第百三十五話、腫瘍
アールヴの腕の柔肌を触り楽しんだ俺は、何時までも触っているわけにもいかない、と思い名残惜しいが、その腕を解放した。
遅い時間に成ってしまったが、何時ものアールヴなら働いてる時間だ、そして中途半端な今の状態で帰してしまったら、「本当に治療できるの?」とアールヴも不安だろう、そして当のアールヴも時間の事は言って来ない、あまり遅く成るようなら泊まってくれても俺は全然構わない、但し布団は一組しかないから一緒に寝る事に成るわけだが……悪くない、是非そうしてほしい。
ならば、アールヴが「帰る」と言い出した時に何と答えたら良いか事を考えておかなければ。
大凡の病状を把握した俺は、アールヴに一声掛けてから立ち上がる。
「治療の準備をするから少し待っててくれ、あっと、服は着ていても良い、また脱いでもらうが」
「……」
これで治療の時に再びアールヴの脱衣姿を見られるだろう、今から楽しみだ。
立ち上がった俺は台所へと行き、自分の血を採り右手の甲に魔方陣を書く、そして掌にも透かした様に反転で魔方陣を描いた。
今日使う魔石は、命と水と音、三種類の魔石で魔方陣はそれに合わせ命の属性を真ん中にして、猫の目の様に見える図形だ。
その魔方陣に合わせて手の甲に魔石を置いて、手拭で固定する様に巻き付けて縛る。
試しに血を採る為に傷付けた自分の腕を治してみる……少々痛痒いが正常に治療出来た、完璧だ。
準備を終えて居間に戻るとアールヴは肌着のままだった、まぁそれはそれで良いのだが……もう一度脱衣姿を見たかった。
「アールヴ、今から治療を行うが二人だけの秘密にしてほしい」
「ぇぇ、分ったのよね」
治療を行うと言いつつ俺は患部を切除するような刃物を持ったず、手には手拭を巻いている、その手をを見てアールヴは少し首を傾げながらも了承してくれた。
もし治療後に聞いたなら違った返事が来たかもしれない、「何故ひろめないのか?」と聞かれたら説明が面倒だ、治療前に了承を得てしまえば問題ない。
変な事をしたり悪い事をするわけではないが、広く知られて良いものでもない。
もし医師でも治せない病気を治せる者が現れたとしたら如何なるか? もし魔石の革新的な使い方が知られたら魔石の価値が如何なるか? 予想出来ないし、その情報を持った者が如何扱われるのかと言う不安も有る。
そして神に言われた事も気になる、とても一般に公表しようと言う気には成れない。
「今から治療するが、大きな痛みが伴う筈だ、我慢出来なかったら言ってくれ強めのお酒を用意する」
「ココでは飲まないのよね」
もしかして俺の考えは読まれているのだろうか? ワザと痛くする積もりは無いが、我慢出来ないようなら強いお酒でアールヴを酔わせ、一組しかない布団に寝かせ隣で可愛い寝顔を横目に見て幸せの内に寝たかったのだが、アールヴの反応からして意地でも我慢しそうだ。
顔色を見ながら苦しそうなら休憩を入れるなり何か考えよう。
俺は元の位置に座るとアールヴの右手を取って治療を始めた。
皮膚線維腫とは良性の腫瘍で、小さく増殖速度は遅く境界も明瞭で壊死する事も無い。
但しそれは人間族の場合だ、エルフ族に出来ると増殖速度が速く転移もすれば大きくも成る。境界が明瞭で壊死する事は無いが悪性腫瘍と言ってもいい死の病になってしまう。
俺はアールヴの柔らかな腕に優しく触れて、魔方陣にそして魔石に魔力を流し操作する。
先ずは音の魔石で魔方陣の大きさ広さから、腫瘍の一点に収束する様にして破壊する、そこに水の魔石で破壊した細胞を血流に乗せて押し流し、命の魔石を使い正常な細胞の再生を促す。
だが、腫瘍の境界がハッキリしているとは言え僅かに正常な細胞も傷付けてしまう、その時の痛み、そして再生させる時には治りかけの怪我の様に痒みを伴う。
俺が魔力を流せば魔石が反応し、手の甲の魔方陣に、そして掌の魔方陣も介して、アールヴの腕へと魔力が流れるわけだが、俺の手の中を魔力が、過剰な生命力や水分、そして振動が伝わる様に、手の甲から掌へと刺激的に貫通してゆく。
だがその刺激的な痛みも痒みも、アールヴ程では無いと思う。
アールヴが我慢しているのに俺が先に根を上げるわけにはいかない。
そして俺には気力を支えてくれる者が居る、そうアールヴの腕の触り心地に集中すれば、いくらでも我慢できる。
俺は左手でアールヴの腕を固定するように指先から手首まで、アールヴの腕に密着させて柔らかさと温もりを味わい、右手は優しく撫でる様にして治療してゆく。
治療とは言えアールヴの様に美しい女性の腕を独り占め出来るなんて、なんて幸せなんだろう。
だが俺の幸せとは裏腹に、アールヴは少し痛いのか、顔にシワを作り今にも閉じそうなほど細い目をしている。
「アールヴ、治療は始まったばかりだ、お酒を口にした方が良いんじゃないか?」
「……ぇ、遠慮……するのよね」
半分は親切で言った積もりだが、我慢するらしいので治療を続ける。
その後、何度か休憩を挟むも、息が整えば直ぐに再開した。
薄暗い家の中に男女二人きり、手に手を取って向かい合っている、だが、会話が無い。
静かな時の中で治療を続けていると、光の魔石が暗くなり始めた。
治療中で無ければ真っ暗な方が色々と楽しめそうなのだが……、一度治療の手を止めて二つ目の光の魔石に穴を開け、再び治療を始める。
ほのかな明かりの中でもアールヴは、美しく輝いて見えた。
何故HJ落選したか予想は出来ます。
復讐系、ざまあ系、等の達成感が無い、かと言って無双系の爽快感も無く、感動巨編の様に心が動かされる事も無い。
そしてモフモフ系の癒しや可愛さも無く、日常系のホノボノさも無ければ、まともな恋愛も無い。
有るのはスケベな主人公の独りよがりだけ、端から見れば他人のオナ○―を見て何が楽しいのと言うレベル、でも、それが異性の物ならばと思わなくも無いが主人公が男で、比較的、男性向けの話なわけで如何ともしがたい。




