ははっ! よくわかんね〜な!!
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「てゆーかさ。あんだけ期待持たせといてエルフに会えるの明後日以降とかサギじゃない?」
あれから案内された小さな家。
『エルフには連絡をとっといてやるから、それまでこの建物を自由に使ってくれ』と言われて、ドワーフのオッチャンは子供みたいに澄んだ目で、多分カツラを楽しみに帰っていった。
小さな家といっても来客用の為の物なのか、建物のサイズは見慣れた人の家に比べればやや小さめとはいえ、椅子やテーブル、それにベッドは俺たちが使っても問題ないサイズになっているのを見た時、二人でホッとしたのはいうまでもない。
「まぁまぁキヨラそう言うなよ。少し離れた村に住んでるわけじゃないらしいしな。エルフってやっぱり耳長いのかな?」
「……知らないよ」
「アオもカッコいい赤い目と赤い髪だったんだけどさ、エルフはやっぱ透明感のある白い肌に髪とかしてたりすんのかな!?」
「さぁ。てゆーかエルフに食いつきすぎじゃない!?」
「そうか? でもホラ、キヨラも会いたいだろ?!エルフ!!」
漫画やゲームでしか見たことないドワーフに出会えて、しかも次はエルフとなれば、あまりゲームをしなかった俺でもついみたい男の子心がワクワクでドキドキしてしまい、思わず部屋を右往左往していれば、そんな俺をキヨラは不機嫌そうにソファに横になりながらこちらを見てくる。
「キヨラ〜。カツラ貸したのそんな不安か? 多分大丈夫だろ。ドワーフのオッチャンも約束してくれたし」
「そうだね」
フォローしたけど明らかに不満が拭えておらず、苦笑いを浮かべて部屋の鍋を使ってお茶を入れてあげると、キヨラの前のテーブルに置く。
「俺、少しこの辺を歩いて情報でも聞いてくるよ。ドエンさんが『人の来るとこじゃない』みたいなこと言ってたし、大丈夫とは思うけどな」
それにここではキヨラを攫うようなやつは居ないんじゃないかと笑みを浮かべて言えば、少し不満気にしたものの頷き「お茶、飲んで待ってるよ」と返事をしてくれた。
*****
「ホントにドワーフの村なんだな」
俺は人では少し厳ついとかも言われる顔も、気難しそうなドワーフの中では目立たないが、人の中でも少し高い背は否が応でも小柄なドワーフの中では目立ってしまう。
なので視線がくればへラリと笑って害はないのだとアピールしながら歩いて行けば、小さな子供が近付いてきた。
「ねぇねぇ。ニイちゃんて、ヒト?」
「そだな〜。ヒトだよ」
「へー、初めて見たなぁ。どっから来たの?」
自分の腰丈程度の背丈の少年から投げられた無邪気な質問に、視線を合わせようと腰を落として聞いていたが、思わず返答に困ってしまう。
「……言えねぇの?」
そんな俺の様子に不信感があるのか訝し気に変わった視線に慌てて首を振る。
「王都からだよ。色んな町を転々として旅してんだ。そしたらここに辿り着いたんだ」
「ドエン村長のとこから出てきたろ? 隣の綺麗な……あれ、またエルフ? でもピンクの髪なんて珍しいな。にいちゃんの黒いのも珍しいけどさ」
「ははっ、あの子も俺と同じ人だよ」
頭を撫でて言えば「そっか」と笑ってくれた。
「ところでニイちゃんの名前と歳は?」
「俺はハジメ! 一番のイチって書いてハジメ!! でもビックリすることに長男じゃなくて二男!! イチロースタイルのナイスボーイだ!」
「ははっ! よくわかんね〜な!!」
そう言って屈託なく笑ってくれる少年の姿は嬉しくて微笑んでいれば、
「で? 何歳だ? ちなみに俺は41な」
「大変失礼いたしました!!」
「お前たちに比べたら長命種だからな。人に比べれれば老いるのも遅いし、あえて子どものフリして近付いたからお互い様だ。そこ、ウチだから寄ってけよ。酒でも飲むか? 少し語ろうや。ニイちゃん悪いやつじゃ無さそうだしな」
カラカラと笑う様子は確かに先輩味もあると、「頂きます」と後ろをついていった。





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