十八話!遊ぶ友人
遅くなってすいません。少し色々ありました。TRPGがわからない方は、フィーリングで、読んでいただけると、有り難いです。
さて、困った。遊の奴、本気で俺らを殺しに来ている。
TRPGが始まった。初心者もいるし、ゲームバランス的にはぬるめだと思っていたのだが、予想外にも、予想外。本気で倒せるか倒せないかぎりぎりのレベルの敵を用意している。
「遊君! 大人げないじゃないですか!」
隣にいる北条もそれは理解していて、遊を非難している。
「はてさて、なんのことかなぁ」
そう遊がとぼけながら、戦闘が始まった。
結果、惨敗。
TRPGのダイス運ってすごく重要だよね。適正レベルぎりぎり+GMのダイスが、6ゾロは3割くらい出るし、平均値で10越えている気がする。
「いやー久々にGMで勝ったなー」
白々しく遊が言う。
「酷い……酷いぞ、遊……見損なった。初心者がいる卓で、鬼畜GMとか、酷すぎるぞ……」
とりあえず、俺は毒づいた。いや、だってさ、適正的なバランスって重要だよね。賭の時に条件付けとけば良かったな。
「まぁ、俺は楽しかったよ。鬼畜GMの対処法とか見れたし」
ゲーム中に知ったのだが、案外健介はTRPGい興味があったらしい。重度のラノベオタ(俺とお仲間)だから、リプレイにも手を出していたらしい。
「それにしても、遊君! 酷いですよ!」
北条が喚く。うるさいな。すごくうるさいな。うん。
「北条先輩も静かにしてくださいよ。ダイス神の導きですって」
健介が北条をなだめる。いい奴だな。と俺が思っていると……
「俺が鬼畜だろうが鬼畜じゃなかろうが、どうでもいい……だが、
約 束 は 守 っ て も ら う ぞ ?」
怖いなーと、思いながら、遊の次の言葉を待った。
十数分後。北条は出ていった。いや、俺は悪くないよ。確かに少し前は凄いゴネてたけどさ。
「うるさかったなー」
と、遊。北条のあしらい方は、覚え始めたようで、約束させれば、大丈夫らしい。
「というか、健介、空太、これからどうする?」
「どうするかー悩むね」
遊の問いに、俺が答える。今日の目的のボードゲームは終わっている。というか、ボードゲームが終わった後の時間…………やばくね?
TRPGは基本的に何時間単位でやるゲームだ。ようするに。
「おい、遊、健介、たぶん外真っ暗だぞ」
「「は?」」
そうして、三人で見た窓の外は、夕焼けに染まっていた。
「「まじかよ!」」
二人は叫ぶ。
「というわけで、俺はそろそろ帰るわ。飯抜きにされたらたまらん。金的に」
我が家では、飯に遅れたらぬ気という家則があるのだ。
「おう、俺も帰るわ」
そう健介が言うと、
「じゃーな、二人とも」
と、遊び足りない様子で、遊が言った。