表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

化物

ちょっと短いです…。

  Side尾崎


 そして私たちはその光景を最後まで見ていた。


 蹂躙。蹂躙。蹂躙


 最後の最後までそのウルフの魔物はオークを狩り続けた。

 

 あいつのレベルは今幾つなのだろうか?

 そんな疑問が頭に過ぎる。

 おそらくは20から25くらいはあるのではないか?あれだけ倒しているんだ。戦っている中でもどんどん強くなって行っているのはおそらくレベルが上がり続けれいるからだ。


 「俺たちもあのぐらい強くなれるのかな?」

  

 「レベルさえあればなれるんじゃないか?」


 柊の疑問に対して東条が適当に返した。

 

 だが、これに関しては私も東条と同意見だ。

 レベルがたった1上がっただけでもかなり恩恵を感じるのだ。コツコツと積み重ねて言ったらそのうちそのらいんに乗る事ができると十分考えられる。


 そしてそんなことを話しているうちに最後の群れのボスと思われる個体とウルフの戦いが始まる。


 「やばい。すでに目で追えないんだが」


 「ハゲ、それはレベルが低いお前だけだ」


 天王寺が返す。そしてみんなケラケラと笑う。


 とは言ったもののおそらく多く魔物を狩った天王寺や一ノ瀬でもあまり見えてはい兄のではないだろうか。それだけのスピードだ。


 「あいつらどっちが勝つかな」

 

 不意に誰かが漏らす。


 「オークじゃあねーか?あいつは他の個体と違って上位個体みたいな異様な雰囲気だし、あんな包丁の一撃をもらったら一瞬で死ねる自信あるわ」


 「そうか、俺はウルフだと思う」


 今度は橘がいう。そして私もそう思う。


 「なんでだ?」

 

 「理由はあいつはさっきからオークに大したダメージを与えてないけれど1ダメージも食らってない。消耗ならあのでかい包丁をぶbん回しているオークの方が先だから必ずどっかでガタがくる」


 「私もそう思う」


 一応意見しておこう。ここではみんなに何が戦いにおいて大事なのか知っておいて欲しい。


 「先生もですか?」


 天王寺が問う。


 「ああ、そうだ。戦闘において消耗しないことは大切だぞ。それにほら、もうだいぶ型がきているように見えるぞ」


 「確かに…」

 

 柊が反応する


 「でも俺はオークの一発で勝負がつくあたりそっちの方が有利だと思うけどな」


 「まぁ、そのうちわかってくるだろう」


 決して今絶対にわかっていなくてはいけない事では無いのだ。



 そして話しているうちに勝敗が決する。


 「まじか…本当に先生の言ったようになったよ」


 柊がいう。


 「ほらな」


 橘が少し自慢げにいう。


 そして私も少し嬉しい。自分の格闘家としての考え方は間違っていな狩ったとわかった。


 「ん…?」


 そして少し気引っかかる。

 これは殺気か…。

 

 「おいみんな、気を付けろ。さっきを感じる」

 

 「殺気!」「まじかー」「えー」「…」「おいあれくさくね?」


 それぞれが感想を…って誰か気がついたことがあるようだ。


 東条だ。

 

 「どれだ?東条」


 「あのウルフですよ。なんかこっち見てません?」

 

 「なわけないだろこっからあいつのいるとこまでは100m近くあるぞ」

 

 天王寺が反論


 「でもほらなんかこっちに近づいてきてない?」


 一ノ瀬がいう。


 確かにきているような…。

 あ、やばいもう30m切っている。

  

 「やばい!みんな逃げろ!」


 そう私が叫んだ時にはもう遅かった。

 なぜか後ろから声が聞こえる。


 『ぐるるぅぅ…』


 低く唸るような声だ

 思わず後ろを振り向く。


 そしてそこにはしっかりさっきまでオークと戦っていた個体がいた。


 「やばい、みんなこれは逃げられない!死にたくなかったら倒せ!」


 無茶ぶりだとはわかっている。だがこうするしかない。でないと本当に殺されてしまう。


 (私が死ぬのはまだ良いが…)


 子供たちが死ぬのは許されない。


 「くそっ!」「結局こいつとやり合うのか!」「まだ死にたくねー…」


 それぞれが苦悶の声を上げる。

 だがその中でも橘はまだやる気があるようだ。ガッツがある。

 

 「俺が前に出る。先生アシストしてくれ!」

 

 「わかった」


 そして俺たちとあのウルフの戦いが始まった。


 普通にやったら攻撃は当たらないと考えるべきだ。ではそうするか。


 「天王寺、一ノ瀬、お前ら2人と俺と橘でこいつを囲む強力しろ!」


 そう、当たらないならそもそもの逃げ場をなく相手仕舞えばいい。

 

 そしてやっともことで包囲網が完成する。


 「しゃっ!」

 

 思わず東条が歓喜の声を上げてしまう。


 油断するな。そう声をかけようとしたが遅かった。


 「なっ」


 急に黒い煙が広がる。

 

 そう、ウルフは魔法を行使した。


 「なんだこれ、動きが遅くなる!」


 1人が声を上げる。


 「デバフ、弱化魔法だあの煙に触れるな!」

 

 天王寺が叫ぶ。


 だがもうその時には全員がその煙に捕まってしまった。


 そして一番最初に一番近くにいた柊が殺される。と思ったその時ギリギリで東条が柊を庇う。そして左腕を噛まれてしまった。大量の血が出ている。


 「うわっ………ぐぅぅ」

 

 「東条!」「浩介!」


 私と庇われた柊が声を上げる。


 ついに腕が噛みちぎられる!その時またもやギリギリでのカバーが入る。

 

 「やめろっ!」

 

 橘だ。橘が鉄パイプでウルフの頭を叩く。


 そしてウルフはよほど先の戦闘での疲労が激しかったのか大きく倒れた。


 「やったのか…?」

 

 天王寺が思わず聞いてしまう。


 あれだけの強さの魔物だ。倒したら大金星だ。


 だがその前に…


 「いますぐ、今すぐ東条を連れて行け!」


 みんなは我に帰ったように急いで東条を運び出す。



 





 そしてみんなが行った後私にはするべきことが残っていた。


 あのウルフの生死の確認だ。

 モンスターは普通倒したら謎の光と共に消滅する。なのにあいつはまだこの世に存在している。

 つまり…


 「あいつはまだ生きている」


 私はそう結論付けた。

 そして実際そこにはまだウルフの体が残っていた。


 が、様子がおかしかった。何か死んだときとは違う光を放っている。

 そしてとんでもなく嫌な予感がする。


 これは早めにとどめをさしておこう。そうして私は思いっきり殴ったがウルフの体はびくともしなかった。まるで、そもそも何も影響を受けてないように。


 そして次の瞬間……


 「っつっ!」


 眩い光が辺りを襲った。


 死んだ。っと一瞬思ったがそんなことはなかった。それどころか周りには一切被害はなかった。


 そして更にさっきまで光の中心だったところから何かが出てきた…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ