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第一章 灼熱の火山 ver.4


 どーも 作者です。。


 前回、ありがたい感想をいただいたので


 いろいろと参考にさせていただきました。


 これから登場人物等増やしていくつもりですので、


 お楽しみに。。


 ではでは、本編へどうぞ!!


 


 三 殲滅


 その夜のこと。全員がほとんど疲れきっていたため、山のふもとの近くでまた天幕を張ることになった。今日も空には星が見えず、変に蒸し暑い夜だった。ソウルは星のない空を眺めていたが、ラドムに早く寝るよう促され、しぶしぶ自分の天幕に戻った。天幕の中で、ソウルは立てかけてあるウッドの剣を眺めた。以前に愛用していた剣は、今回の旅では使わないでおこうと決めていた。ソウルは数刻前にラドムから聞かされた話を落ち着いて考え直していた。確かに最近のウッドは様子が変だった。落ち着きがなくなり、好きだった酒も飲まなくなった。


「そうか」


 ソウルは静かにつぶやくと、出口からそっと外の様子を伺った。ラドムの天幕にはまだ明かりが灯っていた。ソウルはもう一度剣を眺めると、寝袋の中で深い眠りに落ちた。





「何!? それは誠か?」


 村長は椅子から跳び上がるような勢いで腰を上げた。部屋中にいる全ての重役の目が村長に注がれた。ティセフの村長の家では、村長らがアディス山脈に関しての歴史調査を行っていた、が問題発生だ。


「ええ。村の倉庫の床下に地下通路が発見されました。内部を調査したところ、古い書物が発

見され、中に書かれていた内容が……」


「火山の結界内に特定の選ばれし人間が侵入すると、結界から呪術が発動する……と?」

村長は伸びきったあごひげをさすりながら、深刻な表情を浮かべていた。


「おそらく、先日のウッド殿の報告が真実だとすれば……特定の人物とは」


「ソウル」


 全員の声が重なりあった。部屋中の空気が一変した。


「まさか彼に結界の戒めが発動してしまうとはな……」


「ええ、我々も想定外の出来事でしたから。急いで伝令は送りましたが、間に合うかどうかは

保障できません」


 報告に来た重役は語尾を濁して言った。


「ソウルが無事に切り抜けてくれるとよいのだが……」


 村長は椅子に腰掛けると頭を抱えた。部屋の中にいる全ての人間が焦りを感じていた。





「暑い……」


 ソウルは、あまりの暑さで目が覚めた。体はだるく意識もはっきりとしなかった。寝袋から飛び出し、あたりを見回した。するとものすごい熱気を感じた。体中から汗が吹き出ていた。


「な、何だ!? この暑さは……」

 

 ソウルは急いで剣を背負い外に出た。


 すると、あまりの暑さに兵士たちは苦しみもだえ、いたるところで兵士が倒れていた。


「嘘・・だろ? 夢だよな?」


 ソウルは自分の顔を何度も引っ叩いた。しかし目の前の光景はかわらず、ソウルは言葉も出なかった。


「う、嘘だ!!ぜんぶぜんぶ嘘だ!!」


 兵士たちはソウルを見ると、必死に手を伸ばし助けを求めた。


「う、うわあ!!」


 ソウルは腰を抜かししりもちをついた。苦しむ兵士たちの向こうに、ソウルは見た。剣を杖代わりにして、やっとの力で立っているラドムの姿を―――




「おい、しっかりしろよ。死ぬなよ、ラドム!!」


 ラドムはソウルに支えられ、やっとのことで歩いていたが、ソウルに声をかけられると口をもごもごと動かしていた。必死の思いで川のほとりまで歩いてくると、川で水を飲む数人の兵士が目に入った。


「ここに座ろう」


 ソウルはラドムを川のそばに座らせ、水をかけてやった。


「ありがとう……ございます」


 ラドムは次第に調子をとり戻し、自分で川の水をすくい飲み始めた。ソウルは、ほっと一息つくと、歩いてくる兵士二人を見つけた。二人は互いに支え合って歩いていたが、一人が倒れるともう一人も倒れた。ソウルは慌てて二人に近づいた。


「……大丈夫か?」


 ソウルはかがんで倒れた兵士の顔を確かめた。よく見ると、初めに倒れた兵士は意識を失っていた。もう一人の兵士も息はしてはいるものの、虫の息だった。

ソウルは一目散に川のほうへ走り出し、水をすくって兵士のもとに駆けつけた。途中、石につまづき転びそうになったが、なんとか持ちこたえた。ようやくソウルは兵士たちのもとにたどり着いた。

 しかし、ソウルが手の水を差し出した瞬間、兵士はソウルの手を振り払った。水がソウルの手から離れ、乾いた土に広がり、染み込んだ。ソウルは驚きの目で兵士を見た。兵士の目は憎しみの色に染まっていた。


「お前のせいでみんなこうなった。見えるか? みんな……お前のせいで……。お前の母親が

俺たちを雇わなければ、こんなことにはならなかった!!」


 ソウルは返す言葉もなかった。

 確かに彼の言うとおりだ。レナトリアが彼らを雇わなければ、こんなことにはならなかった。だがラドムがこの剣を自分に渡してくれることもなかった。しかし、結局は自分中心に物事が動いている。レナトリアが兵士たちを雇ったのも、その証だ。

ソウルはバキっという奇妙な音で我にかえった。兵士はう仰向けに倒れ、その隣には体が震えて立っているラドムがいた。


「ラ、ラドム!? な、何やってんだよ!?」


 おそらく、ラドムが兵士を殴ったのだろう。ラドムの息は荒かった。


「約束したはずだぞ、トーマス。どんなことがあっても彼を守り抜く、と」


 ラドムは、息を切らしながらトーマスという兵士に言った。


「す、すみません。ですが……」


 トーマスは、必死に言葉を発した。


「だが!? 何だ、続きを言ってみろ」


 ラドムは、少し荒々しい口調で話している。


「ですが、彼はこの暑さの影響をほとんど受けていないようです。なぜですか?」


 ラドムは、言葉に詰まった。ソウル自身も不思議だった。なぜ自分だけ暑さを感じるだけで、苦しみはないのだろうか。ソウルとラドムは顔を見合わせた。


 そのときラドムは何かを感じていた。この少年に潜む計り知れないほどの何かを。


「だが、彼に気象を自由に操れるとでも言うのか?そうでなければ、ただの言い訳に過ぎない。確かに彼の母は私たちを雇った。それも私たちを信頼していただいてのことだ。わかったな!?」


 ラドムは息を落ち着かせ、トーマスに手を差し出した。トーマスは手を伸ばしたが、ラドムの手に届く寸前でがっくりと腕が垂れさがった。

 ソウルは顔を上げることもできず、ただ茫然と目の前で起こったことを頭の中で繰り返していた。川にいた兵士たちも、みな倒れていた。ラドムの目からは涙がこぼれた。この出来事は、ソウルの脳に永遠に焼け付くのであった。




 その後、ソウルとラドムは二人でキャンプへ戻った。しかし意識のある者はおらず、誰一人として動ける者はいなかった。暑さはほとんど和らいだが、それでも異常な暑さだった。二人は荷物をまとめ、山のふもとへ向かった。地獄の火山へ、たった二人だけで向かったのだ―――






 やっぱり今回で火山への突入は不可能でした・・orz


 でも、次回からは絶対的な突入を誓いますので、


 また楽しんでください!!


 また愛のある感想・評価をお待ちしております。


 v( ' ' )


 ではでは、また次の機会にお会いしましょう!!


 

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