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十一話!攻防の友人その1

 行動は素早かった。三井の行動は、俺が予想するその上を行っていた。休み時間、昼休みにも北条の攻撃(遊へのアタック)があると、三井は予想した。

「遊君、北条、じゃま?」

 一時限目が終わった後そう遊に聞いいた。遊は

「付け回したり、家にまで突撃されたり、校門で待ちかまえられてたり、結構嫌だね。男友達とのんびりつるみたい時だってあるのに……」

「じゃぁ私たちが北条さんにお話しとくね!」

 某魔法少女(?)かと突っ込みたくなったが、やめておく。遊に言質をとった後三井は、遊平和公平協定議会上層部のクラスの面子と相談し始めた。

 その間、約3分。その時、廊下に激震が走った気がした。

「遊君! さぁ! 運命の花道を歩くため、一緒にデートしましょう!」

 北条がきた。一年の教室は2階。三年の教室は4階。俺らは一組、で2組以降のクラスとは結構な距離がある。どの学年でもそうだ。

 一組じゃなかったら早すぎる。一組でもぎりぎりの早さだと俺は思った。因みに、大層なことを俺は、考えているが、実際は机でラノベを読みながら、周りの状態を把握している。『非リア充』スキル静かなる聞き耳だ。厨二かよ。

「休み時間に来られても、迷惑なんですけど……」

 強く断れない様子で遊が答える。まぁ、走ってきた相手を断るのは勇気がいるだろう。俺は全速力で走ってきた美少女からデートしようと言われるイベントなんて一回も起きたことがない。でも、数年前に一緒に飯を食おうならあったな……遊も一緒だったけど。あのころは結構楽しかったな……

 俺が感傷に浸っていると、北条が

「休み時間だって、運命で決められてるのだから、行きましょう!」

 運命とか、花道じゃなくて、単なるわがままだな。うん。遊も大変だ。

「いえ、次の時間の準備と軽く予習をしたいので」

「保健体育の予習ならさせてあげるわよ!」

 前の方の席から、鼻血がでた音がする。休み時間に大声で話すことじゃないな。絶対に。

「いえ、次の時間は数学なので、公式を覚えたいんですよ」

 遊はえらいな~三井と議会の面々は、まだ話し合いをしている。と思ったら、意見がまとまったようだ。

 一人が、遊と北条がいる教室後ろからではなく、教室前から走り出した。三井は携帯をいじりだす。もう一人が、クラスの友人のところに行き、頼みごとをしていた。鼻血を出した奴は復活している。非常にどうでもいいが。

「数学くらいできなくても、将来困んないわよ~」

 いや、受験生だろう。いや、二年かもな。そういえばさっき三年生だと決めつけていたけど、二年かもな。

「いえ、受験に困るんでな。内心にも響きますし」

 さすが遊。大学への挑戦は万端にしておきたいようだ。まじめだ。同じようなことを考えていた、俺もきっとまじめなのだ。休み時間にラノベ読んでいるけど。

 と思ったら、さっき頼みごとをされていた。女子が動き出した。渋々動き出したような表情だ。

 そうして、後ろのドアに近づき、

「先輩ーこんにちはーうちのクラスになにか用ですか?」

 勇気ある行動をとった。遊と満面の笑顔で話していた先輩に近づき、堂々と話しかけた。

 北条は露骨に嫌な顔をしてから、

「チッ!」

 と大きな音で舌打ちをして、すぐに笑顔に戻ってから、

「聡子ちゃんじゃんーここ聡子ちゃんのクラスだったのー?私知らなかったー」

 女子って怖いな。頼んでた奴が、部活の中で、遊君とターゲットの接触を妨害する作戦……名付けて、部活の友情は愛を越えるよ!……とかつぶやいているし。女子って怖いな。

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