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荒れ果てた世界で  作者: ハヌア
第2章 世界への行進
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ソマリア脱出

アレックスは走って、大きめな岩に身を隠す。

通信局の方を見ると、ファリがちょうど玄関から出てきているのが見えた。視界を怪物が横切る。

顔を引っ込め、怪物に見つからないように通信局に近づく。この広い荒野には、幸い廃車や岩や木といった遮蔽物がごまんとあるので、怪物の視線を避けながら移動することは容易かった。

ファリの許にたどり着いたアレックスは彼女に声を掛けられる。


「あいつなんなの?」


「俺にもわからん。とにかくMADEが来るまであいつから隠れないと」


「でも、あいつがいるとMADEも危険なんじゃないの?」


「俺もそう思ってたところだ。どうにかして遠ざけたいが……」


「それなら私に任せて」


ファリがクロスボウに爆薬付きの矢を装填する。これで怪物を誘導しようというのだろうか。

ファリは廃車から身を乗り出して怪物よりも遠くの地面に向かって矢を放つ。

それはすぐに爆発し、怪物はいともあっさりとそちらへと走っていった。

二人はそれに続き、また岩陰に身を隠す。そして矢を放った。

それを幾度か繰り返していると、遠くからこちらに近づいてくる飛行物体が見えた。MADEだ。


「やった!」


ファリが歓喜の声を揚げる。だがアレックスは素直に喜ぶことはできなかった。


「まずい。あの怪物、MADEに気づいたみたいだ」


怪物が顔を上げ、MADEをじっと見据える。やがてそちらへと走り出す。ここでMADEが撃墜されたら元も子もない。

アレックスはファリのクロスボウを奪い取って走り出す。


「ちょっと!?」


ファリが呼び止める声が聞こえるが、なりふり構わずに走って一発矢を放つ。

それは走る怪物の左後ろ足に刺さり、爆発した。怪物が悲鳴を上げ、倒れる。その上空をMADEが過ぎ去り、通信局のすぐ傍に着地した。


「くっ!」


怪物がゆっくりと立ち上がってこちらに振り向く。歯をむき出しにしたその顔には、怒りの表情がはっきりと浮かんでいた。

怪物が天高く咆哮すると同時に、アレックスも走り出す。MADEにはすでにメリーとケルリナが乗り込み、残るファリも今まさに乗り込もうとしている。

アレックスは小岩を飛び越え、廃車の上を駆け巡ってMADEへと飛び乗る。

それを確認したMADEは怪物の爪をギリギリのところで回避し、すぐに離陸、および発進する。

怪物と通信局の姿がみるみる遠ざかっていき、怪物が悔しそうに歯ぎしりしている姿が見えた。


「もう! 無茶ばっかりするんだから……」


ファリがアレックスに子供を叱る母親のような口調で言う。アレックスは「すまん」と一言謝って座席に座った。


後ろの座席には順にメリー、ファリ、ケルリナが座っている。全員無事に回収できたことに安堵し、一息つく。するとMADEが気を利かせてコーヒーを出してくれた。


「どうぞ、お飲みください」


「ありがとう」


用意されたコーヒーを一気飲みする。久々に水以外の飲み物を飲めたことに感動を覚えた。

マグカップを手元のテーブルに置くと、それは自動的に回収される。

アレックスは座席に深く体を沈めるが、ファリのクロスボウを返そうとして疲労が溜まった体をもう一度起こして振り返アレックスは走って、大きめな岩に身を隠す。

通信局の方を見ると、ファリがちょうど玄関から出てきているのが見えた。視界を怪物が横切る。

顔を引っ込め、怪物に見つからないように通信局に近づく。この広い荒野には、幸い廃車や岩や木といった遮蔽物がごまんとあるので、怪物の視線を避けながら移動することは容易かった。

ファリの許にたどり着いたアレックスは彼女に声を掛けられる。


「あいつなんなの?」


「俺にもわからん。とにかくMADEが来るまであいつから隠れないと」


「でも、あいつがいるとMADEも危険なんじゃないの?」


「俺もそう思ってたところだ。どうにかして遠ざけたいが……」


「それなら私に任せて」


ファリがクロスボウに爆薬付きの矢を装填する。これで怪物を誘導しようというのだろうか。

ファリは廃車から身を乗り出して怪物よりも遠くの地面に向かって矢を放つ。

それはすぐに爆発し、怪物はいともあっさりとそちらへと走っていった。

二人はそれに続き、また岩陰に身を隠す。そして矢を放った。

それを幾度か繰り返していると、遠くからこちらに近づいてくる飛行物体が見えた。MADEだ。


「やった!」


ファリが歓喜の声を揚げる。だがアレックスは素直に喜ぶことはできなかった。


「まずい。あの怪物、MADEに気づいたみたいだ」


怪物が顔を上げ、MADEをじっと見据える。やがてそちらへと走り出す。ここでMADEが撃墜されたら元も子もない。

アレックスはファリのクロスボウを奪い取って走り出す。


「ちょっと!?」


ファリが呼び止める声が聞こえるが、なりふり構わずに走って一発矢を放つ。

それは走る怪物の左後ろ足に刺さり、爆発した。怪物が悲鳴を上げ、倒れる。その上空をMADEが過ぎ去り、通信局のすぐ傍に着地した。


「くっ!」


怪物がゆっくりと立ち上がってこちらに振り向く。歯をむき出しにしたその顔には、怒りの表情がはっきりと浮かんでいた。

怪物が天高く咆哮すると同時に、アレックスも走り出す。MADEにはすでにメリーとケルリナが乗り込み、残るファリも今まさに乗り込もうとしている。

アレックスは小岩を飛び越え、廃車の上を駆け巡ってMADEへと飛び乗る。

それを確認したMADEは怪物の爪をギリギリのところで回避し、すぐに離陸、および発進する。

怪物と通信局の姿がみるみる遠ざかっていき、怪物が悔しそうに歯ぎしりしている姿が見えた。


「もう! 無茶ばっかりするんだから……」


ファリがアレックスに子供を叱る母親のような口調で言う。アレックスは「すまん」と一言謝って座席に座った。


後ろの座席には順にメリー、ファリ、ケルリナが座っている。全員無事に回収できたことに安堵し、一息つく。するとMADEが気を利かせてコーヒーを出してくれた。


「どうぞ、お飲みください」


「ありがとう」


用意されたコーヒーを一気飲みする。久々に水以外の飲み物を飲めたことに感動を覚えた。

マグカップを手元のテーブルに置くと、それは自動的に回収される。

アレックスは座席に深く体を沈めるが、ファリのクロスボウを返そうとして疲労が溜まった体をもう一度起こして振り返る。


「どうしたの?」


「これを」


そう言って、手に持っていたクロスボウをファリに手渡した。

ファリはそれを大事そうに受け取り、自分の隣に置いた。

アレックスも自分の銃の状態を確認する。ソーコムピストル自体には特に異常はなかったが、残弾数が心許無い。米軍基地で補給できるか交渉しなければ。

窓から地上を見下ろす。下に見えるのは特徴的な小さな島国、日本列島だった。MADEはわずか数分で北太平洋が見える位置にまで飛んでいる。る。


「どうしたの?」


「これを」


そう言って、手に持っていたクロスボウをファリに手渡した。

ファリはそれを大事そうに受け取り、自分の隣に置いた。

アレックスも自分の銃の状態を確認する。ソーコムピストル自体には特に異常はなかったが、残弾数が心許無い。米軍基地で補給できるか交渉しなければ。

窓から地上を見下ろす。下に見えるのは特徴的な小さな島国、日本列島だった。MADEはわずか数分で北太平洋が見える位置にまで飛んでいる。一体どれほどの技術力があればこの速度で移動できるのか、アレックスには理解できない。

そして、その技術が6年のうちにどうやって発見されたのかはもっと理解できない。

どちらにせよ、アレックスにはそういった知識に関しては疎い方だ。頭脳労働はいつもLの仕事だったな。

そんなことを考えながら、アレックスは目を閉じる。

次に目を覚ますときには、きっと米軍基地にたどり着いているだろう。

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