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初心者大歓迎キャンペーン 中章

初心者大歓迎キャンペーン

1.初心者を見つける

2.初心者に話しかける

3.フレンドになる

4.やっふーい!!!!!!!


「だそうです」


とりあえず暇だったシエラが公式ホームページを確認したところ以上の文章が書かれていただけであった


「なぁ一ついいか?」


「何かしらマーク」


「アイツ景品が思いつかなかったのかな、それとも盛り上がれるだけで十分だと判断したのかな?」


「そうね、コレだけで初心者が釣れるなんて普通の運営なら考えないわよね」


経験点UPだとか特別アイテムプレゼントだとかがあってならまだ分かるのだがこの説明にはそのような文は一切書かれていない

これではゲーム内の人たちだけが盛り上がるだけになってしまう


さすがにここまで来ると判断に困るのかムーチョンも苦笑しているだけだ


「ま、まぁ何も考えていないわけが無いでしょうし、もしかしたらここに書いていないだけでプレゼントだってあるんでしょうきっと」


「まぁそうだな、とりあえず俺達みたいな初心者とか生産系にはあまり関係の無いイベントだからノンビリしておくか」


「えぇ」


「そうですね。でも生産系は関係無いんですか?そっちのジョブを目指してくる人もいますよね?」


「あぁ、そりゃいるだろうけど結構難しいんだよ」


「生産系って言うのはレベルが低いうちは売れる商品が作れない、ということはお金の調達が凄く難しいの」


「え?でも低レベルの装備ってありますよね?」


「そうね、でも高レベルの人が作ったものだと高品質ってのになるの。しかもそういう高レベルの人って低レベルの駆け出しのために値段を安めに設定していたりしていて、中々初期の作った装備は売れないのよ。材料だってタダじゃない、お金が手にはいらなければ自分で採るしかない、だけど生産系は弱い。ね?初めての人には生産系は向かないの、メインのキャラがいてそれがお金を稼いだり素材を持ってきたりしてやっとできる物なのよ」


「へーそうなんですかー」


「さっすがサーバー最高品質を誇る生産系ギルド『mu-』のマスターってだけはあるよな」


「ふふん♪」


「えぇ!?そうなんですか!?いっつもそこで買い物してるんですよー」


「へーそうなの?でもそれは私の担当じゃないわね。私の主な生産物は服飾だから」


ちなみにゲームに存在している生産系ジョブは


服やネックレス、指輪などを作る「服飾」


鎧や剣などを作る「鋳造」


魔法のカードやポーションなどのアイテムをつくる「調合師」


ギルド用のアジトと呼ばれる建物やその家具を作る「大工」


の四つが存在している

服飾と言うのは戦闘用ではなく、主に見た目に影響するために値段が安く冒険にも影響しないために儲けが少なく、実際にムーチョンほどまで極める人は少ない


「服飾って言うのは他の鋳造や調合師のように冒険には関係しない、だから陰に隠れることが多いのだけれどオンラインゲームっていうのは人対人、ようするにリアルと変わらないのよ。だったらオシャレしたいっていうのも一つの意見でしょ?」


自分の得意分野のことを説明する事ができて嬉しいのか、ノリノリで説明していくムーチョン

最後にはおまけにウインクまでかましていった


「おぉー凄いんですね!」


「ふふふ、もっと褒めてシエルちゃん!この私をもっと褒めて頂戴!」


「はい!凄いです!完璧です!最高です!」


「あぁん!もうトレビアーン!!!」


「…誰かこの天然と馬鹿のセットをどうにかしてくれ」


マークはここで初めて、シエラのプレイヤーが天然である事を悟ったのだった



 ※ ※ ※



そんな事は猛過去の事として置いておいて、今回のイベントにはムーチョンは以上の理由から不参加、マークは「もうシエラがいるし」ということになり三人は初心者用のエリアに来る事にした


「なんでお前も来たんだ?」


「え?今日はギルメンが皆戦闘キャラでイベントに参加しているから私は暇なのよ、だからどんな感じな事になるのかと思って見学に来たの」


「そうかい、まぁ生産系とはいえ高レベルだから放っておく事にして、今日も奥の森に行くとしようか」


「はーい!」


「おー!」


「ちょっと良いですか?」


「「「え?」」」


出鼻を挫かれた事で少し前のめりになりながらも声のした方向を見てみると、そこにいたのは一人の初心者マークを付けた男性キャラクターだった。装備からみて、接近戦ようのキャラクターである

その男はオロオロとしながらこちらに話しかけている


「えっと、こんなものがアイテムBOXの中に入っていたんですけど……」


と彼はチャット欄にアイテムを貼り付けてこちらに見えるようにしてきた


「え~っとなになに?コレを近くにいる格上と思われる人に渡しなさい、そうすればその人からイロイロなアドバイスを受けられるでしょう?」


ちなみに説明台詞ではない、タダ単にシエラがマイク入力を切り忘れていただけである


「格上って言っても俺達そこまでレベル高く無いぞ?むしろ低レベルのような気が……」


「でもその方の名前のところに<MASTER>って書いてありますよ?」


「「「あ」」」


ギルドに所属しているものには名前の上に所属ギルドの略称が見える、しかもマスターの場合にはその横に<MASTER>と書かれてしまうのだ


「コレって確かギルドのマスターって事ですよね?でそたら絶対に格上の方かと思いまして」


「なるほど、ならしかたがないな。ムーチョン、頑張れよ?」


そう言ってマークはその場を離れていこうとする

しかしそれを見てムーチョンはマークの肩を掴んだ


「何だよ、俺は低レベルのキャラクター。お前は高レベルのギルドマスター、どっちがこの場に相応しいかと聞かれれば誰が見ても一目瞭然。しかも相手はお前をご指名ときている、これで俺が説明をしたら俺は変な目で見られてしまうことが必然だ」


「それでも……頼む、私は接近戦用のクエストには詳しくないの…!」


「ふむ……100k」


「ちょっとまって!?それはボッタクリよ!30kでどう?」


「話にならないな」


「ちょ!ちょっとまってよ!知り合いは今のところ出払ってるから教えてくれる人がいないのよ!40k!これでギリ!」


「しょうがない、俺も流石に心が痛む」


「良かったー、ありがとう!」


「70k」


「おい!心が痛むんじゃないの!?」


「30kもマイナスしてやったんだ、かなり割安だと思うんだがどう思う?」


「あんた私の収入をなんだと思ってるの!?服飾よ!?」


「それと50人以上の男性キャラクターからの貢物な」


「ギクッ」


「全く、少しくらいは装備してやれよ。この前なんか一回も装備する事もなく露天に売りに出してただろう?お前あいつらが知ったら泣くぞ?リアルで」


「ちょ、ちょー!それを今ここで話す!?シエラちゃん聞いてるよ!?どうやってフォローすんの!?」


「知るか、さっさと報酬を用意しろよ。しょうがないから50kにまけておいてやるから」


「ここまで私を貶めておいてまだ届かない!?分かったわよ!払います!払えば良いんでしょ!?この女たらしの馬鹿男!ネトゲーでナンパばっかりしてると佳奈ちゃんが泣いちゃうんだから!」


「ちょ!お前!俺はそんなことしてねぇ!というかリアルの彼女の事をここにもってくるんじゃねぇよ!」


「へへーんだ!ここでの事ならアンタより私の言葉のほうが信用されるのよー!なんていったってそんな事が日常茶飯事で起きてるんですからねー!」


「ここらにいるのは大体がネカマだって言ってったじゃねぇか!」


「あら!?今まさかネカマを馬鹿にしたのかしら!?だったらちょっと表に出ないさいよ!今から3時間後に近くのセブンイレブンに行ってそこで拳で語り合おうじゃないの!」


「あぁいいだろうよ!ゲームじゃかてねぇけど現実だったら俺に分があることを忘れたとは言わせねぇぞ!?今更止めたは無いからな!」


「あ……今日はちょっと調子が悪いからまた今度にしましょう?」


「本当に忘れてたのかよ」


グダグダになってきたところで二人の会話は終了となった

しかしそんな事をしていても問題と言うのは片付くはずも無く、二人がずっと漫才を繰り広げている間も男はそこに留まってそれが終わるのを待っているのだった



 ※ ※ ※



「コホン、では話も纏まったところで自己紹介をお願いできるかしら?こちらとしてもこういう事は丁寧かつ迅速に終わらせようと思うので。私はムーチョンよ」


丁寧な言葉を使って言っているが要約すると「さっさとやろうぜ?こんな面倒な事はさっさとおわらせるにかぎる」と言っているのだ


「もう少しちゃんとしやがれ馬鹿、そういう言葉を使うからマナーがなってないって言われるんだよ。マークだ、魔術師をやってる。今回は何故か俺が教えていく事になったが気にするな」


「えっとシエラです!接近戦用キャラクターです!よろしくお願いします!」


「あ、はい!キサメです!よろしくお願いします!」


ムーチョンの台詞のせいでなんだか嫌なムードになっていたがマークやシエラのお陰でなんとか持ち直すことができたキサメは元気良く挨拶をした

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