囚われの瞳 [千文字小説]
イメージとしては、かぐや姫。
しかし、本物とは違うので、そこのところをよろしく願いします。
また、200文字の「囚われの瞳」も存在するので、そちらもよろしくお願いします。
悲しみに明け暮れて、君をただただ探すだけ。
君は星に帰ってしまった。
哀しいかな、 君は他の星の人で。
なんでなのかな?
君がせめて、この星に生まれていたのなら、僕達は恋をするだけじゃなく、堕ちることもできたのに。
なんでなのかな?
確か君はお姫様って言ってたっけ?
ってことは、女王ってことかな?
優しい君には似合わないよ。
なんだかさ、君が命令するって言われても、“ピン”とは来ないよ。
だってさ、 どっちかって言うと、君は聞いてくれていた方だったから。
あぁ、なんで人生ってこんなに酷いものなのだろうか?
君と巡りあわせたのに、それを引き裂くなんて。
僕は君にどこまでも付いて行くよ。
例え、君の部下が僕の旅立ちを認めなくても、君に付いて行く。
“体”が無理なら、せめて“心”だけでも、
“心”が無理なら、せめて“願い”だけでも。
「愛してる」は、もう言う必要がないかな?
でも「君が必要だ」ということは一度も言ったことはなかったっけ?
残念だよ、君を見送ることしかできないなんて。
ほんと、悲しく感じてしまうよ。
君はなんで、戻ってしまうのかな?
確か任務が終わったとか・・・だったっけ?
あんまし覚えてないや。
君のことは、記憶に確かに刻んだはずなのに。
その記憶すら、君の部下に穿たれるなんて。
ほんと、人生ってなんだろうね?
僕は君に問い続けるよ。 答えが返ってくるまで、 君が帰るまで。
地球が君達の餌になろうと、君の思い通りになろうと、僕は君と出会ったことを後悔しないよ。
だって、僕は君に助けられたんだもの。
『人間なんて、二度と信用するか!』って思ってたんだ。
でも、それが君と出会って変わったんだ。
信じることは大切なんだと。 例え、裏切られたとしても。
例え、見捨てられたとしても、 出会えたことに意味があるのだから。
君は、この星の人間でもなかった。
けれども、そんなのを言い出したら、人種差別と同じだよ。
違う星だから? 知能が君達の方が上だから?
そんなのは関係ないよ。
僕達の関係を、妨げることなんてできないよ。
だって、僕らの絆は、この世の中で最も固いんだから。
君に送ったダイヤモンドなんかより、他人の愛情なんかよりも。
僕達は、きっと今でも、どこかで通じ合っている。
僕は、そう信じているよ。
君だって心の中では、そう思ってるでしょ?
だから、僕達なら次の世界でも巡り合えるよ。
きっと、きっと出会えるって信じてる。
だから、僕は安心していけるよ。 君のためを想って。