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肩車、四章十話

スチイと一緒にダンジョンです。

 俺はスチイを連れてダンジョンへ入るか迷った。


 明日から旅に出る予定だから、今週は特例を使い週四回以上と言う規定を外せるだろうがどうしたものか。

 ダンジョンの敷地内に有る、施設のロッカールームに保管して有る治療用の魔石を旅に多目に持って出たい。

 スチイの運動能力も確認もした方が良いか、旅の途中で猪や狼等の獣に襲われる可能性も有る、スチイの事を知る事は旅の安全に(つな)がる。

 急に予定が変わり、旅に出ない場合に規定クリアが厳しく成らない様にする為にもダンジョンに入るべきか。


 まだスチイの装備は買っていないが、深い階層に行くわけでは無い大丈夫だろう。

 色々と考えたが、俺はスチイを連れてダンジョンへ入る事にした。

「スチイ少しダンジョンに入ってみようか?」

「はいパパ」


 スチイは未成年だからギルドで冒険者の登録するが、仮登録の様な物で大人の様な週四回以上の規定は無い。

 スチイは読み書きは出来る様だ、自分で登録用紙に記入している、孤児院で教わったのだろう。

 孤児院や過去の話は聞いていないが、少し教育も必要だろうか?


 スチイに入場検査やギルドカードの事を教えてロッカールームへと入る。

 スチイは服装から女の子だと分る、ロッカールームは男女別れているが、子供だし平気だろう連れて入る。


 革の腕貫(うでぬき)とフライパンと(さや)に納まった包丁を持って、エレベーターに乗り地下一階の安全地帯へと降りた。

「スチイ少しベンチに座ろうか」

「はいパパ」

 スチイが座った隣にフライパンを置き包丁は俺の背中に装備する。スチイは包丁とフライパンを珍しい物を見るような目で見ているが、特に何も聞いて来ない。


「スチイが怪我しない様に今から腕貫を装備させるから、力を抜いて楽にしてくれるか」

「はいパパ」

 スチイに許可を貰い腕貫を着せる為に、右手の指を軽く(さす)り、手、腕、と腕貫を通しながら優しく触り、(ひじ)と二の腕を持ち上げ(のぞ)き込む様に腕貫の装備状態を確認した。

 スチイの左手にも同じように腕貫を着せて確認した後、スチイの左手を両手で包み込み撫でていたら、あまりの可愛さに思わずスチイの左手の甲にキスしてしまった。

「……パパ?」

「あぁ……っとスチイが怪我しない様に、()()()()()をしたんだよ」

「……ありがとうパパ」

 スチイは首を(かし)げながらも「有難う」と言ってくれる。


 足にも装備させる為に、靴を優しく脱がし踵を(かかと)手で支え、足に触れる程に顔を近付けて、脹脛を(ふくらはぎ)優しく(さす)る様に着せた。

 スチイの足先から覗く様に見ると、風呂敷とは思えない程にスカートらしい。

 靴を履かせる時は踵が()れない様に、気を使い優しく履かせる。


 スチイに腕貫を着せた後は自分の装備確認だ。

 フライパンを手で叩き音でヒビが無い事を確認して、包丁は片手でロックを外し鞘から抜ける事と、刃こぼれが無い事を確認する。


 俺はフライパンを渡しながらスチイに聞いてみる。

「スチイ、肩車は平気か?」

「……パパがしてくれるの?」

「あぁスチイが良いなら」

「パパお願い」

 スチイは嬉しそうに俺に飛び付いて来た。一度抱き締めてから俺の前に後ろ向きで立たせる。


「スチイ肩車するから、少し足を開いてくれるか」

「はいパパ」

 スチイは足を開いて少し前屈(まえかが)みになり、可愛いお尻が突き出される、風呂敷のスカートは短くスチイが前屈みになると中が見えてしまいそうだ。

 スチイの体勢を見ていて、後ろから覆い被さる様に抱き締めたく成る。が気持ちを抑えスチイのお尻を見ながら、股の間に頭を入れ両手で足を押さえて肩車をする。


「高い、遠くまで見えるよパパ」

「スチイ楽しいかい?」

「はい」

「スチイが喜んでくれて()()も嬉しいよ」

 自分で「パパ」と言うのは恥ずかしいが、肩車をしていると不思議と本当の親子に成った気分で嬉しい。


 俺の首はスチイの股の間で、柔らかく温かい太腿(ふともも)に挟み込まれ、頭の後ろにはスチイのお腹が当たっているのを感じる。頭の上にはスチイの手も添えられ幸せ一杯だ。

 残念なのはスチイが長ズボンを履いている事だ、今度はミニスカートを履いて貰い肩車をしようと思う。


「スチイ出入り口では頭を気をつけるんだよ」

「はいパパ」

 一声掛けた後、俺は中腰に成り小石を数個拾いながら、扉を(くぐ)り外に出る。


「スチイ此処がダンジョンだよ」

「パパ、広いね」

 スチイは俺の上で彼方此方(あちこち)遠くまで見渡している様だ。


「これからスライムが出てくるけど、スチイの高さまでは届かないから、暴れたり飛び降りないようにしなさい」

「はいパパ気をつけるね」

「スチイの事はパパが守るから安心して見ていなさい」

「はいパパ」


 一階層は草原に林がポツポツある感じで気持ち良い、スチイと遊びたいと思いながらも、林に近付き小石を投げてスライムを驚か(おどろ)せる。

 林から出て俺に向かって来たスライムは三匹、二匹は一振りで仕留めたが一匹はタイミングが合わず避ける事しか出来なかった。

 振り返るとスライムは、避けられて勢い良く地面に着地したかと思うと勢いを力に変えて反発するように、跳ね返るように俺に向かって飛んで来た。

 一階層のスライムにしては良い動きをしている、が俺の敵ではない包丁で真っ二つにする。魔力の残照と成りスライムは消えてドロップ品が残る。


「パパ、かっこいぃぃ」

「有難う、もう一度倒すから」


 スチイの声援を受けて気分を良くして、ドロップ品と小石を拾いもう一度同じようにスライムを倒した。

「スチイあれが魔物だ、降ろすから気を付けるんだよ」

「はいパパ」


 スチイを降ろしスライムを一匹残し倒す、残したスライムを手で捕まえスチイに見せようとするも、スライムは形を変えて俺の手からスルリと逃げてしまう。

 俺は八つ当たり気味に、そのスライムを追い包丁で真っ二つにした。


「悪いスチイに良い所を、いやスライムを良く見せたかったのだが逃げられた」

「大丈夫だよ、パパはカッコイイから」

 見栄を張って良い所を見せようとした事がバレて、しかもスチイに慰め(なぐさ)られてしまった、かっこ悪い。


「次はスチイにも倒してもらう、一匹連れてくるから、フライパンで思い切り叩くんだよ」

「はいパパ頑張る」


 俺はスライムを一匹だけスチイの前まで誘導する。

「エイッ『バシッ』」


 スチイは正面から飛び跳ねて来たスライムを、その射線上から少し避けながら、フライパンを上から下に打ち下ろしスライムを叩き落し倒した。

「やったよパパ」

「凄いぞスチイ」


 俺はスチイの(わき)の下に手を入れて持ち上げ、その場で回転してスチイを振り回した。

「きゃははは」

 スチイは何が楽しいのか分らないが、笑って喜んでいる。

 十周位回っただろうか、徐々に速度を落とし、ゆっくりとスチイを降ろす。

 もう一度、同じ様に一匹のスライムをスチイに倒させた。


「スチイ次は二匹連れて来るから頑張るんだよ」

「はいパパ」

 今度は二匹連れて来たがスチイは避けながら、一匹を確実に叩き、残ったスライムが反転し攻撃をしてきた所を、フライパンで叩き倒した。

「スチイは凄いな、冒険者に成る素質が高いぞ」

「ありがとうパパ」


 スチイは全て上から下に叩き落していた。打ち返すように叩くならタイミングが若干ズレても当たるが、横や正面から来る魔物を叩き落す場合は、タイミングが少しでもズレれば当たらない。動体視力や反射神経が良く予測も出来ているのだろう。

 しかも避けながらとは思えない力強さで打ち下ろしていた、バランス感覚も良く体重の移動も上手い。


 スチイと一緒に採取したばかりの水の魔石で(のど)潤す(うるお)

「スチイ自分で魔物を倒し採取した水は美味しいかい?」

「美味しいよパパ」

 俺が優しくスチイの頭を撫でると、スチイは微笑みで答えてくれた。心を射抜かれそうだ。


 スチイに包丁も使わせて見ようとも思ったが、万が一も有りえる次の機会にする。

 スライムを倒しながら、光の柱の立つ場所までやってきた。


「スチイ此処にはボスが居るんだ、シュワシュワ言うスライムで少し強いけど、スチイが倒してみるかい?」

「はい、スチイ頑張る」

「よし入ろう」

「はいパパ」

 スチイはボスも、あっさりと倒してしまった、予想以上に才能が有りそうだ。


「これは?」

「炭酸の魔石だな、これだけだと美味しくないから、とって置こう」

 スチイが魔石を拾ってくれた。俺は受け取り腰の革袋に入れる。


 ボスを倒したので一度安全地帯へと戻り時計を見ると、午後一時を指している。

「スチイ少し遅くなったが昼食を食べに行こう」

「はいパパ」


 スチイをベンチに座らせ腕貫を一つづつ丁寧に脱がせた。


「スチイ右手を出してごらん」

「……はいパパ」


 俺はスチイの手を取り掌を(てのひら)を重点に、肘までを少し強めにマッサージした。

「痛いかスチイ?」

「うううん気持ちいよ」

 同じ様に左手もマッサージした後に、俺がスチイの前にしゃがみ込み、足も片方づつ出させて足の裏を重点に(ひざ)までを強めにマッサージした。


「よし終わりだ食事に行こう」

「ありがとうパパ、気持ち良かったよ」

 スチイが喜んでくれて何よりだ、俺もスチイの手足を十分に堪能(たんのう)した。ウィンウィンの関係ではないだろうか。


 ダンジョンを出て何時もの食事処へ入り挨拶する。

 席に座ると店主が飲み物を持って来たので「おまかせで」と言うと頷き答えてくれた。喉を潤している内に料理が運ばれてきた。


「「いただきます」」

 スチイは海藻類が好きな様で、俺の分も差し出してみると喜んで食べた。

 海老や魚が食べられないとは言え、海藻類を食べ過ぎのような気がしてきた。

 精算する時に店主に聞いてみたが、お酢やレモン等で塩分を抑えれば大丈夫だろうと。「好物が毒に成る」とは油肉や油物、塩分の取り過ぎが主だと言う。

 確かに今日出された海藻類は、お酢とレモンに砂糖で調整された味付けだった。

「ありがとう参考になった」

「譲ちゃんの為だからな勘違いするなよ」

「「ごちそうさま」」


 店主にお礼を言い店を出て、商業ギルドへと向かう。


ダンジョンをもう少し詳しく語りたいのですが主人公次第です。

通貨や物価は詳しくは出ないと思います、ざっくりドンブリ勘定です。

人物名もエキストラは名前不明です、主人公が人の名前を覚えられない人間です。

細かい設定好きの方は物足りなさが、縦読みの方には空段で読み難いかと思います。

心苦しい限りです。

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