げて俺を見ながら「有難う」と先にお礼を言ってきた。御礼を言われては着せてあげなければ。

 俺はスチイの前にしゃがみ下着を(かご)から出して、スチイの足元に少し広げて出す。

 スチイは一糸(まと)わぬ姿で無防備に立っている、俺の目の前に。

「スチイ片足づつ上げてくれるか」

「はいパパ」

 スチイは俺の両肩にそれぞれ両手で(つか)み、バランスを取りながら片脚づつ下着に足を入れて俺を見つめてくる、可愛い、桃色の下着を身に着けたスチイは更に可愛い。抱き締めてしまった。五分位は抱きしめただろうか?いや一分位か?


「パパ……苦しいよぉ」

「ごめんごめん、スチイが、あまりにも可愛かったから、つい」

「いいよパパ、スチイも嬉しいから」

「ありがとうスチイ、大好きだよ」


 スチイの行動で、待てずにスグに入って来たり、着替えずに待っているのは甘えなのだろうか?もしかしたら孤児院に居た時の反動なのだろうか? 甘え過ぎるのも良く無いが、俺以外には大人な対応が出来ている、問題は無いだろう、むしろ俺になら、いっぱい甘えて欲しいと思う、スチイに甘えられるのは嬉しいし、俺も幸せだ。


 スチイは上半身の下着は着けていない、朝からだった事を思い出し、服を着せてゆく。

 俺も自分の服を着てもう一度ロッカーに向かい、スチイに万歳させてキャミソールを上から着せ、風呂敷も抱き付きながらスカートの様に纏わせる。


 必要な魔石とスチイの靴を持ち、ダンジョンの受付に向かう。


主人公がスケベ過ぎて話は進まない、主人公の交代をしたい位です。

次期主人公候補はスナックのママが有力か?

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