表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/33

三十二話、ぼっち

 決別……それを言い換えると絶交だろう。遊が二年前との決別をした後、俺と遊が話す頻度は明らかに減った。それと平行して、教室内の俺のボッチ化は進んでいった。健介や勇次郎は喋ってくれるが、それ以外に喋る人がいない。昼飯を一人で食べることも増えたし、登校、下校、一人の時間が明らかに増えた。

 教室、授業。俺は苦悩していた。なにより先生の出す問題が間違っているのだ。言った方がいいが、言うのかは微妙な雰囲気に包まれている。

 誰かが言った。誰だかはわからない。何故か俺は思考を始めた。先生と誰かの話で授業は少しつぶれるだろう。その時間に思考したって、誰も文句は言うまい。

 俺は、二年前となにも変わっていないのか? それだけが俺の頭の中をぐるぐると廻り始めた。二年前、遊と沙羅がつきあい始めたときから、俺はなにも進展していないのだろうか? リア充と話せなくなった非リアの末路はこんなものなのだろうか。俺にはわからなかった。なにも、わからなかったのだ。

 憂鬱な昼飯。なにも意味がない時間。暇な休日には、ラノベを読んだ。ネットをした。家にいる時間が増えた。俺はなにをしているのだろうか。

「おい、大丈夫か?」

 健介が聞いてきた。嗚呼、もう授業は終わっていたのか。気づかなかった。

「あぁ、大丈夫だよ。ちょっとボーッとしていただけだ」

 健介は、「そうか」と、一言つぶやいただけで、その後遊のところにいった。どうしようか、どうしようもないのか。わかんねーな。俺は逃げていただけなのか? 二年前のあのときからなにも進歩がなかったのか? 思考がループしているな。はぁ、疲れた。

 憂鬱な授業が過ぎ、憂鬱な昼食の時間。憂鬱じゃない時間なんてあるのか? 寝るときだけは昔から一人だな。当然だな。

「はぁ……」

 一つ、ため息をもらす。これ以上思考していも意味はない。寝よう。俺は寝た。だが、寝た場所が食堂だということを忘れていた。一人で食堂で寝るとか……傍からみれば、かなり痛いよな、俺。完全に寝た。

 起こされた。昼食の時間は……まだ終わっていなかった。誰が起こしてくれたのだろうか。目の前にいたのは……北条だった。

「遊君は逃げるのをやめたのに、貴方はふてくされているだけなの? それでいいの?」

 それだけいって、去っていった。俺が何かを言い返すことなど、はじめから期待していないようだ。事実、俺はなにも言い返す気がなかった。だってさ、どうだっていいじゃないか。俺の人生だ。文句はないだろう。勝手に人生を決めつけられてたまるか。そんなふうにさ、他人に誘導された人生は楽しいのか? 本当にそれでいいのかよ、遊。

次回最終回です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ