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三十三話、文化祭

 三週間程度すぎた。今日は、文化祭だ。祭り特有の喧噪。その中俺は、一人だけ沈んでいた。一年は特に出し物があるわけではないので、俺は暇だった。健介は実行委員だったので、俺とは回れない。勇次郎は部活で出し物があるらしい。友人が少ない俺は、回れる人がいなかった。ひとりで、人混みをぶらぶらとぶらつく。特にやることがない一年の文化祭。青春ってこんなもんだよな。周りを見つつも、目を背けた。

 ぶらぶらすること十数分。俺は見つけた。いや、見つけてしまった。遊。隣には手をつないでいる……北条。

「次は、どこに行く?」

 遊は聞いていた。文化祭特有の喧噪の中でも、なぜか聞き取れた。理由はわからない。逃げた俺に立ち向かった人の成功を見せて、楽しいのだろうか? 答えてくれよ。誰でもいいよ。

「次回ったら、私は、ちょっと係りに戻らないとなんだっ、ごめんね」

 北条が言っていた。幸せそうだな、と俺は思った。同時に、俺には絶対にたどり着けない境地だと、理解した。無理。その言葉が頭をよぎる。事実だ。仕方がない。あきらめて俺はその場を後にした。俺の精神が持たないのかもしれない。遊が「おうっ、空太じゃないか」と言っているのは、聞こえなかった。いや、聞こえなかったふりをした。悲しかっただろうか、友人は。決別当時よりは、俺に話しかけてくれるようになった友人は、もう親友ではない友人は、俺が拒んでいる友人は、俺は、友人の元から去った。喧噪の中に、俺は逃げた。

 逃げた。逃げた。逃げた。見えた。なにが? なにが?

「え!?」

 俺は叫んでいた。周りの人が一斉に俺を振り向く。俺が叫んだ原因も俺を振り向く。

「沙…………羅…………?」

 俺は言葉を発した。周りの人々の興味は俺から薄れていく。ただ一人をのぞいて。

「空太君……?」

 なぜ沙羅がここにいるのだろうか。俺にはわからなかった。いや、普遍的に考えれば、文化祭を見に来たのだろう。

「太りました?」

 俺はずっこけそうになった。いや、たぶん太ったけどさ。うん、二年前に比べて確実に太ったな。絶対太った。悲しいな。

「遊君と一緒じゃないんですか?」

 ああ、昔は仲がよかったな。完全に過去の話だ。今は……なんなんだろうか。

「遊なら彼女と文化祭を回っているよ」

 言った。

「そうですか」

 沙羅は走り去っていった。少し走ってから、こちらを振り返り、

「ありがとう!!」

 そう、叫んでいた。そうか。と俺は納得した。そして、最後に思った。来年こそは、誰かほかの人と回りたいな。

これで、僕が書く、リア友!ー友人が、リア充だ!?ーは完結となります。最後まで見ていただき、誠にありがとうございました。

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