ハジメ。責任は取りな
「ハジメじゃないかい!!いつ帰ってきたんだい?!なんだ随分別嬪さんな嫁さん連れて!アオはどうした!?」
「マリーさん落ち着いて!質問が多すぎる!」
とりあえずまずはマリーさんに挨拶に行こうと店に入れば、矢継ぎ早な質問に苦笑いを返す。
「はじめまして。セイラと申しますわ」
「凄い猫かぶ…!」
完全作ったキヨラの聖女スマイルに、思わず言葉が零れれば、尻を摘まれたのでそれ以上は言わないことにしました!
「なんだかとんでもなく可愛い子だね!まるで聖女みたいだなぁハジメ!」
「そそそんな聖女だなんてぇなぁキヨ……」
「そんな褒められたらお恥ずかしいですわ」
黙っとけとばかりに更に摘まれた尻と、キヨラは恥ずかしそうに俺の背後に隠れた。今はセイラと名乗ってましたね!すみません!!
「そんで、アオはどうしたんだい?」
「……わかんない」
「わかんないってアンタ……!」
マリーさんはそこまで言って俺の顔を見れば、それ以上言わないでくれた。
「まぁ久々なんだ、泊まってきな!……といいたいとこだけど、ウチは前にハジメが使ってた部屋しか空いてないからねぇ。セイラさんの部屋が……」
「あの、私、ハジメさんと同じ部屋で大丈夫です」
キヨラの言葉にマリーさんは一度驚いたように目を見開くと、キヨラの前立つ俺を見るとニヤァと笑う。
「そうかい。なら、まぁいいさね。せっかくならハジメに夜は手伝って貰おうかと思ったけど、難しそうだねぇ」
「下世話な想像と笑顔やめて!そんなんじゃないからっ!!」
「え……っ!?」
俺が言えばキヨラは後ろから出てくると、涙目で俺を見上げ、
「そんな……つもりじゃなかったの?」
「キヨ……ッ、セイラさん!?」
「ハジメ。責任は取りな」
「いやあの」
今ここで何を言っても言い訳みたいになると言葉に詰まれば、
「酷い……っ、だけど、こちらはハジメさんのお世話になっていたお店なら、私が夜手伝います。……ハジメさんは、いつもみたいに私のこと置いて……夜中は出掛けていいですよ」
「そんなことしてないよね!?」
「ハジメ……アンタ……!」
マリーさんのゴツい腕に血管が浮き上がるのを見て違う違うと頭を振るが、どうも俺の誤解は解けそうにもないと、一旦戦線離脱だとマリーさんの酒屋を出た。尚、逃げ出した訳ではないよ!落ち着いてマリーさんに話したらわかってもらえるはずだからね!!
ちなみに中では、
「相変わらず揶揄いやすいなぁ」
「ですよねぇ〜」
などと2人が笑い合っているのは想像もしてなかったけどね!