A Preface
この作品は初めてつくった作品ですので、かなりアラなどがあると思われます。それでもよい、という方はご笑覧下さいませ。
第零章-A -7/15,AM6:29-
何時も、同じ夢をみる。
それは、小学校中学年くらいに見える少女が泣いている夢。
何故泣いているのか、と聞いても、首を横に振るだけで答えない、そんな夢ーーーー
黒髪の青年|(彼の見かけはほぼ完全に大人のそれだが、顔にまだ少しあどけなさが残っている)は、何時もと同じように夢をみて、何時もと同じように目を覚まし、何時もと同じようにベットで頭を抱える。何時からこの夢を見るようになったのだろうか、最早彼は覚えていない。この朝の流れが最早自然に思えてしまうほどに、ずっとその夢を見続けている。
時計を見ると、まだ朝の6時30分になるかならないかと言う時間だ。やはりまだ少し早かったか、と心の中で思いつつも、早起きしたら早起きしたでやることはあるのだから今のうちにしてしまおうか、と階下に降りるーーーーその直前に、ふと思い出したかのように妹の部屋をノックし、
「そろそろ起きろー、朝練に遅れても知らんぞー?」
「うー、…………おはよーお兄ちゃん……」
中から眠そうな声がして、部屋の中からスリッパが床を叩く音が聞こえ始めたことから一応妹は起きたらしいと考えて、彼も軽く伸びをしつつ階下に降りる。
台所に立ち、二人分の朝食を作り始めた彼の名は、荒三木 隼。彼の朝は、正に飛翔する直前のハヤブサのように、静かに始まった…………