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ミミィお嬢様

断った依頼人が気になり?ダンジョンデート可愛いは誘惑です。

目の保養をした後はお仕事です。

「おはよう、ミミィちゃん」

「おはよう、ノーバン」

 午後、待ち合わせ場所に行くと、すでにミミィちゃんは待っていた。


「ミミィちゃん、眠くない?」

「うん、大丈夫だよ」

 ミミィちゃんは普段、夜のお仕事だ普通に考えてはいけない。


「その場で少し回ってみて」

「こぅ?」

 動きやすい服装かのチェックする、ダンジョンでは命に関わる大切な事だ。


「うん、良いね。動きやすそうだし、とても可愛いよ」

「ぁ、ぁりがとぅ」

 あれ? 俯い(うつむ)て小さな声で返されたけど、あまり嬉しくなかったのかな?

 少しは褒めたつもりなんだけど、褒め方が足りなかったか?


「あ~うん、そのリボンも良く似合ってて、とても可愛いよ」

「もぅ馬鹿ぁ『バチッ!』」

 ()め方が足りなかったと思って慌てて、もう少し褒めたら叩かれた、難しい。


 お店で話した耳にリボン、冗談だと言ったのに着けて来てくれていた。

 冗談と言って誤魔化したけど俺の好みで、とても嬉しい。


 ミミィちゃんは小柄で、茶髪のベリーショート、可愛い猫耳がピンと立っていて前髪は目にかかる位で、胸は中々立派だ。

 そんな子が目の前に立っていると、美少年がメロンを二つ胸に抱えている様でとても美味しそうだ。抱きしめたくなってしまう。


 髪は短いが、前髪と顔立ちとメロンで、とても女性的でも有る。どちらにしても抱きしめたくなる可愛さだ。


「それじゃ行こうか?」

「うん」


「ミミィちゃん昼食は食べてきた?」

「うん、食べてきたよ」

 食べて来たとは思ったが一応確認はする。


「今日はミミィちゃんが依頼人で俺が請負人(うけおいにん)だから、宜しくね」

「う、うん?」

 分っている積りで言ってなかったが、依頼人と請負人の関係である事を、一応伝えておくべきだと思った……報酬を要求する為に。


「土曜日に来た依頼人の様子を見て欲しいって依頼だな」

「私の依頼になるんだぁ~?」

 そう、これは正式な依頼であって、当然に報酬が必要となる。ミミィちゃんは理解しているだろうか?


「そう、ミミィちゃんの依頼に対して俺への報酬は、今からダンジョンの中を半日デートで如何かな?」

「え! ダンジョンの中でデート? 意外と安全な所なの?」

 お! 却下されなかった。可愛い子とデートなら安全かどうかは二の次だ。

 ダンジョンでも魔物でも何でもこいだ。


「ミミィちゃんの事は、俺が(まも)るから安全だよ」

「ありがとう、お願いね」

 こちらこそ有難うだよ、顔がニヤケてしまう。怖がって抱き付いても良いんだよ。


「それから、報酬以外にも俺が依頼を受ける上で、二つ必要なものがあるんだ」

「なになに?」

「覚悟と頑張りだね」

「覚悟と頑張り?」

 依頼を受ける上で、覚悟、頑張り、報酬は絶対に確認している。

 依頼である以上、何かの助けや協力だろう、だが本人に覚悟や頑張る気が無ければ助けられないし、協力しても無駄になる、俺は只働きなんてしたくない。


「覚悟は、ダンジョンへ一緒に入ってもらう事で見せてもらうね」

「うん、分った、でも(まも)ってね」

「ああ、そこは安心してくれ、ミミィちゃんだけは何が有っても絶対に護る」

「恥かしい事を街中で言わないのっ!『バチッ』」

 おかしい、当然の事を言っただけなのに、請負人が依頼人を護る事は必須だ。

 依頼が達成できても、依頼人が大怪我したり死亡したら何の意味も無い。

 むしろ護れない方が恥ずかしい。良く分らないが謝っておくが正解と見た。


「ごめんごめん、それで頑張りはダンジョンで、歩いてもらう事で見せて(もら)うね」

「うん? どれ位歩くんだろう?」

「二人を見つけるまでかな?」

「うん、それなら頑張る」

 良かった、流石にダンジョンの中をお姫様抱っこは厳しい。

 背中に背負うもミミィちゃんの胸に抱えられたメロンは凶器だ、メロン好きの俺では理性が持たない。


 話をしている内に冒険者ギルドへ着いた。

「まずはギルドに登録しようか」

「うん」

 名前や住所等、必要事項を書きギルドカードを作ってもらう。

 カードには通し番号が有り、番号と名前等がギルドでも管理される。

 カードには指に針を刺し、血を一滴()らす事で登録される。


「検査を受けて中に入ろう」

「うん、どんな検査?」

「ここでは簡単な申告と持ち物検査だから、聞かれた事に答えれば良いよ」

「うん、分った」

 ギルドからダンジョンへ向かう通路兼、広間へ入る時には魔石や武器の簡単な確認、検査がある。俺達は広間へと足を踏み入れる。


「次はダンジョンへの入場口だ。もう一度検査がある」

「もう一回?」

「うん、でも魔石も武器も持ってないから簡単だよ」

「分った。一緒に行けば平気だよね?」

「うん、一緒に行こう」

 入場口で申告して武器のチェックと魔石検査ゲートを潜りダンジョンへと入って行く。ダンジョン地上一階部分だ。


「ダンジョンへようこそ、ミミィちゃん」

「ここが?」

「正確にはダンジョン地上一階部分で、魔物の居ない施設階層だよ。ここで地下へ行く為の準備をするんだ。貸しロッカーや更衣室とかが有るんだよ」

「そっか~便利なんだね」

 町の中では武器の携帯は厳しく規制されている、その為ここで装備を整える。

 ダンジョンは地下と地上も数階有り、地上一階でも屋内の屋根がある。

 地上階も地下階も室内になるが、外と変わらない明るさは有る。

 但し、階層毎に明るさや、暗くなる時間など違いは有る。


 ダンジョンは神が作った物で、色々と便利な施設が充実していて、多様な書物も有り、色々な知識を得る事も出来る。

 ダンジョン以外にも文字や言葉に技術、重さや長さの単位なども神から与えられたと言われている。神の世界や神の知る世界の知識だとかと言う話だ。


 俺は自分の貸しロッカーから今日の武器、刀のレプリカ、弓と矢、フライパン、ステン包丁を装備し、革の腕貫(うでぬき)を四つ持って出た。


「ミミィちゃん、そこのベンチに座ってくれるかな」

「うん」

「腕に、この腕貫を()けてね」

「うん」

 ベンチに座ってもらい腕貫を渡し、着けてもらう。

 問題は後二つの腕貫だ。自分で着けてもらうか? 否! 俺が()せて差し上げるべきだろう。ドキドキ! 上手く行けば眼福。失敗しても何らかのご褒美が(もら)える筈。

 俺は意を決してミミィちゃんの前に跪き(ひざまず)声を掛ける。(いぶか)しげな顔をされてる。


「片足づつ靴を脱いで足を出してくれる」

「うん良いけど?」

 思いっきり首を傾げてるよ。とても可愛い!


「足も怪我しないように、腕貫を()せさせて頂きます」

「お嬢様に成った気分で良いけど、ノーバン何だか変だよ」

 何か変だっただろうか? そのまま、お嬢様気分で喜んで頂けると良いな。


「全然、変じゃないよ。ほら、足出して下さいね」

「うぅぅん、良いけど変だょ」

「お嬢様、御み足(おみあし)を失礼いたします」

 変だと言いつつも足を出してくれた。「自分で着る」とか言い出さなくて良かった。


 ミミィちゃんの細く柔らかな足を自分の膝に乗せ、腰を屈み、両手で丁寧にゆっくりと腕貫を()せて行く。目線は太もも、スカートの辺りに釘付けだ。跪き(ひざまづ)屈んでいる為、目線はローアングル。合法で最高に眼福だ。


 ズボンを履いてるけど関係ない。重要なのはミニスカートだ!


「お嬢様、反対の御み足もお願いします」

「はい、有難う(ぞん)じます」

「本当にお嬢様のようだね」

「そぅかなぁ。うれしぃ」

 お嬢様呼びが良かったのか機嫌よくお嬢様言葉で返してくれる。

 今しばらく、俺の下心に気付かずに居てくれたら幸せだ。


 靴を履き替え足を入れ替え反対の足を出してくれる。

 先程の様に目線をスカートへ向けると、両手を優しそうに添えてスカートを太ももの溝に合わせ、押さえられてしまった。

 だが、その仕草もまた幸福だ。女性らしい仕草で、俺の目を楽しませてくれる。

 但し、今はミミィちゃんと目は合わせられない。何か気付かれてる気がする。

 気付かれてる事を気付かない振りをする、俺。


「お疲れ様です。お嬢様」

「有難う存じます」

 着付(きつ)け終わり一声掛けてから、ミミィちゃんの隣に腰を下ろす。


「とても、お似合いですよ」

「どの辺りがでしょう?」

 あれ、調子に乗りすぎたか? 変な返しが来た。


「どの辺りとは?」

「ノーバン、顔と目がいやらしかったよ」

「え! そ、そう?」

「うん、スカートの中、覗こうとしてたでしょぅ?」

 気付かれてるとは思っていた。誤魔化し様がない。


「ごめん。ミミィちゃんがあまりにも可愛かったから、つい」

「もぅ、誤魔化そうとしてそんなこと言う」

 痛い、今日も(つね)られてしまった失敗失敗!


「何時から気付いてたの?」

「うぅぅん、結構、最初の方からかなぁ」

「ありがとう、気付かない振りしてくれて、俺は幸せ者です」


「うん、お嬢様扱いしてくれたからね。少しだけサービスしちゃった」

「ありがとうミミィちゃん」

「ミミィも、お嬢様扱い嬉しかったよ。ありがとうノーバン」

 何となく丸く収まって良かった。でも、気持ちを切り替えなきゃ。


「さっきから気になってたんだけど、何か料理するの?」

「うぅぅん魔物?」

 俺の持ってる調理器具を見て言ってるんだろう。包丁は一応、鞘に入れてる。


「質問を質問で返してる?」

「いやぁ意味は違うけど言葉的には、魔物の料理だよ。隠語かもだけど」

「うん? 包丁とフライパンで?」

「そう四階層までなら普通の武器より、この方が良いんだよ」

 やっぱり、そうなるよな。本当の意味での料理は得意ではない。


「ふうううん?」

「あ! 疑ってる?」

「べつにぃ、信じてるよ」

 信じてると言いながらジト目で此方を見てる。


「なんと! この包丁は手入れ要らずで錆びない、ステンレスの万能包丁だよ」

「うん? ごく一般的で使い易い包丁って事?」

「う、うん……そしてフライパン! 此方も錆びずに汚れも付かない一品だよ」

「包丁よりは良いけど普通のフライパンだよね?」

 手入れ要らずで錆びないは半分本当だ。水で軽く洗い流し軽く拭いて乾かせば良いだけだ。

 包丁は刃が薄い分、切れ味も良い。フライパンは守ってよし叩いて良しだ。

 純度の高い鉄やステンレスはドワーフの国から輸入されてくる。どちらも人間の国では加工は出来ても製造する事が出来ないと聞いている。

 そこにはドワーフならではの技術が有るのだろう。


「ミミィちゃんはフライパンを持ってね。両手でね。魔物が来たらそれで防御するか叩いてね」

「う、うん、怖くないの?」

「俺が護るけど自衛の心構えも必要だからね」

「うん分った」

 せっかくダンジョンに来たんだ一匹くらいは倒してもらう予定だ。

 準備は整った。ミミィちゃんのサービスも受けた。さて出発だ!


「ミミィちゃん行こうか!」

「うん!」

ダンジョンで探し者、見つけることが出来るのか?見つける気が有るのか?

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