仕事のできる男 小林悠人。
ついに最後の主人公登場。
我らが指揮官 広瀬 直人様は
「まずは役割分担だ。この停止した時間内ならまだ顔も見られていないしこの時間がいつ元に戻るかあいつも分からないと言っていた、素早く行くぞ!
裕利は相手方の牽制、俺は逃げ道の確保、悠人は相手から武器を奪っ」
直人が急に黙ったので悠人に何かあったのか、まさか逃げたんじゃなかろうなと思い悠人の方を見ると…
周りの人の服やら武器やらを漁っていた。しかも王様の周りにいるめっちゃ強そうな奴らの武器を。
俺らの視線に気がついたのかこちらを見ると、
「いや、金になりそうだと思ったから…ま、まぁ結果的にこういう事だろう?」と顔を恥ずかしさで赤くしながら言ってきた。
…いやまぁ確かにそうなんですけどね。うん。こっちも命が惜しいので正々堂々と城から逃げ出てやるとは言ってられない。さすが仕事の出来る男だ。
その 悠人から受け取った武器や防具をつけながら城内を走っていると停止した時間が緩やかに進み始めてきた。
「急ぐぞ!!」と言う直人の言葉と共に速度を上げ異世界転生から約一時間にして俺達は城の外へと逃げ出した。
その時に悠人が少し遅れていたのでどうしたのだと見てみると…
お城の王族が身につけていたティアラや指輪、ネックレスを片っ端から掠めていた。
…まぁお金もこれからの事を考えたら必要だし貰っとけと思い見なかった事にした…
一番仕事をしていたのは悠人さんでした。
マジぱねぇっす。
異世界転生をして開始1時間足らずで問題の発生から逃亡までやってみせる異世界人の鏡である。