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子供達

 俺とギルド長に渡世人のボスとアールヴ、四人は食事処でお酒を飲む。

 ギルド長との話は終ったが、まだ渡世人と話が出来てない。

 俺は隣に座る渡世人に声を(ひそ)めて話し掛ける。


「ボス、例の件は如何だ?」

「心配無い、常時一人は付いている」

 例の件とはキャバクラの事で、俺がアールヴと毎日ダンジョンに潜り同伴出勤を繰り返してるから、変な虫が()くと思っての事だ。


「助かるよ、お店の娘の為とは言えママや他の娘に迷惑掛けては申し訳無いからな」

「良いのか悪いのか、最近は同伴出勤が流行ってるらしいぞ」

 俺の影響だろうが確かに良いのか悪いのか微妙だ、問題さえ起きなければ客も増えて良い事なのだろうが少し心配だ。


「アールヴを通してお店の娘に、同伴出勤でも大通りから外れない様に注意を促し(うなが)ておく」

「それが良い」

 俺の提案に渡世人も同意して、今度は渡世人から俺に向けて注意喚起してくる。


「ギルド長の言う通り、冒険者の間で(うわさ)が飛び交ってるからノーバンこそ気を付けた方が良いぞ」

「あぁ十分気を付ける」

 とは言ったものの何を如何気を付けて良いのかが分らない、何かあってから考えるか? 考えるより先に手が出そうだが。


 キャバクラのママにも話を聞いてみたかったが今日はお店が休みだ、後で改めて聞きに行こう。


 今日必要な話も終わり皆で乾杯しなおして楽しくお酒を飲んだ。

 食事処を出る時にギルド長の財布が大分軽くなったのを横目で見つつ、三人でお礼を言って別れる。

 今日は同伴出勤は無い、ギルド長と渡世人にアールヴの事を任せて家に帰った。

 俺が下手にキャバクラの女子寮の近くまで送れば、また変な(うわさ)が立ちそうだから仕方ない。ギルド長と渡世人なら安心して任せられるしな。



 お酒も入って夜は家に辿(たど)り着いたと同時に寝てしまったようだ。

 今朝は床の上で寝ていて体中が痛い、おかげで早くに起きてしまった。

 若干お酒の臭いの残る服だが下着だけを持って家を出る。


 少し重たい体で歩きながら失敗したと思った、水を飲んでから出れば良かった。

 早く水が飲みたいと思いながら足早にダンジョンへと向う。


 冒険者ギルドを通りダンジョン施設に入ると自分のロッカーへ行き、取り合えず水の魔石を出して水を飲み一言、「生き返る!」

 水を飲んだ後はシャワーを浴びて、本当の意味で目を覚ました。

 スッキリした体と頭で今日の装備を考えながら武器の手入れをする。


 装備を整えたがまだ時間に余裕がある、久し振りに四階層に行ってみるか。

 俺はギルドカードを使いエレベーターでダンジョンの四階層に下りた。

 ダンジョンの一から四階層の魔物はスライムで、落とす物は水や炭酸とジュース系の魔石だ、勿論それらを狩に行くのは子供が多い。小銭稼だ。

 ただ唯一四階層のボスだけは別で、大人の領域と言われる五階層へ行く為の試練。そして落とす魔石も魅力的だ。


 四階層のフィールドを歩くと子供の姿が目に入る、ただ四階層ともなると子供とは言っても少しは育ってる。

 ボス部屋の近くまで行くと俺の周りに子供が集まって付いて来た。

「「「ノーバン」」」

「おう、ガキ共、元気そうだな」


 集まった子供は声を掛けながら俺の足や体を叩いて来きた。

 近くには男の子が、半歩離れた位置では女の子が数人見ている。

 俺は人の顔や名前を覚えるのが苦手で、ましてや子供なんて皆同じ顔に見えるが、一人だけ少し色黒で細身の可愛い女の子が居て何故だろうか? その子の事だけは会ったその日から気になり顔も覚えてる。

 だが多くの子供が集まる前で特別扱いすれば何が起こるか分らない、皆を平等に扱う。


「チョコが欲しい子は居るか?」

「「「「はい、は~い!!」」」」

 集まった子供の皆が元気良く手を上げる。

 男の子達と軽く叩き合いボス戦へ送り出される。

 ボス部屋に入り四階層ボスの熊が走って来るのを入り口近くで待つ。

 走り寄って倒した方が早いのだが、あまりにも早く倒してしまい、子供達に簡単に倒せる敵なんだと思わせるのも良くない、少し時間を掛けて倒す。


 熊を倒しドロップした魔石を持って外に出れば、また子供達に囲まれる。

 だがボス部屋の前は草の背丈が少し高い、少し開けた草原に場所を移す。

 魔石から中のチョコレートを取り出し、仲良く分ける様に言って半分を男の子に渡す、後ろに居る女の子に残りの半分を渡してから少し離れる。

 子供達はチョコに気を取られてる、俺は周りを警戒しスライムを倒す。


 子供達がチョコを食べ終わった頃を見計らい、再度ボス部屋で狩をする。

 ボスは倒してから五分から十分位で再出現するから丁度良い。

 三度程ボスを倒し、子供達と少し話をする。

 特に男の子は俺の喜ぶ話を良く分っていて、町の何処に美人が居るとか、誰の姉が可愛いとか色々教えてくれた。


 子供達から有益な情報を得たらそろそろお昼だ、皆で安全地帯へ帰る事にする。

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