二十話!友人争奪戦~場所決めの陣~
次の日、火曜日も過ぎるのはあっという間で、五時限目に入っていた。学活の授業で、文化祭の飾り付けの場所決めをするらしい。かなりの数の女子が目をギラギラさせているな、と思いながら。俺は座っていた。
「はい、では、やりたい場所にネームプレートを貼ってください」
健介が教卓に立って言う。俺は、健介と、勇次郎と事前に打ち合わせをしておいたので、そこにネームプレートを貼る。幸い俺らが選んだ理科室前に貼る人は居ないようだった。
混雑した黒板が空き、いすに座る人が増えた頃、教室全体の人が貼られたネームプレートの偏りに気が付いたようだった。教室内がざわざわし始める。所々からリア充氏ねとか聞こえてくる気がする。もしかしたら俺の心の叫びかもしれない。遊のネームプレートの横には、多くの女子のネームプレートが貼ってあった。ざっとみてみると、佐々木と三井の名前は、貼ってあった。
「おい、佐々木。競争率高いんじゃないのか?」
近くの席に居る佐々木に声をかけてみた。
「まぁ、たぶん大丈夫だよ。負けるイメージがでてこないもん」
そりゃぁ、イメージで負けてたら、本番はなかなか勝てないからな。
「そうか、頑張れ」
遊の周りの女子は一癖ある奴が多いなと思いながら、俺は佐々木を応援した。頭の片隅では、三井に勝ってもらえれば安心だという声もしている。でもさ、頭がいい奴はもう気づいて、他に行っているぜ。だってさ、
遊が貼ったところ、分担で一人のところだよ。
条件反射で、遊の名前があるところに貼ったのか、それに気づいている人は少ないようだった。恋は盲目。それほどこの場所に当てはまる言葉を俺は他に知らない。勝っても負けても阿鼻叫喚な状態になるな、と内心で思いながら、じゃんけんの推移を見守ることにした。
結論だけ言うと、遊が勝った。特に運が良い方じゃなかったと思うので、偶然だろう。ものすごくモテるというのは、運が良いという項目の中に入っているのだろうか?そんなことを考えていても意味はないとわかりつつも、考えずにはいられなかった。じゃんけんの途中で、分担が一人の場所だったと気づくものが続出した。前々から気づいていた人は、遊が負けたときにどこに貼るかをみるために、遊と同じ場所に貼っていたらしい。じゃんけんに勝ってしまったらどうするつもりだったんだろうな。顔を下に下げ、落ち込んだ様子で、佐々木が席に帰ってきた。俺はその様子を見て、特に俺にできることはないな。と思いながら、学活での次の議題は何だっけかな、と考え始めた。