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詩*日常から*

十一月/澱

作者: a i o


秋も冬も名乗れぬ気温の中

その十一月はあって


霞む水色の空

川沿いに並んだ トックリキワタ

手のひらをぎこちなく広げたような

鮮やかなピンクの花々が

か弱い陽光に照らされ


浅い川底で じっと佇む

青黒いうなぎの背が

水面に吹き付けた風に

かすかに揺れる


玄関先に小さな上履きを

干した家の 古い隣家は

跡形もなく取り壊され


今日は動かぬ重機のキャタピラ

傍らを舞う 蝶の(はね)の翠

ひらいては閉じ


ちぐはぐな季節に

(すす)けた ものかなしさだけが

十一月を背負い


あふれる色の根底を

ひっそりと流れている









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― 新着の感想 ―
好きです!!冬の停滞した時間を感じました。とても淋しくて、でもなんだかそれが当たり前というか、日常にひっそりとあるような気がして、心の川底が冷たくなる感覚がしました!!!!!
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